トップ 投稿小説ライブラリー 「競泳部員恭子 高二編」 アクアピオン様
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「競泳部員恭子 高二編」 著者: アクアピオン様 投稿日: [2006.06.21]


春を迎え、新入生がやってきた。
簡単なクラブ紹介と勧誘をしたが、運動部の希望者は、もともと少なく、派手なモノではなかった。
しかし、女子水泳部には、恭子の後輩をふくめ、3名の新入部員がいた。
部室には、恭子と、顧問の河本と3名の新入部員がいて、恭子が設備の説明をしていた。
やはり、東高のプールの稼働時期の長さは受けがよく、
「じゃあ早速今月から練習なんですね。」
「気候のこともあるから、暖かい時をみて練習開始日にするわ。」
「ねえ、先輩。男子は何人いるんです。」
「ハア?男子水泳部なんてないわよ。一覧表見てなかったの。」
「男の子いないんですかあ?なんだかなあ。楽しみにしてたのに」
「あんたは何を目的にうちきたの?」
「だって、やっと高校生になったし、カレシの一人くらいねえ。」
「何で男子水泳部ないんですか?」
「休部中なのよ」
「じゃあ、新入部員がいればいいんでしょ。先輩、勧誘しましょ。」
返答に困った恭子に代わり、河本が言った。
「休部といっても無期限休部。事実上の廃部なの。」
「えー、なんでなくなっちゃったんですか?」
「まあ、いろいろ学校の方針もあってね。」
「そっかー、残念・・・」
恭子は気分を取り直して、
「さあ、水泳道に邁進しよう!」
「あんまりもりあがりません」
新入部員達は肩を落とした。

森本は、自分の実績をひっさげ、勧誘をかけたが、そうそう、鉄人レースをするガッツのある男もおらず、30万の自転車を始めとする用具代50万と、遠征費、参加費が年間20万ちかくとあって、新入部員は一人にとどまった。
いや、よく一人いたものだ。
一人でも練習相手がいるのは助かる。
新入部員の植松は、陸上出身者で、自分の弱点が強みで、練習では頼りになりそうだった。
部の顧問は、ランのトレーニングを見て貰うため、陸上部の大塚が兼務することになった。
「大塚先生、よく君を手放したなあ。」
「今年は、世界陸上で、新入部員が6名もいるらしくて。持ちタイムのことで惜しんでいただきましたが、自分はこちらに興味があったので。」
「でも、よく来る気になったね。」
「あのビラをみて惹かれてしまいました。『鉄人』という言葉に。」
「その文字が正解だったんだ。費用結構かかるけど大丈夫?」
「はい、その点は。親父が自転車のほうが専門、っていうかそれで食ってるので、バイクのある競技は理解がありまして。」
「えっ、ひょっとして、フレームビルダーとか?」
「いえ、乗る方です。競輪」
「へえ〜、競輪選手か。えーと、植松・・・」
森本は、部室の新しい備品のPC端末を操作した。
インターハイ2位の威力は大きかった。
「前年賞金順位8位、獲得賞金7960万、累積獲得賞金9億・・・・。世界中に遠征させてもらえそうだね。自転車部は、うち、ないか。そういう学校にはいかなかったの。」
「足で稼ぐのはこれからは難しいと言われまして。体も小さいですし。いままで自転車だけはやったことありません」
「そんなもんなのかなあ。それで、さっき説明したとおり、4月からプール使えるから。」
「うちのクラブも使わしてもらえるんですね。水泳部文句いわないんですか?あ、そういえば、うちは水泳部ないんですね。」
「いや、あるよ。女子が。男子は無いけど。休部中でさ」
「なんでまたないんです?」
森本は少し言葉につまった。
「いきさつはよく知らないんだ。まあとにかく、それでこの部室もうちでつかえるんだ。」
「じゃあ、やっぱり環境いいですね。」

新学期早々というのに、もりさがってしまった女子水泳部だったが、これではまずいと、恭子は
「トライアスロン部に新入生が一人いるわよ。」
「何でトライアスロン部が関係あるんです?」
「一緒にプール使うし、部室、更衣室と浴場はさんで向かいの同じ建物よ。練習も一緒にするんじゃないかしら」
「そうなんですか!それなら男子があるのと一緒ですね。やった!」
こんなことでもりあがりやがって!と思ったが、まあ練習の士気が高まればいいか。
「全部で何人なんです?」
「あ、でも、去年できたばかりだから、2年生があと一人よ。」
「まあ、二人でもいればねえ〜。私、年上の先輩がイイかしら」
「でもその人、去年のインターハイ2位よ。ライバル多そう。」
「これこれ、君たち。彼にはハニーがすでにいるわよ。」
「まさかそれって先輩だったり。やだー!」
「やだー!ってどういう意味だ!あんたは知ってる娘だよ。祐子ちゃんだよ。高橋祐子。」
「え、高橋さん?どーして?うちの中学の出身なんですか。その人」
「森本君、知ってるかな、バレーボール部の。」
「インターハイ2位って森本さんだったんですか!すごーい。あ、だから高橋さん・・」
「え、何?でも別に人の彼だっていいじゃん。とっちゃえ、とっちゃえ」
「難しいわよ。あの娘、スタイルよくて、かわいいの。そうね〜、綾瀬はるかみたい。それにね、森本さん、いっつも練習見に来てて、校外練習の場所にまで、毎週顔だしてたの。なんか、もう、ぞっこん、って感じで。森本さんのほうがあれじゃ、ムリだ〜。」
「そっかー、残念ね〜。そういう人には彼女いるわよね〜。」
「ハイ、君たちは、水泳でしっかり女を磨く。だからまずは練習に精を出す。」
「それで先輩みたいになっちゃうのか・・・・」
「水泳が恋人って、悲しくない?」
「慣れって恐ろしいわね。」
恭子は噴火した。

練習開始日は熱源の点検も兼ねて、水泳部、トライアスロン部あわせて練習初めとなった。
顧問の河本、大塚もプールサイドに姿をみせた。
去年はとんでもない練習初めだったが、大塚は
「まあ、一応顧問とはいうものの、俺は、実際水泳はみてやる力がないし、陸上部も見なきゃならん。実質、練習は佐々木と森本でみてやってもらわないとならんが、宜しく頼むな。まあ、困ったことがあったら何でも、俺でも、河本先生でもいいから言ってくれ。」
「ハイ!」
そういって大塚は、陸上トラックのほうへ行った。
「じゃあ練習のほうは、最初だし、俺たちの方はアップで400フリー、あと、お互い400フリーでタイムとろうか。練習の参考にしよう。」
「私たちのほうは、同じくアップF400、それとメインは・・・F100×10の1'45を3セットと・・・」
「えー!ちょっと、いきなりそれで、まだあるんですか!向こうは400の2本なのに〜。」
「あんたねえ、こっちは本職、向こうは他にもあるのよ。」
「でも、私たちも受験があって練習久しぶりだし、最初なんですから〜!」
「しょうがないわね、じゃあ、あとはメドレー400を2本。手抜きしないように」
「ハーイ!!」
練習は同時にスタートしたが、森本達がアップを終わったときには、すでに女子はメドレーにはいっていた。
そしてまずは植松がタイムをとり、6分台後半のタイムだった。
「いいタイムじゃない。」
「いやあ、もうパンパンですよ。もっと泳ぎ込まないと。」
「まあ、これからだよ」
そして森本のタイムを取り終えた頃、すでに女子はメニューを終え、新入生達は、プールではしゃいでいた。
「なんか、小学生の自由時間みたい。まあ、これまで受験だったしなあ。」
「あのう、先輩、これからの練習は、水泳部とは別々ですよね。」
「いや、基本は一緒だよ。」
「えっ!でも、種目もタイムも違うし、向こうは飛び込みもターンもあるでしょう。」
「そりゃ、細かいところは別だけど、種目やタイムなんかは、今のレベルなんて、そのうちどうなるかわからないし、向こうは専門だけど女子、こちらは3種目のうちの一つだけど男子で、力的には均衡とれるんじゃないか。練習相手にはちょうどいいよ。二人だけっていうよりはるかに効果は高いと思うよ。」
「・・・でもやっぱり女子が一緒に練習というのは・・・」
「何か問題があるかしら、植松く〜ん」
後ろから恭子が、声をかけた。植松は飛び上がりそうになった。
「何、女子なんかとは練習できないって言いたいの!女性蔑視なわけ。」
「いえ、そういう意味じゃないんです。ただ、その、発育途上の高校生が、水着でいるわけですから、その・・」
といって、植松は顔を少し赤くてうつむいた。
森本と、恭子は目を丸くして、
「おまえ、女の子の競泳水着姿に照れてるの・・・。」

練習初めもおわり、全員一度プールサイドに集合して挨拶をし、パラパラと浴場のある、クラブハウスに向かった。
森本は浴場に向かいながら、ウブだっていってもほどがある。
そりゃ去年の事件を起こすような奴じゃ困るが、こんな調子で練習になんのか?と思った。
植松は、そのまま更衣室に入ろうとしたが、森本に呼び止められた。
「水温はあげているとはいえ、プールサイドに長く立ってて、思ったより体冷えてるぞ。風呂でよく体ぬくめとけ」
「男子用は・・・」
「うち、共用なんだよ、そこ」
すでに女子が2人ほどはいっていた。
こんなとこに俺が入れるわけがない。
女子が出るのをまって、浴槽に向かうと、ちょうど恭子も浴槽に向かってきた。
踵を返そうとしたが、ちょっとミーティングするから急いでくれと、すでにジャージに着替えた森本が、更衣室から顔をだして言ったため、「ハイ」と答えて、仕方なく浴槽へ入ろうと
した。
しかし、そこには恭子が、身体を湯に浮かべるようにしてつかっていた。
恭子はT−LINERゼロSTの、よりによって黒のハイレグを着ていた。
恭子のやっていることは、わざわざ風呂の湯で、水着に艶をだし、身体全面のラインを映し出していた。
当然、Cカップを超える胸とその先にとがる小指大の乳首、そして肋骨、引き締まった腹筋からへそのくぼみ、そしてあて布のラインとそこにつつまれた恥丘が、水着のテカリで子細までわかった。
植松は、浴槽の端に、恭子とは反対側を向いてしゃがんでつかった。
恭子は、
「あ、ごめんなさーい、植松く〜ん。私が真ん中取っちゃって。ちょっとよるわ、こっち、横開けたわよ。」
「あ、はい、でも自分ここで十分ですんで。」
「あらあ、ほら、ここジェットバスなのよ、誰かさんの活躍で、これも予算ついて。コンディショニングも大事でしょ。ここで、少し筋肉ほぐさなきゃ。」
ここまで言われて断るわけにもいかず、恭子の横に足をのばして座った。
なるほど、ジェットがしっかりでてて、フィットネスクラブのようだった。
しかし、横で恭子は、そのジェットの勢いで先ほどと同じ事をしていて、植松はすぐに目をそらし、前を見据えた。
「ねえ、植松く〜ん。」
「ハイ。」と植松は目線をまっすぐにしたままこたえた。
「あらあ、先輩から呼ばれたら、まずはそちらの方を向くのが礼儀じゃない。」
「し、失礼しました!」
と言い、恭子の方を向くと、恭子がこちらに少し向いて浴槽に正座して座っていたため、目の前にバストがあった。
斜め前から、まともに大きな乳房と、水着に突きたった乳首を見た。
すぐに、目線を恭子の目に合わし、
「な、なんでしょうか?」
「そんなに見つめて言わなくても・・・」
植松にとっては地獄だった。
別に女が嫌いなのではないが、嫌いでは無いが故に照れてしまう。
ああ、いったい俺はどうすれば・・・と、思っていたら、あんまり遅いので森本がやってきた。
「おい、頭真っ赤だぞ。のぼせてるぞ。そこまではいらなくたって・・・」
と言ってると、横で恭子が含み笑いをしていた。
こいつ、また・・・。と思いながら、植松に、上がって、今度は低温のシャワーを浴びるように言い、連れていった。
恭子は顔を鼻のところまで湯につけ、湯の下で口元をニヤニヤさせていた。

森本は、冷蔵庫からつめたいミネラルウオーターを出し、植松に飲ませた。
植松から事の顛末を聞き出した。
「しかし、なんで・・・?小学生の時スイミングスクール行ってたんだろ、そん時なんか、男女一緒だろ。」
「小学生で男女なんて意識しませんよ。佐々木先輩なんであんな・・・。僕、湯船の中で・・・勃っちゃうし、顔見たら、美人だし緊張しちゃって・・・。」
「タダでいい女のきわどい水着姿が見れて得だ〜!と思え。」
「急にはムリです。」
「まあ、そのうち慣れるよ」
「だいたいうちのハウス、なんで浴場とシャワールームが男女共用なんです?普通まずいでしょう。先輩去年の活躍で結構予算もらったんでしょ、あの位置なら間仕切り1枚で区切れるじゃないですか。何とかしましょうよ」
「予算ていっても、3月までだから、全部つかっちゃったよ。ジェットバスとか、冷蔵庫とか,PCとか」
「なんでそんなつまんないもんにつかっちゃったんです。」
「おまえ自分の基準でいうなよ。PCは大会のエントリーや高校間、高連、社会人選手達との連絡で必須なんだよ。冷蔵庫の恩恵は、今お前が被った。ジェットバスは、佐々木の希望。」
「先輩去年の成績で予算ついたんでしたら、今年も頑張って予算貰いましょう。」
「でも、去年2位になっちゃって破格だったから、今年はなあ」
「じゃあ今年は頑張って優勝して、間仕切りつくりましょう」
「お前、間仕切りのために頑張るのかよ」
スケベになって、女子と一緒なのを喜べるようになる方が楽なのに・・・と森本は思った。

女子部室では3人娘の話に花が咲いていた。
「森本先輩っていい身体よねえ」
「なんか、いやらしい言い方」
「いや、その、胸板とか肩の筋肉とか、逆三角形なんだけどそれでいて腰から太ももが太くて、足首も太くしっかりしているでしょ。なにか水泳選手とも陸上選手ともちがったたくましさとスマートさがあるわ。」
「植松君も完全アスリート体型だし。ちょっときゃしゃだけど。これからでしょ。」
「たった2人だけど、どうでもいい男子水泳部員10人とかよりよっぽどいいわ」
「ねえ、こんどから誰とお風呂にはいるか順番決めていかない。」
「じゃあ、3人順繰りで2人で・・・」
「ちょっと。わたしは」
「あ。先輩。忘れてた。はいります?」
「いやあ、私はいいよ、でも今日みたいに一緒に終われる日は少ないよ。」
「ええー。なるべく一緒になれるようにしてくださいよ。練習はどっちでもいいですけど。」
「まったく!」

森本が水泳部とのキャプテンミーティングをしたいといい、校舎の会議室に、河本と3人が集まった。
これからの双方の練習スケジュールを報告し、練習計画をすり合わせた。
トライアスロン部は、陸上トレーニングを終えてから、基本的には女子水泳部の練習終了後に利用することになった。
森本の、植松への配慮でもあった。
河本も女子が早くあがるほうがいいだろうと思い了承した。
土曜日は、トライアスロン部はバイク練習で学校には来ず、女子水泳部単独の練習となった。
マネージャー業務は双方がお互いを兼ねることになった。

ミーティングを終え、森本と恭子は部室へ戻りながら話した。
「このスケジュール・・・。練習で一緒になることはないのね。あの娘達、がっかりするだろうなあ。」
と、さほど同情するでもなく恭子は呟いた。
「なんでがっかりするんだ。」
「せっかくトライアスロン部のいい男達と一緒の練習、お風呂でいい身体が見れることを楽しみにしてたのに残念ってこと。誰が一緒にあんた達とお風呂はいるかって騒いでたわよ。」
「う〜ん。わからんもんだなあ。植松は男女分けるべきだっていうし。逆じゃねえか?あ、そうだ、おまえ今日、風呂で、植松の前で・・・・」
「普通にお風呂はいってただけよ」といって舌をペロッとだした。
「おまえ、ああいうこと・・・。あいつ倒れそうになってたぞ。部室で泣きそうになってるし。去年のこともあるんだから、少し考えろよ。」
「ちょっと、からかっちゃった。去年の奴らみたいな子だったら、見せないようにしてるわよ。彼はウブで・・・かわいらし。」
「油断しない方がいいぜ。あんなことして、興奮して止まらなくなったらどうする?」
「経験者のご意見、しっかり参考にさせていただきます。」
「ウッ、まあ、ああいう奴だからたのむよ。」
「わかった、わかった。」

祐子は中学3年生になり、部活と受験を平行して行うことになった。
受験の方は、森本や母親のアドバイスから、祐子の希望する看護学校への進学率が高い、私立の女子校を目標にした。
成績で困ることもなく、塾通いと、週1回の森本の家庭教師を受けながら、部活も積極的に行っていた。
森本との仲も、家庭教師がおきまりの自宅デートとなった。
軽く口づけを交わすことはあったが、それ以上のことはなかった。


6月の下旬になり、まずは植松のデビュー戦となった。
去年森本が優勝した大会である。
森本はインターハイ本戦はシードがあり、植松のサポートに徹することになった。
そして、水泳部のメンバーが全員応援に来ていた。
森本は一抹の不安を抱えつつも、植松にレース戦略を与え、最初のスイムへと送り出した。
先に女子のスタートがあり、競泳水着や、セパレーツ水着の選手達がいたが、植松はいつもと違い、全く気になってないようだった。
いよいよ男子がスタートした。
植松は序盤から一人トップへ躍り出た。
森本はオーバーペースを心配したが、ぶっちぎりでゴールし、バイクに移った。
「植松く〜ん。ガンバ!」
と水泳部の女子達の声援がとんだ。
森本は、一瞬不安になったが、植松は全く気にせず、快走を続け終わってみればランでも後続を引き離し優勝、2年連続東高の新人Vとなった。
これで、2人そろってのインターハイ出場となった。
森本と植松はガッチリ握手した。
「やるなあ。すげえじゃん。自己ベストも大きく更新して。でも水着の女の子とかいたけど、大丈夫だったのか?実はちょっと不安だったんだ。」
「あー。特に気にならなかったすね。集中してましたし。部室工事のためです!」
わからん?わからん男だ、と森本は思った。

翌々週には女子水泳部の地区大会だった。
マネージャーとして同行するので、大会前に打ち合わせなどもあって、植松と女子の練習時間帯にプールへ行った。
プールの中にいた恭子がこちらをみつけてあがってきた。
恭子が近づいてくると植松は、逃げるようにベンチに向かい、どこかあさっての方向をみていた。
平気になったんじゃなかったのか?と、森本はガックリした。
恭子はクスクス笑っていた。
大会当日は、ドリンクをいれたクーラーをもって応援席を陣取った。
周りに他校の生徒がいて、すでに水着姿の女子選手もいた。
しかし、植松は全く気にせず、東高の選手が出場の時は人一倍大声でかけ声をかけた。
恭子の時は、異様に気合いが入っていた。
部員達が戻ってきたら、てきぱきとドリンクやタオルをわたし、水着姿のままの部員もいたが、気にしていなかった。
結局、恭子が次のブロック別に進出した。
終了後、森本がみんんなに「お疲れさん」と声をかけると、植松が「佐々木先輩、おめでとうございます!」と大声で言った。
普段、照れてろくに恭子と話すこともない植松だけに、恭子は少し驚いたが、「ありがとう、声援、聞こえてたわ、力がでたわ」と礼を言うと「自分の時も応援いただきました。あのとき励みになりました」と答えた。
森本は、ハキハキしゃべる植松に驚いたが、大会の時の声援も聞こえてたのか、と思った。

いよいよ9月中旬を迎え、森本は国体への出場を控えていた。
今回は中国地方での開催のため、遠征になり植松とともに前泊することになった。
練習量も控え、調整を行っていた。
祐子は、さすがに受験もあり、応援のために泊付きで旅行というわけもいかず、残念に思っていた。
でも、いつもお世話になっている先輩に、何かお手伝いできることがないかと、マネージャーをやっている恭子に聞いてみることにした。
恭子は少し思いを巡らしたが、いつもの悪い癖がでた。受験で忙しいだろうから、3日後に、祐子の自宅まで出向いてくれるという。
そういって電話をおいた恭子は、インターネットのページを探していた。

祐子の部屋で、恭子はお茶をしながら、久しぶりの再会だったため、近況を話していた。
「そうねえ、森本君は今、練習量おとして調整しているわね。聞いたところによると、本戦前は、本戦で動く分、疲れないようにして、食事や水分も多めにとっておくそうよ。」
「じゃあ、今はゆとりをもって過ごすようにされているんですね。」
「うん、だから、力になってやるとするならコンディショニングのことかなあ。まあ、あいつのことだから、エッチなことがパワーになったりして。祐子ちゃんだったら、よくわかってんじゃない?」
「そんなこと無いですよ、先輩、紳士ですから。エッチなこととかしませんし。」
「エッ!だって、あんた・・・えーっと、あん時だから、1年の6月頃か、例の水着の話の時、何かあったでしょ、あれっきりってことはないでしょう。」
「そんなこと・・・、最近は・・・そりゃあキスくらいは・・・でもそれ以上はないです。」
「最近は、って、その前はどうだったの?」
「えー!去年の春くらいに似たようなことはありましたけど・・・。最初のときと同じで、それ以上は何も・・・」
その後、インターハイ前が私か。
あれ以降祐子には手をだしてない、なかなか男気あるな。
なんかでも、やっぱムカつくな。
でも森本、国体で調子よくなりゃいいし、去年は効果あったなんてほざいてたよな、もっと効果でるだろ・・・。
「先輩?どうしたんですか?」
「よく考えてみたんだけど、これが効果があるかな、と思って。」
と言って、恭子は祐子に、小さな紙包みを差し出した。
祐子は中身を出してみて。
「せ、先輩、これって・・・・」


国体の前週の土曜日、去年のインターハイと同じ用に大会用具一式を部室に持ち込み、今回は遠征のため、荷造りも行っていた。
試合用のものや自転車は前もって送ることにした。
そして、ウエットスーツを着て、プールで調整を行おうとした。
すると、信じられないことに、目の前に祐子が立っていた。
アリーナのエールブルーのロングスパッツに身を包んでいた。
「エッ、どうしたの?」
「来週応援に行けないし、何かちょっとお手伝いでもしたいと思って。それで調整のお相手でもさせてもらえたらと思って来たんです。お邪魔ですか?」
「いや、そんなことないよ、うれしいよ。何か力がでるな。」
祐子がプールにはいってきた。
まだ時期が9月なので、普通に外で練習している時期でもあり、水温は上げてなかったが、それほど寒くはなかった。
「あれ、でも校外の人間なのに、どうやってここまで?」
「佐々木先輩も一緒なんですよ。」
「へっ?であいつは?」
「部室にいらっしゃいます。せっかくだから2人でって。」
「変に気まわしやがって。今日は、400ほどフォームチェックで流すだけだから、後ろからくる?」
「じゃあそうします」
二人は軽く練習し、プールからでて、浴室にむかった。
森本はウエットを脱ぎ、ハンガーにつるした。
祐子は先に湯船につかった。
そして恭子は、女子更衣室と浴場の桟のところから、浴場を覗いていた。

恭子が祐子に渡していたのは、メタリックシルバーの競泳水着だった。
去年、恭子が着て、森本に悪戯されたものと同じタイプのモノで、同じショップで通販で買ったのだが、祐子に合わせてワンサイズ小さめだった。
「なんか、これ、凄いですね。」
「あなたが着るのよ。」
「エッ!やめてくださいよ〜。こんなのどこで着るんですか。」
「練習や外で着ろなんていわないわよ。でも、彼氏の前ならねえ」
「それでも恥ずかしいです。もっと恥ずかしいです。」
「でも、その姿見せると、絶対喜ぶよ、あいつ。大きな大会前だし、サービスしちゃいなよ。」
「でも、いくらなんでもこんなの・・・。」
「特に、最近イイコトさせてないんでしょ。まあ、ちょっとだけよ。もちろん、一線は越えさせないようにね。なにしろ、うちの学校を使おうとしてるんだから。」
「先輩の学校でですか?」
プール設備のことと、森本が土曜日に来ることを説明し、恭子が去年自分がやったようなことをするように言った。
「でもそんなこと、レース前にしちゃって、大丈夫かなあ?」
去年それで調子がよかったと森本が言った、とは口がさけても言えなかったが、
「前日ってならともかく、1週間前だし。激励よ、激励。気合い入るよ。」
「このお風呂すごいですね。銭湯みたい。」
「佐々木の要望。予算とったの俺だけど。今年も頑張んなきゃ。」
祐子は、森本を元気づける、と思っても、なかなか踏み切れないでいた。
ロングスパッツの下には、例のメタリックシルバーの競泳水着を着ていたが、サイズがタイトで、泳いでいる間中、ずっと食い込んでいっていた。
ロングスパッツの上からでは、下の水着を直しようもなく、特にヒップは食い込みがひどく、上を脱いだら、ほとんどがはみだしてしまいそうだった。
そして股間の部分にもかなり食い込んでいた。
どうしよう、こんなの、脱げない!と祐子は思っていた。

恭子は、桟の上から見つからないようにのぞき込んでいたが、展開が進まないのにイライラしていた。
祐子には、部室にいるから、うまくやってね、何かあったら声だすか、この緊急用ボタン押して。
今日は部室だけ呼び出すようにしとくから、と言っておいた。
しかし、恭子が、それで済ますはずはなかった。
しらじらしい会話に尻がこそばくなったりもしたが、笑いをこらえていた。
そして、祐子が湯船から立ち上がった。おっ、いよいよか?と思ったら、そのまま湯船をでてしまった。何してるー!祐子!

決心がつかないまま、祐子はちょっと熱くなってしまい、湯船をでた。
所在なげに、浴室に立っていた。
「どうしたの」
森本は、さっきから、何か祐子の挙動がおかしいのを気にしていた。
でも、このエールブルーのスパッツ、なんかしっくりしてないし、これ、佐々木が着てたやつじゃないかな。
それに重ね着しているようだし・・・。
「冷えちゃうし、あがるんだったらシャワー浴びて着替えたほうがいいよ。」
と言われ、シャワーボックスに入った。
カーテンをひいて、ここなら見えないし、と思ってスパッツの背中のジッパーをおろそうと思ったが、慣れない水着で自分ではおろせない。
恭子に頼みたかったが、部室みたいだし、これくらいならと、
「先輩、すいませんけど背中のジッパーおろしてもらえます?」
「ああ、いいよ」
半身浴していた体をおこし、祐子のいるシャワーボックスへ行った。
祐子がカーテンを開け、後ろを向いた。
ジッパーを下げて、「おりたよ」というと、祐子は振り返って「ありがとうございます」と言って手を胸からはなした瞬間、水着が肩からハラリと下へ落ちてしまった。
目の前にメタリックシルバーの競泳水着に身をまとった祐子の上半身があった。
「キャッ!」祐子はすぐに両腕で胸を隠した。
森本は瞬間に、生地がぴったりとひっついて、その体をきれいに映し出す輝きを、見逃さなかった。
形のよいバストがきれいに浮き出ていた。
しかし森本は祐子がこんな水着を着ていることが解せなかった。
これは去年と同じ・・・佐々木の仕業か・・・。森本は風呂へ戻った。

祐子は、びっくりしてしまったが、腰までおろしたスパッツを胸のところだけおおって、シャワーボックスからでてきた。
少し寒そうに震えていた。
「冷えちゃったみたいだから、もう一度、ぬくもったほうがいいよ。」
と森本は風呂に誘った。
祐子も寒かったので、風呂につかった。森本は、
「でも、どうして下にそんな水着・・・・」
「あの・・・、佐々木先輩にアドバイスもらって・・・、こういうの見せたら、先輩調子よくなるから、国体に向けて気合い入れてあげたらいいって・・・。でも恥ずかしくて・・・」
そりゃ普通そうだろ。
しかし、やっぱり佐々木か・・・。
性懲りもなく人のことを・・・。
祐子は、風呂の中で、スパッツを脱ぎ始めた。
森本は驚いたが、祐子は、脱いだスパッツを浴槽の縁にかけ、すぐにヒップの食い込みを直した。
そして、腕で胸は覆っていたが、
「これで先輩がいいんでしたら・・・」
と恥ずかしそうにうつむいた。
森本はそのしぐさがかわいくて、思わず後ろから抱きしめてしまった。
祐子も力を抜いて森本によりかかった。
1年以上経って抱きしめた祐子の身体は、かなり成長しているようだった。
その背中や肩も、ひとまわり大きくなり、胸まわりも乳房は腕で覆われ、見えにくいものの、確実に大きくなっていた。
祐子を大事にしていきたいという決心は揺るぎないものの、ここまでされるとブレーキをかけきれなかった。
森本は、メタリック生地の感触を感じながら、腰から手を回していき、胸の下から乳房を両手で包み込んでいった。
「あ、あん!う、うん」
祐子は小さく喘ぎ声をだした。
しかし、メタリック生地はどうにも手のすべりがわるく、森本は、うまく手がまわせなかった。
そういえば去年もそうだった。あのときは・・・。
森本は浴槽からでて、冷たくなった床にお湯を流し、温水のシャワーを流しっぱなしにした。
床の冷たさが無くなったのを確認してから、
「祐子ちゃん・・・。こっち・・・」
と祐子を手招きした。
祐子は胸に手をあてたまま立ち上がって、浴槽から出た。
「ここに横になって」
祐子は風呂場の床に座って、仰向けは、恥ずかしかったので、うつぶせにねころんだ。
またヒップが食い込んでいたので両手でなおした。
森本は混合栓のところに、ボディソープを取りに行ったが、中身が空だった。
あとはシャンプーだし・・・。
もうひとつ、これは・・・。
マッサージローション?
水泳部こんなモン使うの?
でもこれラップがついてる新品だ。
ラベルにハートマーク2つ!
これ・・・。まさか・・・佐々木か!
でもシャンプーじゃなあ。
これ・・使うか・・。
森本は祐子のところにもどり、ローションのキャップをあけ、ヒップの谷間に垂らした。
「キャア!冷たい!」
「あー!ごめんごめん」
森本は手にローションをとり、先にかけたローションと一緒にヒップを揉んだ。
「うふ!はあ、はあ、ううん、あ、うん」
ゆっくり回すようにしてなでるたびに、弾力のあるヒップが、レッグカットのきつい競泳水着の生地を押し出していき、水着がヒップに食い込んでいった。
ああ!やだ!おしりが、全部見えちゃう!
祐子のヒップが半分以上あらわになり、森本は、初めて見る祐子のヒップに少し見とれてしまった。
そして、祐子の体を、表に向けようとしたら、
「先輩、明かり!」
といわれ、あ、そうかと思い、立ち上がった。
祐子はその森本を下から見上げるようになったが、そこに森本の股間のいきり立った状態を、ハーフスパッツの中にみてしまった。
「え!何、あんなの。見たこと無い。先輩、興奮してるんだ・・・。でも、大丈夫かしら」
恭子からは、一線を越えさせないようなことを言われたが、あてにできるのだろうか?
森本は。非常灯だけにしてもどってきた。
薄暗い光ではあったが、メタリックシルバーの競泳水着には十分な反射で、それをつつむ体の細部を描き出していた。
シャワーの流れ続ける音の中で、森本は、ローションを手にとっていた。

恭子は、途中から展開が思うとおりにすすみだし、ほくそ笑んでいた。
しかし、森本が電気を消してしまい、しかもシャワーを出しっぱなしにしているため、更衣室の桟からでは見えにくい上、小さな音は聞き取れなくなってしまった。
「ちぇっ!集音マイクでもしかけとくんだった。」〔作者の声:恭子ちゃん何考えてるの!〕

祐子は、右手で胸を、左手で股間を隠すようにしていた。
森本は祐子の乳房を、下のほうから揉んでいった。
「ハア、ハア、ああん、ハア、ハア、ハ・・・」
祐子の口から小さな吐息が漏れた。そして、指先が豆粒大の乳首にかかった。
「あん!いやっ!ああん!ああーん!」

祐子は以前とは違う感覚を感じていた。
すごく体が敏感になっている。
それにこの水着、生地がすごくうすい!
先輩の手の感触がすごく伝わる。
佐々木先輩、こんなこと聞いてない!
ああ・・・でも・・・。

森本は、下へ手を伸ばそうとしたが、祐子は横を向いて、腰と膝をまげて拒んだ。
逆にヒップが丸出しになり、ヒップの谷間の方から、ぷっくりふくらんだ秘肉がでていた。
この2つの丸みを手で包み込んでなでた。
「いやあーっ!」
森本はびっくりして、手をはなした。
ここまでかな、と思って、バスタオルをとり、電気をつけて、祐子をバスタオルでくるみ、抱き起こした。
何か似たようなことが多いな、ここでは・・・。

あれ、これで終わりか、あっさりしてんな、去年もっといろいろしたくせに・・。
祐子ちゃんだとそこまでできないか。
まあいいか、あんなもんで。

「お風呂入ろう、そのままでいいよ」
といって湯船につかった。
祐子もゆっくり立ち上がって、湯船につかった。
しばらく二人とも黙っていたが、
「こんなこと、ホントによかったのかしら?何か違うような気がする・・・。」
「佐々木に言われてやったんだろ。全くあいつは性懲りもなくまた・・・こんな水着、あいつが用意したんだろ」

あんのバカ、言葉選べ!そんな言い方したらばれちゃうぞ。

やはり祐子は、森本の言葉を不審に思った。
「性懲りもなくまた、って。前にも何かあったんですか。まさかこういうこと・・・」
「いや、あいつ、いろいろおれにちょっかいかけてきて、いつもこう・・・なんていうか人をバカにするようなことっていうか、からかうっていうかそういうことが多くて。」
祐子は不審いっぱいの目で
「何か、仲いいんですね・・・」
森本は、冷や汗いっぱいで弁解の言葉をさがしたが、窮地に追い込まれていた。
「水着、確かに先輩からいただきました。こういうことすると喜ぶはずだって。でもどうしてそんなこと思いついたのかしら・・・。ああっ!先輩!去年、佐々木先輩と何かあったんでしょ!」
しっかりした目で見つめられ、もう森本は逃げられなくなった。
「実は・・・」
と去年の出来事を話した。
「そんなこと・・・。ずっと私に隠して・・・。もう!大っ嫌い!!」
祐子は湯船を飛び出して女子更衣室に向かって走って行った。

恭子は、あー最悪、と頭をかかえたが、すぐに、まずい!と思った。
更衣室に机を置いてその上に乗って覗いていたが、更衣室に駆け込んだ祐子と目があった。
泣き顔の祐子の目が、今度は怒りで燃えていた。
「ちょっと、あの、祐子ちゃん。お話しましょ・・」
祐子は部室に走っていった。そして着替えて飛び出していってしまった。

森本は説明に窮したとはいえ、去年のことを話したのを後悔した。
しかし、隠し事をつづけるうしろめたさもあって、話してしまった。
でも泣かせてしまった・・・。
コンディショニングは最悪の結果を迎えてしまった。


男子部室で、森本と恭子はスポーツドリンクを飲みながら話していた。
「相変わらずなことをするな、お前」
「去年よりかは、大好きな祐子ちゃんが相手で、いいかなあと思ったんだけどなあ。」
「結果は最悪じゃん!どうするよ。」
「あんたがばらしちゃったんじゃない。」
「あの状況でどうしようもないよ。去年のことだってずっと胸にひっかかってたんだから。」
「イイコトだけして終わったらよかったじゃない。」
「祐子にあの姿はきついよ。ちょっと嫌がってたみたいだし」
「私は、あのまま続けてても大丈夫だと思ったけどなあ。」
「おまえ・・・。部室にいるとか聞いてたけど・・・見てたのかよ!!」
「いやあ・・・、まあかわいい後輩と旧知の悪友の恋仲はやっぱり気になるじゃん。」
「に、したってちょっと趣味悪いぜ。今回の企てもさ。ローションまでおいてたじゃねえか。」
「まあ、ちょっとまずかったかな・・・。でもどうしよう、祐子。何とかしなきゃ。」
「俺、完全に信用なくなっちゃたしな。明日何回かメールしてみるよ。」

月曜日、森本と恭子は祐子の件を部室で話した。
「ずっと、メールの返信なし。思い切って電話したら着信拒否。祐子のお母さんなら取り次いでくれるだろうけど、いついるかわからないし。それに俺達、金曜日の朝にはコース確認や、都チームのミーティングで出発しちゃうしな。」
「やっぱり私が話した方がよさそうね。なんとかするよ。私が電話してもやっぱりでてくれないかな。」
「お母さんがいればなあ。そうだ、親父に祐子のお母さんの勤務シフトを聞いておくよ」

恭子は、祐子の母親が自宅にいる時間帯に電話をして、家に出向いた。
祐子の母親から、祐子が、週末から部屋にふさぎ込んで、今日は学校を休んでいる。
さっき恭子が来ることを伝えたら、会いたくない、帰ってもらって、と言っていたが、かまわないから部屋に入ってもらっていい、と言ってくれた。
母親は、恭子が祐子の部屋へ入るのをみて、自室に入った。
祐子は、ベットで横になっていたが、恭子の顔をみて、布団のなかに潜り込んだ。
恭子はそのままで、まず詫びを言って、去年の出来事を話した。
そして、それが、自分の森本への想いと、祐子への嫉妬心からおきた悪戯ごごろと、やっかみからであったことを素直に話した。
そして、森本の祐子への想いの強さをよくわかっていて、今はなんとも思っていない、今回の件も、ちょっとした嫉妬心もあったが、森本と祐子の仲が深くなればと思っていた。
祐子は布団からおどろいた表情で顔をだした。
「佐々木先輩の想い・・・。全然気づかなくて・・・。すいません・・・。」
「いやあ、そんなことはいいのよ。あんなの半分腐れ縁だから。それより、あいつも心配しているから。メールも携帯もつながらないって。」
「電源きっちゃってたから・・・。ちゃんと連絡入れときます。話しづらいからメール。」
「それでいいよ。あいつ週末、大切な大会だしね。」

森本は、国体会場で最終調整を行っていた。
植松がサポートでついてくれており心強かったが、コースが山間の難コースで、試走ですら、すでに落車が発生していた。
インターハイ2位と数々の実績をひっさげ、少年の部、優勝候補の一角にあげられ緊張していた。
祐子からも、恭子と話をした旨のメールがとどいており、少しほっとしていた。
携帯を見てニヤニヤしていたので、植松に不審がられたが、とにかく、これで帰ったら一度話ができると、安心した。
レースが始まり、優勝争いのメンバーと水泳で接戦を演じた。
バイクでとにかく抜き去って、リードをひろげて逃げ切りたい。
しかし、森本はテクニックのいる下りコーナーでミスをして落車、ふっとばされた。
こけた側の体に痛みは感じたが、骨折や、脱臼はなさそうだったので、曲がったスポークを応急処置し、パンクしたタイヤを交換してレースに復帰した。
もう上位入賞は望めないが、完走めざして再スタートした。
体の左側が痛くて熱かったが、とにかく走り続けて何とかゴールした。
体全体が熱っぽく、つらかったが、すぐに植松がかけよって、右肩をかついで救護エリアに駆け込んだ。
森本は、左側の肩から腕、腰、足まで、広い擦過傷で真っ赤っに熱を帯びていたが、幸い病院に運ばれるほどではなかった。
あとから成年の部のレースを終えた高井が駆けつけ、いまでも熱っぽいだろうが、これから今晩にかけて発熱がひどくなるだろう、今晩は延泊して静養するように言った。
植松も、父親を見た経験から、それがいいと言い、面倒をみるといった。

祐子の携帯に恭子からの着信が来た。
「はい、え!森本先輩がケガ!」
「骨折とかは無いんだけど、自転車でこけて擦り傷がひどいんだって。それで高井さんから、一晩静養のため延泊するように言われて、植松君が面倒をみるって。学校に連絡して欲しいって連絡があって、心配させちゃうかもと思ったけど、知らない方がつらいと思って祐子ちゃんにも知らせとこうと思って・・・。でも岡山だから駆けつけるわけにもいかないね。」
祐子は、先週のことが原因だったのかしらと悩んだ。

夕方、祐子は母親に、森本のケガのことを話した。
「今6時か・・。すぐ、泊まりの準備しな。8時台の新幹線なら今日中に岡山へつくよ。東京駅まですぐに送っていってやる。」
「え、でも明日学校だし・・・」
「いつも力借りてばかりで、こんな時に、力になってやらなくてどうする。」
祐子は、母親の行動力と気持ちに感謝した。
大急ぎで荷造りし、東京駅で8時台の岡山行きに乗り込んだ。
岡山に着く頃には12時になっていた。
そこからタクシーで、国体選手の宿舎へ行った。

森本の泊まっていた宿舎の選手は、当日中に帰れない遠方からの選手を除き、帰郷していた。
高井も仕事があるため、東京にもどって行った。
昨日までのにぎやかさのない宿舎で、森本は高熱をだし横になっていた。
植松がバケツいっぱいの氷をおいて、看病をしてくれた。
擦過傷はジンジンし、熱いが、体全体も熱く、のどが渇いてしょうがない。
どんどん熱があがっていくと、植松からいわれていたが、すでに38度を超えていた。
頭も朦朧としてきた。部屋のチャイムが鳴る。
こんな時間に何かな。植松がでてくれた・・・。
「先輩!」
ん?女の子の声だ。あれ?これは・・・
「祐子ちゃん!こんなとこまでどうして・・・」
「佐々木先輩に聞きました。これ、酷いケガじゃないですか!」
「まあ見た目は凄いことになってるけどね。たいしたこと無いみたいだよ。」
「そりゃすぐには治りますけど、たいしたケガですよ。擦り傷なんていいますけど、アスファルトのおろし金の上を時速80キロでつっこんでますからね。やけどの上に肉を削りおろしたようなものですよ。だからこの発熱なんです」
「植松、わざわざ心配させるような事言うな。」
祐子は、植松の説明でゾッとした。
「看病、私も手伝いますので」
「じゃあ、体温に注意して、冷やしてあげてください。僕もちょっと疲れてて、そこの次の間で、仮眠しますので、ちょっとお願いします。」
植松にしては気が利いていた。
「先輩、佐々木先輩と話しました。」
「ホントにごめん。悪かった。」
「いえ、もうすんだことですし。」
「じゃあ、許してもらえるのかなあ。」
「いいえ。許しません!」
高熱の頭に鉄槌が打たれた。祐子が来てくれた感激で油断していた。森本は黙り込んでしまった。
「一生、許しません。ずっと、これからも。だから先輩、大変ですよ」
祐子は、熱を見るふりをして、かるくキスをした。

植松は目を閉じて次の間にいたが、眠ってはいなかった。
いいなあ、先輩は。おれも彼女欲しいな。
あんな風に来て欲しいよ。

東高トライアスロン部は森本、植松両名がそろってインターハイに出場した。
植松は先行逃げ切りを目指し、スイムからとばし、森本は中段につけた。
そのまま、植松は他を寄せ付けず圧勝。
特にスイムでのリードが大きかった。
森本はケガの影響もあったが、終盤9位まで追い上げた。
東高は優勝者と、シード選手を2名輩出した。

この植松の成長の裏には、恭子の存在があった。
最初こそ、恭子と話をするのも照れていた植松だったが、都予選や、女子の応援にいって以降、恭子にスイムのアドバイスをもらいにいっていた。
競技に対しては貪欲な植松であり、どんなトレーニングでも厭わなかった。
恭子は女子水泳部ではフリーでダントツのタイムを持ち、ことスイムでは森本より指導力が上であった。
そして、手をとってのフォームチェックや、指導もしてもらっていた。
植松は自分でも不思議だったが、練習後の雑談なども普通に恭子としていた。
ちょっとした毒舌も愛嬌に感じていた。

インターハイが終わり、学校では部室で簡単な打ち上げと祝勝会が行われた。
顧問の河本と大塚、そして去年のコーチの大嶋と卒業生の高瀬と各部員が揃った。
シーズンオフで、浴場をつかわないので、そこを会場にした。
恭子は久しぶりに会った高瀬と話し、森本は河本、大塚、大嶋達と、来シーズンのことを話した。
森本は受験に備えこれで事実上の引退となり、インターハイのシード権は辞退し、今後は植松を中心にやってもらわなければならないが、助力を頼むと言った。
植松は水泳部女子3人娘に囲まれ、いろいろ聞かれていたが空返事だった。
植松は内心焦っていた。
恭子と話す時間が欲しいが、OGと話してる。
こちらも離れられない。
だが、どっちにせよ、他人のいる前ではまずい。
どうしたらいいだろう。
お開きになっても帰りは一緒の方向だが、ほかに誰かがいたらどうにもならない。
どうしよう。

祝勝会といっても、放課後なので5時半には終了だった。
終わる間際に恭子が一人になったので話しに行った。
「佐々木先輩、あの・・、インターハイのときのフォームや泳ぎ方を、批評していただきたいんですが・・・」
「ええ、それはいいけど、スイムも1位だったんでしょ。まだ欠点なんてあるのかしら。」
「いや、まだまだ上はいます。今後の課題にしたいので。」
「練習熱心ねえ。そっか、ビデオが届いたんだっけ。みんなで見たらよかったね。」
危なかった。早い時間に言って、ここでみんなで見てたら終わってた。
「そういえばそうでしたね。でも、部室のビデオカメラの小さい画面しかありませんからねえ。」
「そっか、大勢では見れないのよね、いいわよ。明日から、あんまりここ、こないし、この後見ようか。」
「そうしてもらえると助かります。」
「まあ6時までだけど、スイム確か20分切ったのよね。じゃあ大丈夫ね。他に誰か見るかしら。森本君、高瀬さん・・・・・、3人娘は見たがるけど見てもしょうがないな」
といって聞きに行った。植松は内心、しまった!そうきたか!と思ったが
「森本君予備校で、高瀬さんフィットネスクラブのバイトだって。3人は遅くなるし、いてもうるさいだけだから帰らしたわ。とじまりはこっちでしなきゃ。」
植松はホッとした。
とりあえずこれで、恭子と2人で話ができる、環境は整ったけど、俺ちゃんと話できるかな?

大会のビデオをみて、恭子は、植松のレースぶりにおどろいた。
フォーム的には改善の余地があるが、海での泳ぎにしてはスムーズで、力強かった。
なにより前半で一気に引き離すというレース展開に感心した。
いくつか気づいたことを言って、少し雑談をした。
「いやあ、夜中の12時過ぎにチャイムがなって、扉あけたら中学生の女の子が立ってたでしょ。もうびっくりしちゃって。」
「あそこは祐子のお母さんも公認でね。お母さんが行かせたそうよ。すごいわね。」
「先輩がうらやましかったです。」
「君もいい子、みつけなきゃ。うちの3人娘は・・・君には合わないか。幼くて」
植松は、ドキドキしながら、思い切って聞いた。
「佐々木先輩は、いらっしゃらないんですか?」
「何が?えっ?彼氏がってこと?たくさんいるわよ〜。なーんてね。何妙な顔してるのよ。いるわけないじゃない」
「そうですか。先輩美人なのに、意外だなあ」
「あら、ありがとう。まあ、何か、縁がないのかなあ。」
植松は、かねてから心に思っていた行動を起こす決心をした。
「あの、これ、もし興味あったら一緒にいかがです?」
「エッ、何々、植松君と?劇団・・・ミュージカル・マンマ・・・って、ゲッ、これミュージカルじゃん、ミュージカルはちょっとな〜。」
「ミュージカルだめなんですか?」
「なんか、セリフをわざわざ歌で歌ったりするんでしょ。なんか変じゃん。」
「いや、まあ、でも・・・一度舞台を・・・ねえ、見たこと無いんでしょ、生じゃ。」
「それはそうだけど・・・、まあ、これコマーシャルもしてたし・・・」
「モノは試しで、ね?」
「うん、まあいいけど。公演日が12月24日の5時。わかったわ」

二人は、部屋を片付け部室をでた。
植松は、暗くなったので、恭子を送っていくと言った。
結局あれはどう考えたらいいのだろう?一大決心をして、クリスマスイブに誘ってOKだったから、他に一緒に過ごす人がいないのはわかったが、ミュージカルへの拒否反応で真意がわからなくなってしまった。
せっかく並んで、イブの人気チケットを取ったっていうのに、チケットの選択ミス?
だいたいクリスマスイブに誘った意味をわかってもらえてるのか?
それとも、そもそも、俺はそういう対象じゃないってことか?ええいっ!
「あの、先輩、さっきのミュージカルの件なんですけど」
「なに?」
「公演日が、その・・・クリスマスイブ・・・なんですけど、その意味伝わってます?」
恭子はちょっと植松の方へ向き直り、ニコッと笑って、
「少し伝わったかな・・・。楽しいクリスマスイブになりそうね。」
植松は心の中でガッツポーズをしていた。


クリスマスイブの夜、一組のカップルが、大勢のカップルとともにイタリアンレストランで食事をしていた。
「生で見たミュージカルの印象、どうでした?」
「思っていたのと全然違った。おもしろかったわ。また行きたいわ。」
「じゃあ、また、次の公演があったらチケットとりますよ。」
恭子と植松は、イブの約束をしたあの日以来、オフシーズンで、余裕があったこともあり、何回かデートを重ねていた。
そして世間並みのカップルのイブを過ごしていた。
食事を終え、植松は、恭子をマンションのエントランスのところまで送っていった。
「それじゃあ失礼します。」
「あっ、植松君、楽しいクリスマスイブ、ありがとう。」
と言って、恭子は植松の唇に、自分の唇を軽くあわせた。
「じゃあ、おやすみなさい。」
と言って恭子はマンションに入っていった。
植松は飛び跳ねながら元の道を帰っていった。
恭子はエントランスの陰から、その光景を微笑ましく見ていた。

祐子の部屋では、森本が、受験勉強の家庭教師を行っていた。
勉強も終わり、食事になった。祐子の母は、夜勤で留守だが、出かける前に、クリスマスメニューを準備してくれていた。
「わあ、豪華だなあ。」
「今日みたいな日は、何処へ行ってもいっぱいだから、家でゆっくりしたら、って言って。」
「いっぱいのところへ、2ヶ月前から予約して行ってる奴がいるなあ。」
「お友達ですか?」
「うちの後輩が、俺の女友達と。」
「あ、植松さん。やりますね〜。先輩のお友達が彼女なんですか?」
「まだ彼女と言える程かどうかは、わからないけどね。」
「イブに一緒なんですから、相手の人もまんざらじゃないんでしょう。どんな人なんだろう?」
「佐々木だよ。」
「・・・エーー!!いつの間に?全然知らなかった・・・。」
「インターハイの後みたいだから、最近のことだよ。植松があまりにも浮かれてるんで、といつめたら白状した。だいたい、『佐々木先輩』って言ってた奴が『恭子先輩』って。わかりやすい奴だ。あいつからコクったらしいよ。」
「意外ですね〜。でもやるときはやるんだ。レースと一緒で。」
「意外だろ。俺はどうみても佐々木が押し倒したとしか思えなくて・・・・」
「尊敬する先輩をそーいう風に言うと、本人に言いますよ。」
「冗談だよ、冗談。あ、でもその佐々木から、祐子ちゃんにプレゼント預かってる。それと、これは俺から。」
「わあうれしい。ありがとうございます。開けていいですか。先輩からは・・・指輪!左手は、まだ早いから右手に・・・ピッタリ。よくわかりましたね。」
「佐々木に聞いたよ。指輪のサイズなんてさっぱりわからなくて・・・。」
「あ、それと佐々木先輩のは・・、あれ、もう一つ、これ先輩にって書いてあります。」
「エッ、何も聞いてないよ。直接わたしゃいいのに。」
「私に気を遣ったんじゃないですか。手紙もついてますね。何、入ってるんです。」
森本は、手紙を読んで顔色を変え、プレゼントの包みを開けたが急いで閉じた。
「どうしたんです。何が書いてあるんですか。見てもいいでしょ?」
「いや、これはちょっと・・・。佐々木からは何をもらったんだい?」
「先輩!どうして隠すんです。また何か私に言えない秘密が佐々木先輩との間にあるんですか!」
と、祐子の顔が険しくなってきたため、仕方なしに、手紙を手渡した。
「えーと、クリスマスイブをよろしくやっていますか?祐子ちゃんの部屋で勉強とは大変ですね。自分の勉強もあわせて大変だと思います。その疲れをとって、心身リフレッシュできるように、これを贈ります。世間のカップルと同じようにサイレントナイトを祐子ちゃんと二人楽しく過ごしてください。ただし絶対に一線はこえないように。でもそこまでなら、何をやっても祐子の先輩として許す。よいクリスマスイブを。って、佐々木先輩なに勝手なことを書いているんですか!心身リフレッシュできるもの、って何もらったんです?」
顔を真っ赤にしている祐子に、頭を抱えた森本は、その包みを渡した。
開けると、あのとき、祐子が部室に脱ぎすてていったメタリックシルバーの競泳水着がはいっていた・・・。

夕食を食べ終えて二人はくつろいででいた。
森本は、いくらイブとはいえ、祐子とどうこうしようというつもりは元々なかった。
しかし、恭子からのプレゼントで、変に意識しだしてしまった。
忘れかけていた国体前の出来事が頭をもたげてしまった。
しかし、何とか抑えたく、悶々としていた。森本の姿を見て祐子は何かおかしいと思った。
何か会話や動きがちぐはぐだった。
それも、さっきの恭子のことが原因だろうと思い、いつ何を言われるかとドキドキしていた。
しかし、森本がそれを必死で抑えている様子が窺い知れ、少しかわいそうになっていた。
「先輩リラックスしてくださいよ。何か固いですよ。」
「いやあ、そんなこと無いよ」
「やっぱり佐々木先輩の手紙が気になってます?でも、先輩は今、素直にどうしたいのかを考えればいいじゃないですか。でてきた先輩の想いがかなうかはわかりませんけど」
「一線をこえるつもりはもともとないし、今晩は何もするつもりがなかったんだ。祐子ちゃんには・・・その・・いろいろしちゃったけど、いつもそのたびに、こんなことはいけない、って思っていて、だから、もう・・・」
「どうしていけないんです?私は別に怒ったりしてませんよ。」
「でも、まだ中学生の女の子なのに、俺は・・・、」
「先輩が私を大事にしてくれてるのはよくわかってます。だからそんなに悩まないで。」
「やっぱりあの水着がなあ。着てもらっていいのかなあ。それと一線をこえるまでなら、何をしてもいいの?」
「ダメです。」
「やっぱり。でもいいよ。今が楽しいし。」
「先輩って、本当に人がいいんですね。ウソですよ。でも何をしてもいい、はダメです」
「じゃあ、何はしていいの?」
「それは・・・、お風呂入りましょう。水着で混浴だったら、温泉行くと、よくあるし。」
「やったね!うれしいよ」

先に祐子が脱衣場で、恭子からもらったシルバーメタリックの競泳水着に着替えた。
祐子が風呂場に入ってから、森本が脱衣場に入った。
しかし、森本は水着を持ってきておらず、祐子にタオルをまいて入ってもよいかときいたら、温泉とかではよくあることだから別にかまわないと言った。
祐子の家は、春に引っ越しをし、以前よりは、よい賃貸マンションになっていて、お風呂も広くなっていた。
恭子は水着姿というものの、タイトなシルバーメタリックの競泳水着で、しかも今日は風呂の明かりがついていたため、祐子の体を光の反射が、きれいに映し出していた。
森本と祐子は、一緒に湯船につかった。
水を吸った恭子の水着はたちまちその体の細部を際だたせた。
それに気づいた森本が、胸の先っぽを見ようとしたが、すぐに祐子は湯船に首までつかり、見えにくくした。
「やっぱり、いやらしい!」
「そんなこといわれたら、どこみてりゃいいんだよ」
「だって、恥ずかしいもん」
「でも、あとお風呂に入ってすることは・・・、背中流そうか、洗いっこしない?」
「・・・背中だけですよ。」
二人は湯船からあがった。
祐子の体は、全身がお湯で艶をだし、きれいにそのプロポーションを映しだしていた。
水着の生地はぴったり張り付き、前と同じく、乳房のふくらみから豆粒大の乳首、乳輪のツブツブ、おへそのくぼみ、そしてあて布がないため、股間にはスリット、というよりきれいに食い込んでいた。
祐子はすぐに森本に背中を向け、半分以上出していたおしりの、食い込みをすぐに指で直して、胸を手で隠して、風呂いすに座った。
言われて着ちゃったけど、この水着やっぱりきつすぎる!
ちょっと座ってもすぐに食い込んじゃう!
もう、佐々木先輩、余計なことして!
森本は、スポンジにボディーソープをつけ、泡立てた。
股間は祐子の湯上がり姿をみて、すでに元気になってしまった。
祐子が背中を向けてて、ちょっと安心した。祐子の背中をスポンジでこすり始めた。
「祐子ちゃん、肩大きくなったね。無駄な肉がなくて、薄い筋肉が張ってる。」
「肩が大きいのはちょっとコンプレックスかな。」
「そんなことないよ。俺はかっこいいと思うけど。鍛えられた体は美しいよ。」
「そういってもらえるとうれしいな。」
森本は背中を流した。
そして手にボディソープをつけ、祐子の太ももをさすった。
「キャア!手はやめてください!スポンジで洗ってくださいよ。」
「足の筋肉を確認したかったんだ。やっぱり、細いけどしっかりしてる。」
と言って、太ももの表裏をなでつづけた。
「いやん!でも手つきがいやらしい。やん!くすぐったい!ダメッ!」
森本はふくらはぎに手をのばしていた。
しかしふくらはぎの筋肉も見事だった。
さらに、ボディソープを手につけ、腰に手を伸ばした。
「ああもう!こそばいじゃないですか。手はだめです!」
そして、手を胸の方に上げていって乳房のふくらみを手でつかんだ。
「いやん!洗いっこて言ったじゃないですか!ダメです。」
と、森本の両手をつかんでおろそうとしたが、祐子の力ではビクともしなかった。
「洗ってるだけじゃん。さあ、しっかり洗わなきゃ、ここも。」
森本は、手の平を回しながら、祐子の胸をゆっくり揉み始めた。
「ああ!いやあ!う、ううん、あん!やめっ、・・・洗うだけって・・・ああー!」
さらに、尖った乳首を指先でこね始めた。
「きゃああ!いやあん!ダメッ!ああ!ううん・・・せんぱい、そんな、うそつき、あん!」
祐子は体をよじって悶えた。森本はそっと手をおろした。
「もう!いつも先輩って、こうなんだから!」
「だって洗いっこって、言ったじゃん。だから、洗っただけじゃん。」
「洗い方です!いやらしい洗い方。もう終わり!」
「だめだよ。まだ洗ってないとこあるし。」
「もういいです!」
「だめだめ、一番ちゃんと洗わないといけないところじゃない。」
といって、森本は、祐子の股間に手を伸ばした。
祐子はすぐに膝を閉じようとしたが、森本の手が早かった。
股間をつつんだ手をゆっくり揉み始めた。
「やん!あん!!ダメッ!そんなの・・・洗ってない!いやあ!うん、あん、ううん」
森本は明らかに以前とは違う感触をその手に感じていた。
薄い生地が、スリットにそって見事に食い込んでいるが、そのまわりに少ししわができていた。
触っているとざらざらし、それが陰毛とわかった。
「筋肉も成長して、胸も大きくなったけど、ここも成長したね。」
「いやん!あん!もう・・・いやっ!恥ずかしいっ!そんなこと言うなんて・・・ああん!」
祐子がいすに座っていたので、陰部の前の方にしか手を伸ばせなかったが、森本はやっと動きをとめて、祐子を腰のところで後ろから抱きしめた。
「ふう。なんか、祐子ちゃんの成長を確かめたみたいだった。すごく興奮した。」
「もう!恥ずかしいこと言うんだから!」
「最初、筋肉ほめたとき、喜んでたじゃん。」
「あとはいやらしいことばっかり言ってたでしょ!」
「ああ、でも、いいイブだなあ。」
「ホントにもう!次、先輩ですよ。背中ながしてあげます。」
「ありがとう。うれしいなあ。」
今度は森本が背中を向け、祐子が座っていたいすを前の森本に渡した。
森本はそのいすに座った。
今度は、祐子がスポンジで、森本の背中を洗い始めた。
「エッ、先輩ってこんなに大きかったかなあ。身長ってどれくらいありましたっけ。」
「今175。中学でとまっちゃったから、今は学校でも真ん中か少し低い方だね。」
「そんな風にみえないなあ。あ、でも、なんか首周りとか、背筋とかすごいですね。」
「背筋は自転車のせいかな。かなり使うからね。特にさあ、トライアスロンって、前かがみで乗るだろ。首のこの辺りから背中までをすごく使うんだ。」
「そっかー、でも腰はすっきりしているし、腹筋は形がはっきりでてる。」
そう言って、祐子は、森本のお腹に手をまわし、背中に寄りかかるように抱きついて、しばらく身を委ねていた。
「祐子ちゃん・・・」
次に祐子は、スポンジで森本の足を洗った。
「先輩、自転車やってから、足も太くなってません?もちろん筋肉ですけど。」
「そこが一番変わった。あとふくらはぎと足首も、マラソンやってから、太くなった。なんかマッチョって程じゃないけど、全体に、まんべんなく筋肉がついちゃって」
「いいじゃないですか。均整がとれて。さあ、あとは」
といって、祐子は股間に手を伸ばそうとした。

祐子は、森本の『洗いっこ』に怒ってはいなかったが、ちょっと調子にのりすぎと思った。
そして、されっぱなしも癪なので、逆襲にでた。
「ちょ、ちょっと、祐子ちゃんそこは・・・」
「一番ちゃんと洗わないといけないところでしょ?」
と言って、タオルの下に手をいれてまさぐった。
「あ、これ?」
と言って、さっき一旦は、祐子の体を弄んだ時にそりたって、小さくなっていたモノを探し当てた。
祐子は小さくなったモノをボディソープでくるむようにさすった。
「あ、ダメッ、祐子ちゃん、そんなことしたら・・・」
森本は祐子の手を止めようとしたが、自分のモノがムクムク大きくなってしまい、はずかしくて、止め損なった。
祐子は、あ、これが・・・。保健の授業でもあったっけ。
先輩、感じてるんだ・・・・。
わあ、さっきと全然大きさが違う。
これが前に水着越しにみた状態ね。
「祐子ちゃん、もういいよ。さあ、あがろう。」
「何いってんですか。まだ終わってません。仕返ししちゃいます。」
そういって、祐子は森本のモノを両手で包みながらこね始めた。
「あ!そんなこと。うっ!うっ!あっ!」
祐子は後ろから森本の表情を見て、これでいいみたい、と思ってつづけた。
そして、森本のモノは、祐子の小さな手でつつまれ、細くて小さい指がその裏側をくすぐりはじめた。
そして、祐子の手の動きはモノと平行にさするように動き始めた。
「ああ!だめだ。祐子ちゃん。もういい。それ以上は。ああ!あっ!」
「ダメです。さっきの仕返しです。絶対許しません。」
森本の尿道に熱いモノがこみ上げてきた。
やばい。
出る。
いってしまう。
「ほんとだめ!このままだと・・・あ!あっ!ああっ!あーーーーーー!」
森本は勢いおく発射した。祐子は、何か生暖かいものが親指の付け根にかかったのを感じた。
森本は、下をむいてハアハア言っており、何かよくわからず動きをとめたが、そのうち森本のモノが小さくなっていくのがわかった。
あら?あ、ひょっとして先輩。
するとこれが・・・。
祐子は、森本のタオルから手を出し、見てみた。
白いどろっとした液体が親指の付け根についているのがわかった。
森本はハッとして、
「あーー!!ごめん!汚しちゃって!ごめんごめん」といって祐子の手を洗い流した。
「そんな、先輩、別にいいですよ。でも、しっかり仕返しできちゃった。いつも、なんかやられてばっかりだったし。ああー、いいイブだわ。」
森本はガクッときたが、やっぱり自分も最高のイブだと思った。


二人は着替えて居間に戻った。
森本は精魂疲れ果てた感じで、居間のソファに倒れ込んでそのまま寝てしまった。
祐子は、森本が、クタッと寝てしまっていたので、起こすのもかわいそうと思い、泊めちゃってもいいか、と思って毛布を掛け、自分の部屋に戻って、床についた。

玄関の鍵の開く音で祐子は目が覚めた。
時間〜、8時半!お母さんだ!あわててベットから飛び起き、部屋を出た
が遅かった。未だに昏睡している森本を、母親が見下ろしていたが、別に驚いた風ではなかった。
怒られる!っと思い、怖ず怖ず話しかけた。
「あのー・・・、先輩、寝ちゃって・・・起こすのかわいそうで・・・・だから・・・」
「まあ、イブの夜だし、食事もしたら眠くもなるわなあ。それで・・・」
といって、部屋を見渡した。
そして、祐子の部屋に入った。祐子はわけがわからずついていった。
祐子の母は、ベットの布団をめくった。
「ふーん。まあ、イブに2人になるのをわかってて、食事も用意したわけだし、しょーがないかと思いつつ、あんたには体のことも考えると、まだ早いかと思って心配したけど。」
「何言ってるの?」
「あんたら、やらなかったの?」
祐子は顔を真っ赤にして、
「何言ってるのよ!それにいったい何みてるのよ。」
「いやあ、血のあとがどこにもないなあって。まあ、よかったけど。」
「当たり前よ!そう簡単に一線はこえないわよ!」
「ならいいけど。私、風呂入って、ちょっと寝るね。昨日、急患あって。悪いけど、朝食はあんたがつくってやって。」
といって、祐子の母は、風呂へ入っていった。
しかし、その瞬間、祐子はメタリックシルバーの競泳水着を干していたのを思い出した。
「あーー!」
と言って、風呂に駆け込んだら、祐子の母が、水着を触りながら
「なんか節操のない水着だね。おまえ、昨日、これ着たんだよね、濡れてるし。まさか、風呂でやったの?やだねえ。初めてなのに。」
「だからしてないって言ってるでしょ!一緒にお風呂入っただけ!裸じゃ恥ずかしいから、水着、着てたの!クアハウスみたいに。」
「恥ずかしいから水着、ねえ?」
祐子の母親は、メタリックシルバーの競泳水着を両手にとりながら、
「ふーん。わたしゃ、この水着着る方が、よっぽど恥ずかしいけどね。」
祐子は、顔から火が出そうだった。

森本が目覚めると、10時をまわっていた。
えっ、10時って・・。と思い起きあがったら。
朝食をならべて祐子が座っていた。
「おはようございます。ご主人様。なーんて。」
「あ、ごめん、おれ寝ちゃった・・・。でも、この時間。お母さんは?」
「もう帰ってきて、今、自分の部屋で寝てます。」
「・・・・俺、泊まっちゃたのばれてるじゃん・・・。どうしよう。」
「今さら何いってるんですか。寝てたところ、ばっちりみてますよ。」
そしてその後の、祐子と祐子の母親との話を、祐子から聞いた。
「君のお母さんらしいといえばらしいけど・・・、普通だったら、俺、見つけられた瞬間、首しめられてもおかしくないよな。」
「信用してるんですよ。」
「信用に違わない行動をしてないように思うけど・・・。一線は越えてない、って言ってもいろいろしちゃってるし・・・。今回も、祐子ちゃんをだますようなことを・・・」
といってうつむいて黙り込んでしまった。
「フフ、先輩、別に私、怒ってなんかいませんよ。恭子先輩の手紙にあったでしょ。一線を越えなければ何をしても許す、って。許容範囲じゃないですか?」
「でも、祐子ちゃんにまあ・・いろいろしてしまって、祐子ちゃんが俺の背中を流したとき、俺に寄りかかってきただろ。どういう事情かはしらないけど、お父さんいなくって・・・。それで俺の背中にって・・・それなのに俺、また、その後も・・・。」
「うーん、確かに、あの時、何か頼りがいがあるなあって感じがして、寄りかかって、それでじっとしてたくて・・・。でも、そんなに考え込まないでください。」
「でも、祐子ちゃんのお母さんに会わす顔ないなあ。でもちゃんと会っとかないとなあ。」

〈高二編 Fin〉


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