「競泳部員恭子 大学編第2部」 著者: アクアピオン様 投稿日: [2006.08.10]
  
春になって、植松は在校成績2位という優秀な成績で卒業、5月にプロデビューを果たした。 
 
恭子と祐子はそのデビュー戦を観戦に、多摩川競艇場に来ていた。 
「いやあ、競艇場って、女の子ひとりではちょっと怖いイメージがあったけど、まあまあきれいね」 
「そうですね。でも女性も結構来てますし。植松さんはいつ出てくるんですか」 
「一番最初ね。今日はこれだけみたい。あ、でてきた。・・・あ、一度もどってそれからね」 
レースがスタートした。 
植松は大外から一気に内側の艇を抜ききって、そのまま1着でゴールした。 
「やった!すごいすごい。植松さん。新人なのに」 
「ちょっとびっくりしたね。でも今日は終わりか・・・。開催中は会えないから、時間も早いしお茶しようか」 
恭子と祐子は、帰り道の途中にある喫茶店によった。 
 
「あ、そうだ、祐子ちゃんこれ。」 
「え、何の封筒ですか。寿マーク!ひょっとして・・・」 
「早いようには思うんだけど、ちょっと事情があってね」 
「そうか・・・。先輩は学生結婚になるんですね。いいじゃないですか。そのつもりだったんですよね」 
「それはそうなんだけど、式はだいぶ先で12月なの。招待状がこんなに早くなっちゃたのは・・・・」 
 
恭子のクラブでは昨年と同じく『新入生歓迎会』が行われようとしていた。 
誰が、その役目をするかで、上級生が話し合い、去年のことから結局、恭子が一番いいだろうということになった。 
それを言われて恭子は 
「あまり気乗りしないんですけど。誰か代わってもらえません?」 
「うーん、でも知ってのとおり、あくまで余興だからね。あんまり酷いことしないように気をつけなくちゃだめだし、それこそ、いじめなんていう風にとられると、学校から何言われるかわからないからね」 
「そんなにややこしいんでしたら、もうやめればどうです?」 
「でも、ずっとやってきてることでしょ。新歓コンパ前のネタみたいなもの。まあ深刻に考えずに。」 
「去年といっしょで大山さんしてくださいよ」 
「冗談じゃないわ。私は去年のことでこりごりよ。あなた、私に去年あんなことしたんだからいいじゃない。」 
「あなただったら、新入生の女の子の扱いで、まずいことにはならないと思うし。嫌いでもないんでしょ。」 
「うーん。」 
恭子は、女性好き、の噂を放置していたため、そこを見込まれてしまった。 
仕方なしに、その役をつとめることにした。 
今年のターゲットは、川脇まどか、身長が低く、かわいらしい、という表現がそのままあてはまる、小倉優子タイプの娘だった。 
ターゲットは、新入生でいちばん美人か、かわいい娘となっていて、去年選ばれたことはまんざらでもなく思ったが、半分上級生の妬みがあって、やっぱりいじめなんじゃないかと思った。 
 
恭子は、練習後、先輩の指示通り、ビデオカメラのあるシャワーボックスに、まどかを呼び、連れ込んだ。 
「川脇さんって、かわいいわね。先輩がいいことおしえてあげる。」 
と言って、恭子はまどかの乳房を軽くなで始めた。 
胸は小さく、競泳水着におさえられていて、つかむようにして揉むことはできなかた。 
「いや!あん!ああーん!ううん!はあ、はあ、ああん!ううん!」 
なで続けていたが、全く嫌がって逃げるようなそぶりをみせなかった。 
恭子はちょっと当惑ぎみだった。 
次に、乳首を軽く指先で揉んだ。 
「ああん!あん!あん!いやーん!ううん!ああ!いいっ!ああーん!」 
まずい。 
この娘。拒否してない。 
あー、嫌がってすぐ逃げてくれればすぐ終わると思ったのに・・・。 
まいったな・・・どうしよう、と思い、ビデオカメラをチラチラ見た。 
 
部室では、去年同様、騒然となっていた。 
「恭子、かなり困ってますよ。もう止めます?」 
「また意外な展開になっちゃったね。佐々木さんだったら大丈夫だろうけど、あの娘、びっくりね。」 
「おもしろそうだからこのままもう少し様子見ようよ。」 
「大山、それ、去年の恨み?」 
「いやあ、邪魔したら、かえって野暮よ。別にイヤじゃないんでしょうし。」 
また、部員達は、ビデオの画像に見入った。 
 
まどかは、恭子に腰を押しつけ寄りかかってきた。目をトロリとさせながら 
「せんぱーい。ねえ、私のこと、かわいい?」 
「えっ、ええ。かわいいわね。」 
「だったら、ねえ、せんぱい。もっと・・・・ね。」 
「え?」 
といって、まどかはさらに腰を何回か押しつけてきた。 
恭子は、弱った。これはひょっとして本当に女性好き・・そのヒップをみて、仕方なしに、両手でなでまわした。 
「ああん!うん!あーん!あはん!」 
そして、まどかの身長は低く、ちょうど目の前に、恭子の競泳水着越しのふくよかな乳房と乳首があった。 
「ふふっ」 
まどかはいたづらっぽい声をだして、目の前の乳首をパクッとくわえた。 
「あっ!あっ、ちょっと、川脇さん・・・」 
まどかは乳飲み子のように幼く恭子の乳首をしゃぶった。 
「キャッ!やん!くすぐったい!いやん!キャッ!やん!ちょっと、もう!」 
と、まどかを突き離そうとしたが、まどかが恭子の身体を離さなかったため、そのままシャワールームの床へ倒れ込んだ。 
とっさに恭子が、まどかの頭と腰に手を回したため、床に身体を打ちつけずにすんだ。 
「あ、痛ッ」 
「先輩、大丈夫ですか?ごめんなさい。じゃあ次は・・・」 
恭子は、まどかを、またぐようにして上にいたため、股間が開いた状態だった。 
そこにまどかは手をのばした。 
「きゃあ!あ、やん!ちょっと、ダメッ、やめなさい、あん!キャッ!こらっ!」 
と、恭子は、まどかの手をつかみ両手をはりつけるようにしておさえた。 
まどかは、目をとろんとさせ、あごをあげて、身体を恭子の方に、せり出してきた。 
何?この娘、もっとしろって!っとに、先輩達なにしてるのよ。 
じっとしていると、まどかは、恭子の手を逆に取り、自分の股間に持って行った。 
この娘・・・。 
すごい濡れてる・・・。 
まどかは、さらに腰をくねりだした。 
うーん、しょうがない! 
恭子は、まどかの股間を手で包み込み、割れ目にそって、中指ですくうようにした。 
「ああん!うん!あっ、あっ、ああーん!あーん!いいーっ!ああん!ううん!ああっ!」 
もうこれ以上はつきあいきれない。 
そう思って恭子はビデオカメラに向かい手で×をつくって合図した。 
 
テレビモニターをみていた部員達はさすがにそれを見て、更衣室へ向かった。 
恭子がたちあがってため息をつくと、まどかは、何で?と言う顔をした。 
部室から部員達が飛び出してきた。 
大山が『新入生歓迎会』の説明をまどかにすると、まどかは身体を丸くして泣きだした。 
「う、う、グスン、先輩が私のこと気に入ってくれたと思ったのに・・・う、う」 
恭子も必死に謝って慰めたが、なかなか泣きやまなかった。 
 
そして夜には恒例のコンパが開かれたが、まだ、まどかは塞ぎ込んでいた。 
両脇から、大山と恭子が慰め、ほかの上級生達も、悪いことをしたと謝り、みんなでなんとかしようとしていた。 
まどかは 
「私、本当に、佐々木先輩のこと、あこがれているんです。先輩も・・・・らしいですね。」 
と怪しい笑みを浮かべた。 
恭子は、これはまずいと思い、男女はともかく間違いではないからと、 
「ごめんなさい。私、つきあってる人がいるの。」 
「まだ3年間あるんだし、そんな彼女には負けません。」 
恭子は頭を抱え込んだ。 
 
恭子は、植松の自宅に行ったとき、この件を話して、ちょっと困ってると相談をした。 
「しかし、おもしろいことやるんですね。でもちょっとまいりましたよね」 
「何かいい方法ないかしら。」 
「うーん・・・・、あっ、そうだ。ぼく、返事まだ貰ってなかった。」 
「何の?」 
「去年の東京駅でのプロポーズの返事。」 
「ええ、でも、もう両方の親が突っ走っちゃてるし・・・・」 
「恭子さんはどうなのか、僕、聞いてません。」 
恭子はちょっと頬を赤く染めながら答えた。 
「えっ、それはまあ・・・あなたの奥さんなら十分よ。」 
「よかった。じゃあ、式のことなんですけど・・・ホントは、来年くらいと思ってたんですが、年末にしちゃいますか。僕の師匠や先輩も、そのころなら斡旋が少ないんでちょうどいいし。それで、恭子さんのほうも大学の先生やクラブの先輩、同級生を呼びますよね。会場とかとにかく決めちゃって、招待状まけば、女好き疑惑が一気に晴れて、その娘もあきらめるんじゃないんですか?」 
「なるほどねえ・・・。まあ、いずれ結婚するんなら、もうこの際、早くしちゃおうか。」 
 
「・・・・まあ、こんな調子でね。その娘も何も言ってこなくなったから、よかったけど。それどころか、彼女、合コン三昧だとか。一体なんだったのよ。なんか、健ちゃんにそのことを利用されたような気もするけどね」 
「健ちゃん!って呼んでるんですか。」 
「あ、しまった!つい・・・・って、私のことは今みたいな調子なんだけど、そっちはどうなの?森本は一応、帰ってきてたんでしょ。」 
「ええ、まあ、何回かデートしましたけど。」 
「で、どうなのよ?何か進展あった。」 
「いや、それが・・・。何もないんですよね。まあそれ自体は別に悪くないんですけど、ちょっと不安が・・・」 
「不安?何が?」 
「去年の夏にあーいうことがあったから、またあるかな、と思ったんですけど全然で、逆にちょっと素っ気ないくらいなんです。遠距離恋愛だし・・・・まさか・・・ねえ」 
「最初の頃いろいろあって、だんだんなくなってきてる、って逆よね。まさか、今は手をつなぎもしないとか・・」 
「・・・そうなんです。それでちょっと悩んでて、まさか浮気とか・・・」 
「受験を前にしてそういう悩みはちょっと困ったモノね。どうしたもんかしらね。ちょっと考えてみるわ。」 
 
植松邸の一室。恭子は婚約してから、いつでも来れるようにと、植松の両親のはからいで、部屋を一室もらっていた。 
結婚後、どこで暮らすかは、決まっていなかったが、正式に結婚するまで、植松と同室というのも憚られ、家が大きく、部屋もあまっていたので、勉強部屋兼寝室を与えてもらった。 
机の前で、恭子は頭を悩ましていた。 
森本には、中学のときのことがあったにせよ、それ以降は世話になってばかり。 
例の事件のことも、クラブが充実したことも、そして、彼の活躍があって、植松がやってきて、今があること。 
やはり森本に幸せになってもらわなくちゃ。 
祐子は、いろいろ彼女が苦労してたときからかわいがっていた後輩。 
彼女の存在が森本にとって大きく、やっぱり今の自分たちあるのは、彼女のおかげでもある。 
でもそれぞれにとっての幸せって何かしら? 
もし、森本が浮気・・・というか、他に女ができてそれが幸せならしょうがないか・・・。 
祐子はつらいかもしれないけど、新しい彼をみつけて幸せになればそのほうがいいかも・・・、いや、それはなんか悲しい。 
自分もつらい・・・。 
 
ドアのノックの音がした。 
「恭子さん。ちょっといい?」 
「どうぞ。いいわよ。」 
「あれ、勉強?熱心だね。」 
「いや、そうじゃないのよ。ちょっと・・・ね。あっ、そうか、別に一人で悩まなくっていいんだった、もう。」 
「どうしたの?何か困ったことがあったの?何か力になれるんなら聞くけど。」 
恭子はコトの次第を植松に話した。 
「うーん。それって、とにかく先輩の気持ちがどうなのかわからないことにはどうにもならないと思う。こっちでそれを勝手に考えていてもしょうがないんじゃないかな。真意を確かめないと。」 
「それをどうやってひきだすか・・・」 
「えーと、僕は・・・7月に尼崎の斡旋があるけど。そのときなら先輩と会えるかもしれないから聞いてみようか?」 
「うまく聞ける?それに私たちが介在しちゃうのもね。」 
「先輩が真意を彼女に言う機会をつくれればいいね。」 
「そっか、そういう機会を演出すればいいんだ。なんか、わたし、またそういうことするのか・・・」 
「また・・・って、以前にも何かこういうことしたことあるの?」 
恭子は、焦って 
「いやあ・・・。なんて言うか、人の恋愛を仲介することがあってね・・・」 
「そう。まあ、それは僕も協力するよ。作戦ねらなきゃ。ゆっくり・・・ねっ」 
といって植松はベットに恭子を寝かせた。 
「ちょ、ちょっと。ご両親いるんでしょ。」 
「さっき出かけました。1泊2日だって。だから、大丈夫。」 
「もう、しょうがないわね。」 
 
〈大学編第2部 Fin〉 
 
 |