「被写体・智子」 著者: tommy12様 投稿日: [2007.11.24]
  
S市スポーツセンターのプールで智子は泳いでいた。 
普段の土曜日と何も変わらなかった。 
彼女を追跡する眼があることを除けば。 
  
智子は24歳の会社員だ。 
有名私立大を卒業し、今年で社会人3年目。 
最近は毎週土曜日、特に予定のない限り総合体育館のプールで泳ぐようにしている。 
高校時代は水泳部に所属していたが、大学入学以降はプールで泳ぐことが全くなくなっていた。 
最近になって再び泳ぎ始めたのはスタイル維持のためだった。 
智子は巨乳というわけではないが、筋肉質の体をしておりウエストも50cm台をキープしていた。 
今の体型を維持したい彼女は子供の頃から好きだった水泳を再開することにしたのだ。 
  
彼女が高校生の頃と比べると競泳水着もずいぶん変わった。 
競技会などをみると最近ではロングスパッツ型の競泳水着が増えてきている。 
だが智子はハイレグタイプを使用している。 
これといって理由はないのだが、今は記録を追い求めているわけではないからそこまで本格的な用具を買い揃える必要はないと思ったし、売り場に行ったらハイレグタイプのほうが安かったからそれを買ったまでだった。 
  
しばらくのブランクがあったとはいえ、智子の泳ぎはさすがだった。 
今日のように一般開放されているプールの中で智子が泳ぐと、スピードが周りと全く違うから目立つ。 
もちろん智子より早く泳ぐ男なども中には混じっているのだが。 
  
25mプールの中で、真ん中に近いのコースを智子は使っている。 
端のほうのコースは低速、真ん中に近づくにつれて高速泳者用という看板がプールサイドに立てられている。 
  
バシャッ、バシャッ- 
小気味良いリズムで智子は腕をかく。 
智子は泳ぎながら悩んでいた。 
悩みというのはもうじきやってくる年末年始のことであった。 
年末には遠隔地に赴任中の彼氏が帰ってくるから何かいいものをプレゼントしてあげたい。 
ちょっと値の張るものでも買って、自分も仕事を頑張っているのだということをアピールしようと考えていた。 
しかし最近の会社の業績からいってボーナスもあまり期待できない。 
そして自分にも洋服やバッグなど買いたいものが山ほどあった。 
「どれを優先させたらいいかなぁ…」 
一人暮らしで毎月家賃を払わなければならない智子は貯金もたいして持ち合わせていない。 
  
100m泳いで智子はいったん休んだ。 
振り返ってプールの反対側を見たとき、向こう側にいる男と目が合った気がした。 
だが、自分も向こうもゴーグルをかけているから目が合ったかどうかは本人もわからない。 
智子はまた泳ぎだす。 
100m泳いでまた休む。 
泳ぎ終えてプールの縁につかまって横を向いたとき、ゴーグル越しに男と目が合った。 
「さっきの人。」 
智子はプールに行って男性陣にチラ見されることには慣れていた。 
むしろチラ見されたい願望も少しはあった。 
ハイレグの競泳水着を着ているのも少しはそんな理由からかもしれなかった。 
だがこんな近くで凝視されるのには抵抗があった。 
「何この人。とりあえず離れとこ。」 
智子はその男から距離をとった。 
  
男は30代後半と見えた。 
顔は面長で、太ってはいないが筋肉質ではなく、あまり運動していないような体格である。 
  
智子はもう泳ぎだそうと思えばいつでも行けたがまだ休んでいた。 
「早くあの人行かないかな。」 
智子は男が行ってしばらくしてからスタートしようと思っていた。 
だが男は智子のほうをちらちら見るばかりで泳ぎだす気配がない。 
「もう。先に行っちゃお。」 
智子は勢いよく壁を蹴って泳ぎ始めた。 
けのびをし、手をかき始める前、男のことが少し気になり、あごを引いて自分のつま先越しに男の姿を見ようとした。 
「うわっ!」 
智子の目に嫌なものが飛び込んできた。 
智子が目にしたのは水中に潜り智子のほうを見る男の姿だった。 
智子には男の狙いがなんであるか容易に想像できた。 
それは智子の股間に他ならなかった。 
「もうっ!何あいつ!」 
智子は思い切りバタ足をして泳ぎ去った。 
  
普段は100mごとに休む智子だったが男の動向が気になるので25m泳いだところで立ち止まり、プールの反対側を見た。 
男はいない。 
向こうから5mくらいのところを泳いでいる、あれがたぶんそうだろう。 
「よし、行っちゃお。」 
智子はあの男と同じサイドで立ち止まることがないようにプールの反対側を目指して泳ぎ始めた。 
プールの真ん中あたりで男とすれ違う。 
見た目はあまり速くは泳げなそうだったがそれなりに泳げるようだ。 
  
智子は25mを泳ぎきるとすぐさま反対側のプールサイドを確認した。 
男はいない。 
「今のうち!」 
智子は二つ隣のコースに移り、男に移動したことを悟られないようにすぐにスタートした。 
しばらくして智子のスピードが落ちた。 
ここは低速泳者用のコースだった。 
追い抜くわけにもいかず、泳法をクロールから平泳ぎに変え、思いっきりゆっくり泳ぐ。 
「あの人絶対私の体見てた。」 
不愉快な気分で智子は25mを泳いだ。 
縁につかまってすぐに男の位置を確認する。 
「あれ?いない?」 
さっきまで自分が泳いでいたコースを見たがあの男はいない。 
どこに行ったんだろう。 
「えっ!!」 
次の瞬間智子の目に驚愕の光景が飛び込んできた。 
なんとさっきの男がたった今自分の横に泳いで到着したのだ。 
自分の真後ろを泳いでいたのがこの男だったのだ。 
  
男は智子の動きを察知していた。 
そして低速で泳がざるを得なかったために智子は男に追いつかれた。 
しかも平泳ぎで男に見事な開脚を披露してしまった。 
智子が泳ぎ終えてからもきっと男は平泳ぎで前方にいる智子の体を舐めまわすように見ていたのだろう。 
  
智子はその場でプールから上がり、小走りで更衣室にむかった。 
水に濡れ妖しくテカる競泳水着を男は間近で堪能した。 
  
 
  
智子は更衣室でさっきのことを思い出していた。 
あんな体験は初めてだった。 
あの男は異常だと思ったが、自分も冷静さを欠いていた。 
競泳水着姿を見られることに慣れていると自分でも認識していただけに、おかしいのは自分かもしれないとも考えていた。 
  
智子は自転車でスポーツセンターを後にした。 
スポーツセンター前の信号が赤になり、智子は止まる。 
そのときだ。 
「やぁ。」 
左から男性が現れた。 
見知らぬ男性だったが智子は次の瞬間驚きのあまり声も発せなくなっていた。 
さっきはゴーグルをかけていたが、顔の輪郭、ヒゲの濃さからあの男だと悟った。 
智子は何をされるかわからない恐怖におびえきっていた。 
男は続ける。 
「別に何もしないよ。安心して。だけど、ちょっと話聞いてください。僕、こういう写真集を作っているんだけど、あなたの写真、撮らせてほしいの。あ、もちろん謝礼払いますよ。たぶん20万はいくかな。」 
「え?何?」 
智子はパニックで何がなんだかわからなくなっていた。 
「これね、写真集なわけ。CDに入ってるんだけど。」 
智子の手に2枚のCDがねじ込まれた。 
見ると、ジャケットに競泳水着を着た女性の写真が載っている。 
「あなたの写真集作りたいの。報酬は出すから、ここ、連絡してね。その写真集、見といて。」 
男は智子のかばんに自分の名刺らしきものを突っ込んだ。 
「さっきはごめんね。嫌な思いさせちゃったかな?」と言って男は去っていった。 
  
智子はそれからどうやって帰ったのか覚えていない。 
ただただ驚きでいっぱいだった。 
  
 
  
智子は自宅のパソコンでさっきのCDを見ている。 
「すごいな…」 
中に入っている画像は皆、競泳水着を着た女性。 
1枚はゴーグルをしたまま写っている女性の写真集だ。 
中には手錠や猿轡をして写っているものもある。 
ローションまみれになって写っているものもある。 
だが、ヌード写真は一切なく、男性の姿も見当たらない。 
動画も入っているが写真の女性がストレッチをしている映像だった。 
  
智子の心は揺らぎ始めた。 
視姦されるのは嫌だったが、自分の競泳水着姿を評価してくれるのは正直ちょっと嬉しい。 
「エッチもないしヌードもないなら…。いいのかなぁ…。20万…。」 
  
「あの男はきっとここらへんのプールを歩き回っているのだろう。 
そうしたらいずれ自分もまたあの男に出くわすかもしれない。 
ここでちゃんと返事をしておかないと後でまた変なことされるかもしれないな。」 
智子はそんなことを考えていた。 
  
念のために新しいメールアドレスを取得して、名刺に書いてあったアドレスにメールを送ってみることにした。 
「今日S市スポーツセンターで声を掛けられた者です。報酬20万と言っていましたが、即もらえるのですか?ヌードは無しですか?顔を出さないで写ることはできますか?」 
返事がすぐに来る。 
「メールありがとう。報酬は即払うこともできるし、売り上げに応じて後から加算していくこともできるよ。ヌードは無しです。競泳水着フェチの写真集なので。顔は出したほうが報酬は高いけど、ゴーグル、キャップしたままでもいいよ。」 
智子がメールを読んでいるともう1通が届いた。 
「顔出し無しで50万。どう?」 
  
50万は大きい。 
彼に内緒でこんなことするのはよくないとわかってはいるけど、プレゼントも買えるし自分の服も買える。 
「ボーナス代わりかな。」 
智子はつぶやいた。 
  
メールを送る。 
「顔は出さないで50万円。お願いします。」 
男。 
「本当?ありがとうございます。早速だけど明日、契約と撮影、大丈夫かな?」 
智子。 
「明日大丈夫です。」 
… 
… 
… 
  
智子は明日日曜、午前10時にH駅前のカフェで男と会う約束を交わした。 
なぜ20万が50万になったのかはよくわからなかったがあまり気にはしなかった。 
  
 
  
前日のメールで智子は今持っている競泳水着2着を持参してほしいと頼まれていた。 
智子のかばんにはしっかりと競泳水着2着が入れられている。 
智子はコーヒーを前に固まっていた。 
コーヒーなど喉を通らない。 
  
しばらくして大きなバッグを持って男がやってきた。 
「やぁ。本当に来たね。」 
智子としてもこの急展開には戸惑っている。 
だが自分で決めたことでもある。 
  
男が書類をだす。 
「契約内容だけど、これでいいかな?」 
契約書を見ると何やら条件がたくさん書いてある。 
-撮影はすべて競泳水着着用のもとで行い、ヌード撮影は行わない。 
-手錠、縄、猿轡等の拘束具の使用は可能とする。 
-撮影時はキャップとゴーグルの着用を認める。 
… 
「けっこうちゃんとしてんじゃん。」 
一通り読んで智子はサインと捺印をした。 
智子はもう1枚契約書を渡されたのでそれにもサインをする。 
「へえ、2枚書くもんなんだ。」 
と思ったが、内容を確認しなかった。 
智子はその場で50万円を受け取った。 
  
男の後を智子が歩く。 
男はラブホテル街へ向かう。 
「私たちってカップルに見えんのかな? 
カップルに見られるんだったらせめてもうちょっとかっこいい人がよかったな。」 
智子はそんなことを考えていた。 
男が立ち止まり1軒のホテルを指差し、言う。 
「ここでいいかな?」 
智子ははいと答える。 
見知らぬカップルと目が合った。 
2人はホテルに入った。 
  
 
  
「じゃあ、着替えてきて。」 
男に指示され、智子は水着を持ってバスルームで着替える。 
「来るんじゃなかった…。でも契約書もちゃんとしてるし、大丈夫かな。」 
ベッドルームでは何やらガチャガチャ音がしている。 
おそらくカメラや手錠なんかを用意しているのだろう。 
  
青の競泳水着に着替えた智子が出てきた。 
「え?」 
智子は思わず声を漏らした。 
見るからに屈強そうな男が1人、増えている。 
「こんにちは。」 
「こんにちは。」 
智子は嫌な予感がしたが、抗議しようにも抗議できる空気ではない。 
智子の競泳水着姿に男の股間はすでに反応しているようだった。 
  
撮影が始まった。 
部屋の暖房は切られ、窓は開けられるだけ開けられている。 
寒さのため智子の乳首は勃っている。 
男たちの要求に応じてポーズをとる。 
昨日見た写真にあったようなポーズだ。 
昨日の男はカメラを、今日来たマッチョマンはビデオカメラを回している。 
智子はビデオカメラは写真集についていた動画のためだと思うしかなかった。 
今、智子の体は彼氏ではない二人の男によって操られ、視姦されているのだ。 
智子は早く終わってと願うしかなかった。 
  
30分程度経っただろうか。 
水着を着替えることになった。 
次は黒の競泳水着だ。 
「じゃあ拘束いこうか。」 
最初は手錠だ。 
次に猿轡が追加される。 
しばらくすると手錠が外され、智子は仰向けになり両手は縄によってベッドの脚につながれた。 
そのときだった。 
マッチョマンがビデオカメラを男に渡し、服を脱ぎ始め、海パン一丁になった。 
智子は何か声を発しているが、猿轡のために何を言っているのかわからない。 
マッチョマンの手には電気マッサージ器が握られている。 
ビデオを撮影している男が智子に近づき、契約書を見せ、言う。 
「ほら、ここに書いてあるでしょ。条件のところに。「性交の撮影」って。」 
それは智子がサインした2枚目の契約書だった。 
智子は同じ内容だと思い込み、2枚目はよく読まずにサインした。 
それがミスだった。 
  
マッチョマンは智子の股間や胸に電気マッサージ器を押し当てる。 
マッチョマンは智子の反応を見て、絶頂を迎えそうになると責めをやめる、「寸止め」を繰り返した。 
ただ、水着を脱がすようなことはしなかった。 
契約上、それはできないからだ。 
  
智子は抵抗する気力を失いつつあった。 
  
前戯を堪能したマッチョマンがついに海パンを脱いだ。 
マッチョマンは避妊具をつけると、智子の脚を広げ、智子の股間に巨根を押し当てた。 
智子は脚を閉じようと努力していたが、最後は意外と簡単に広げられてしまった。 
  
 
  
- 三ヵ月後 
智子は付き合っていた彼との関係をすでに解消した。 
あの事件以来すっかり見られることの虜になってしまった智子は現在もハイレグ競泳水着で水泳に励んでいる。 
そして同時に責められることの虜にもなってしまった。 
  
ラブホテルの一室。 
カメラを前にポーズをとる智子がいる。 
前作が好評だったため、第二弾の撮影に臨んでいるのだ。 
あの二人とともに。 
  
 
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