「KS学園水泳部員共3rdseason」 著者: アクアピオン様 投稿日: [2018.02.12]
KS学園水泳部の新年が明けた。それぞれが新年の誓いを新たにし、練習初めに集合した。 
 
早々に、新部長である友華と僚太、佳奈、葉月、裕樹で話し合いを持った。友華が俊平と別れたことや友華と裕樹がつきあうよになったことは、部内にいらぬ憶測や噂がたってもよくないので、部員に言わないことにした。 
「ヒミツってなんかわくわく」 
「ちょっと、葉月ちゃん。おもしろがらないで」 
「そうだよ。たのむよ」 
佳奈と僚太が葉月をたしなめつつ、念を押した。 
 
友華の髪型の変わりようは、より友華をクールにして、いっそう近寄りがたいイメージを醸し出していた。誰もがよもや裕樹と恋愛関係にあるとは思わなかった。 
 
 
各部員は2月から始まる小さな大会を目指して、裕樹は3月以降の日本選手権クラスの大会から参加のため調整はスロー。陸トレ筋トレ中心だが、部員の練習も見ていた。 
友華に割く時間が当然多かったが、他の部員に比べ修正点も多かったので、ことさら不自然ということもなかった。 
あまり意識せず友華の身体を掴んで練習することができたため、裕樹にとってはやりやすく、メニューもこなせていけた、のだが・・・ 
2人はジャグジーで休憩していた。 
「練習メニューが順調にこなせてますね。夏にはもっといいとこ目指せるんじゃないかな」 
「でも、堂々と身体に触ってるじゃない。意識しなくなった?」 
「そりゃまあ。とはいってもコーチですからね」 
「でも、去年は私にコーチ、っていいながら身体ばっかり見てたでしょ。それとも競泳水着?何が目的だったやら」 
「ひでえ。まだそんなこと言うんだ。メニュー作って、アドバイスして、フォーム修正して、自己ベスト更新したんじゃなかったの?あのメニューだって、自分の練習時間削って、家でつくってたのに・・・そんな見方しかできないんですか」 
と言って、ジャグジーを上がった。。 
しまった。裕樹君があんなに怒るなんて、初めてだ。悪かった・・・酷いこと言っちゃった。どうしよう・・・ 
 
 
翌日、裕樹はプールですれ違っても、友華を一瞥もしなかった。練習も淡々とこなし、バイトのため、さっさと練習を終えて帰って行った。 
 
友華は、自分でも言っていたように、自惚れ、と言うより、自信家な部分がもたげて、言葉が過ぎてしまうことがあった。 
もちろん、友華にとってこういうことは初めてで、いたく戸惑っていた。 
「けんか?そういうこともあるよ。いずれ仲直りできるって」 
と佳奈には言われたものの、無視され続けると不安が募る。これまでいつも、自分を向き続けてきた相手が、背を向けると焦ってくる。 
 
葉月にも、裕樹は怒ったときに、どんな風なのか聞いてみた。 
「怒ったとき見たことないなあ。甘えてるんじゃないですか。待ってると思いますよ。素直に気持ちを伝えて、甘えさせてあげたら?あいつねえ結構・・・だから・・・」 
「えっ、そうなの?意外。まあ、とりあえず・・・」 
あいつも策士だなあ。じらして焦らせてるか。でも・・・ウソついちゃった。2人、どうなるかなあ、フフフ。 
 
裕樹もそれほど怒っていたわけでもないのだが、困った顔もかわいいな、くらいに思っていた。自分から言葉をかけるのも、自分が怒ったので、はばかられた。それでついつい仲直りのタイミングを逃していた 
 
裕樹が部活を終えて歩いていると、後ろからジャージの裾を引っ張られた。友華だった。 
「何ですか?」 
「そういう言い方されると、友華悲しいな」 
な、何だあ!いつもと全然違う。こういう人だったの? 
「うちに来て欲しいな・・・」 
「まあ、いいけど・・・」 
 
 
机にお茶とお菓子をたくさんならべて 
「年末以来だね」 
「そうですね」 
「もう、なんか・・・悲しいな。友華」 
「・・・」 
「何も言ってくれない・・・ねえ、何すねっちゃてるの?ボクは」 
裕樹は友華に背を向けてしまった。 
友華は裕樹のくびに手をまわして、後ろから軽く抱きしめ、 
「ねえ、怒っちゃいや。おねえさんがぎゅうってしてあげる」 
「バ、バカにしてるんですか!」 
と言って、腕を振り払った。 
エッ、エエーッ、葉月ちゃん・・・裕樹君はぶりっ子や甘えたプレイが好きって言ってたのに。ここは誠実にいかないと・・・ 
「ごめんなさい。一生懸命わたしのために教えてくれたのに、酷いこと言っちゃって。それに年末には、すてきなデートまで用意してくれて。それなのに・・・」 
と言って、思わず涙をこぼしてしまった。 
これには裕樹も驚いて、友華のほうを向き、軽く抱きしめた。 
「あのね、私も何か裕樹君のためにできることがあれば・・・。何でも言って」 
おお、やったね。こういう風になるとは・・・ 
「・・・そりゃ・・・ねえ、うふふふふ」 
「ま、まさか・・・」 
し、しまったあ。何でも、は言い過ぎたあ。まあそれくらいならいっか・・・ 
 
友華は立って、タンスからケースを持ってきた。 
「これね・・・」 
「さて、どれにしようかなあ・・・あれ、これ?」 
「ああー!それはあ!」 
友華がとろうとした一歩早く、裕樹が取って広げた。 
「へえ、白かあ。結構ドキッってするけど、かっこいいですよね。佳奈先輩が着てたことありましたよね」 
「そ、それはだめ、だめでーす」 
友華が取り返そうとするが、裕樹は離さず、 
「別にいいじゃないですか。これ、透けない白でしょ。ボクも持ってましたよ、アリーナ。これアシックスか。でも何か生地薄いかな?」 
「ねえ、これはやめとこう、ねっ」 
「なんでそんなに・・・ん?これ・・・透ける?あ、これって・・・」 
「これ・・・透けちゃうの、だから、これはちょっと」 
「なんでこんなの持ってるんですか。まさかこれ着て泳いで・・・」 
「違うー!これ着て泳いだりなんかしない!」 
「じゃあこれ、いつ着るんですか?どうして、こんな透ける競泳水着、買ったんですか?」 
「違うの!これは、その・・・ほかのと一緒で、もらった・・・」 
「ふーん、まあいいや。じゃあ、これ着てください」 
「いやあ!絶対いや!それだけは勘弁して」 
「ボクのために何でもしてくれるんですよね?」 
「うっ・・・」 
友華はうなずくしかなかった。 
 
カラカラ・・・浴室の扉が開くと、前をタオルで隠した友華が立っていた。 
裕樹がシャワーのカランをひねる。 
「何タオルなんか、肩紐にさげて。さあ、取って。見せて下さい、ヌルフフフ」 
「も、もう・・・やっぱやだ」 
と、裕樹に背中をむけたのだが・・・裕樹は、すかさずヒップにシャワーをかけた。 
「きゃっ」 
ヒップがきれいにスケスケ。 
「うわあ。すごい。こんなに・・・おしりの割れ目が丸見えだ。あ、よく見るとおしりのあなが・・・」 
「いやあ!」 
と、両手で隠すと、すかさず、裕樹はタオルを下へ落とした。 
「きゃあ!」 
と前を隠すが、すけすけのヒップが丸見えになる。裕樹は両手でおしりを包むように持って、顔をおしりの割れ目に沿って下へと動かしていく。 
「見ちゃおっと」 
「いやあ!」 
友華は前に向き直る。白いアシックスが晒される。すでに乳首は勃って、ポチっている。 
すぐに、友華は胸と股間を手で隠す。 
「ふふふ。楽しいなあ。さあて」 
シャワーヘッドを、友華に向けようとしたが、友華が両手でそれを押さえる。 
「も、もう!いやらしすぎる。・・・友華泣いちゃう・・・」 
「泣いてもらいましょう」 
友華の腕力など、裕樹に比べればしれている。シャワーが友華の身体に向いていく。シャワーヘッドを押さえるのをあきらめ、再び胸と股間を隠した。 
シャワーがかけられていき、隠している胸と股間以外が露わになる。 
「いやあん!」 
そのまま友華は座り込んだ。 
胸と股間を隠したまま、床を這って逃れようとするが、裕樹に腕を掴まれてしまう。 
必死で抵抗して振りほどこうとしても、裕樹はがっちりと離さない。 
友華はうつ伏せになって、床に寝転んだ。両手で胸を押さえてガードした。しかし・・・ 
「おしりが丸見えですよ」 
と言ってシャワーをかけ始めた。水流がおしりの割れ目に流れ込む。 
「また、ハッキリ見えるようになったなあ」 
「いやあ!」 
友華は胸を覆っていた両手を、おしりにまわし、割れ目を隠した。友華の手と裕樹の手が少し格闘したが、 
「おしり隠して、胸隠さず、ですね」 
裕樹はヒップから、わき腹をなであげながら、乳房を両手で包んだ。 
「きゃあ!あ、あん・・・」 
床に押さえつけられた乳房に手を潜り込ませ、指先で乳首を刺激する。 
「い、いやあ、やめてえ!いやっ・・・あ!きゃ、きゃあ、いやあ!!」 
必死で友華は、裕樹の腕を掴んでいたが、逆に友華は腕を掴まれ、仰向けにされ、磔られてしまった。 
真っ白な大きい乳房と、ピンクの乳首が、裕樹の目の前にさらされた。 
「きれいなピンク色ですね。小っさくてかわいい乳首だなあ」 
「いやっ、いやらしい言い方して・・・」 
「舐めちゃおうっと」 
「や、だめ、やめて、明るいところじゃ・・・丸見え・・・いやあ!」 
裕樹は、ゆっくりと友華の乳首に唇を近づけていった。 
透き通った生地に突き立つ乳首を舌先で舐めた。 
「あっ、あん、あ、ああん・・・はあ、はあ・・・」 
乳首の先を頬張り、唇で先端や角っこを優しく舐めた。両乳首に吸いつき丁寧に舐めて、離れようとしたら、友華が裕樹の頭に腕をまいて、乳首に口を押しつけた。 
「ああん!いい、いい!はあ、はあ・・・」 
乳首への長いペッティングが終わり、裕樹は股間へ唇を持っていこうとした。 
「ここだけはいや!見ないで!お願い・・・」 
友華の手が股間をガードする。裕樹は腕をもったが、ここだけは友華も必死だった。 
裕樹は床に座って、正面に友華を抱えた、自分をまたがせて、対面座位になって、友華の水着の股間をずらした。 
「これならいい?」 
友華は顔を赤らめながらうなずいた。 
裕樹はサッとコンドームをつけ、挿入した。小刻みにしか動けないが、友華も一緒に腰を動かした。 
「あん、あん・・・いい・・・あん・・・」 
穏やかな動きの中で、すでに興奮しきっていた裕樹は早々にイッてしまった。 
 
裕樹が下で、友華のおなかに腕をまわして、バスタブに湯をはって、横になっていた。当然友華は両腕で胸を隠していた。 
裕樹が友華の腕をどかそうとするが 
「もう!覗こうとして。恥ずかしいって言ってるのに」 
「かわいいピンクの乳首が見たいなあ。こんなきれいなピンク色初めて見た」 
「ホント、いやらしい。ダーメ」 
「じゃあこっち」 
裕樹は、友華の股間をまさぐりだした。 
「いやん、もう、やだっ、こら!やめて!いやあ!」 
水着の脇から指を入れて、裏地をずらそうとした。少し黒いモノが見えかかって、友華は手で隠した。 
乳首が露わになる。 
「きれいなピンク色が・・・」 
友華は裕樹の方を向いて抱きついた。 
「見せない。もう・・・裕樹君ってSね。そうやって女の子をいじめるんだ・・・また、もう!くすぐったいよ」 
裕樹は友華のヒップをまさぐっていた。 
「いじめるだなんて。恥じらうところを見るのが楽しいんです。でも・・・物足りないでしょ」 
「なんで・・・そんなことないよ・・・よかったわ・・・また!もう!」 
裕樹が友華の水着のヒップを大きくずらした。おしりの割れ目が露わになる。二つ目のコンドームを取り出した。 
「何個もってるのよ!」 
「3つ」 
「ちょっとそんなに・・・い、いやだあ、やめて・・・」 
裕樹はバスタブの栓を抜いてお湯を流す。友華を抱きかかえて、バスタブの中に寝かせる。友華は身動きがとれない。裕樹は指を股間の生地にかけた。 
「いやあ!絶対にダメ、恥ずかしい!見たら別れる。絶対別れる!いや、刺す!」 
「わかりました。見ませんよ。見ないようにね」 
裕樹は再びそり勃ったモノに、コンドームをつけた。友華に唇を重ねながら、挿入していった。 
 
「ああん!いやあん、いい、いっ、いく・・・」 
友華はエクスタシーを感じ、続けて、裕樹は2回目の射精をした。友華の水着を元に戻した。 
「はあ、はあ、気持ちいい・・・先輩、あそこもきれいなピンクですね。陰毛は・・・」 
「見たのね・・・最低、変態、ドS。あんたなんか嫌い!」 
「ウソです。刺されちゃ困りますから」 
「もう、やっぱりSね」 
「いいなあ。このピンクの乳首。こちょこちょって」 
「いやあーん!」 
 
2人は友華の部屋に戻った。さすがにのぼせかけたので、バスタオルだけをまいていた。 
「せんぱーい」 
「ちょ、ちょっと、まさか・・・」 
 
「ふう、一日3回は初めてだ。あれ、先輩・・・」 
友華は寝息をかいていた。 
「やっぱかわいいなあ。きれいだよな。ツンデレだけど、俺好みだ。一緒にずっといたいなあ」 
「・・・一緒にいて欲しい?」 
「あれ、起きてたんだ」 
「こういう時がこないと思った・・・」 
「そんな・・・ちょっとけんかしただけじゃないですか」 
「でも・・・輪姦されて、俊と別れて、また苦しむのかなって。今は幸せを感じてる」 
友華は裕樹に唇を重ねた。 
 
 
「あっ、こんな時間になっちゃった。早くしないと、帰ってきちゃう」 
 
ジャージを着て、帰り支度が出来たとき、友華の家族が帰ってきた。 
「帰って来ちゃった。どうする?」 
友華は裕樹に向いて微笑む。 
「まあ・・・くつは玄関にあるし、隠れようもないなあ。大丈夫ですか?」 
玄関で両親と妹に裕樹を紹介した。 
ゆっくりしていくように言われたが、裕樹はバイトがあるので帰った。 
 
友華の部屋に、凛華が濡れた頭にタオルを巻いて入ってきた。 
「シャワーしてたら、これ・・・買ったの?こんなの・・・」 
丸めてあるタオルを開くと・・・濡れて透けた白いアシックス。 
友華は顔を真っ赤にして、目が泳いでいた。 
「置きっ放しにしたらだめだよ」 
「う、うん・・・ありがと・・・あの・・・え、え・・・」 
「よかった。お姉ちゃん、元気になったね。新しい彼のおかげかな?」 
と言って、部屋を出て行った。 
凛華・・・心配してたんだ・・・ごめんね。ありがとう。 
 
 
↓ 続編追加: 2017.09.24 ↓ 
 
3月になり、規模の小さい地区の大会や記録会が始まった。 
 
 
葉月は水泳記録会に向かうため、電車に乗ろうとホームに並んでいた。 
小さな記録会だった。競泳水着は今シーズンのモデルがまだ届いておらず、部活のユニフォーム、ALS27Sのオリーブ。かなり使い込まれて、生地が薄くなり、ややのびが出始めていた。その上にスイミングスクールのジャージをまとっていた。 
1本きりのタイムトライアルと思って選んだ水着があだとなった。 
列に並ぶ葉月を複数の男達が注目していた。 
小柄な学生。 
獲物には最適。 
電車では既知のメンバーだった。 
ジャージの裾からチラッと水着の生地が見えた。 
一度こういった獲物を捕らえてみたかった。 
 
学校が終わってから、いつもならスクールに行くのだが、この日は本部のある50mプールで記録会が開催される。クラブ員によって、学校の終わる時間と場所が違うため、メンバーはばらばらに会場へと向かっていた。 
折しも、夕方の帰宅時間帯。ホームはサラリーマンや学生でごった返している。 
電車がホームに滑り込み、降りる乗客を待って、電車になだれ込んだ。 
葉月を狙う獣たちが獲物を囲い込んだ。 
快速電車は次の駅まで15分。 
獣たちは、この間に本能をすべてさらけ出す。 
葉月は、カバンが邪魔になってはいけないと、足の間に置いた。足は肩幅程度に開いている。 
ぎゅうぎゅうな状況で6人の獣が佳奈を取り囲んでいた。 
12本の触手が葉月を蝕み始める。 
 
んっ?な、なんだ?なにかこそこそと・・・きゃっ!くすぐったい!なんか・・・触ってる? 
 
ジャージの上に、こそこそと手が這ってくる。 
おしりを包みこうむように2本の手。撫で回している。ジャージの裾から、2本の触手が入り込んできて、水着の生地に映る腹筋の筋をなで始めた。 
な、何!痴漢・・・ 
葉月の両手は足の下に置いたカバンの肩掛けを持っていた。しかし男達がまわりに詰まっていて、おしりに手を回せない。肩掛けを落として、腹筋を撫でる2本の手を上からつかんで離そうとするが、逆にその手を掴まれ、さらに2本の手が這い回し、乳房の下に移動してきた。 
 
や、やだ!やばい! 
 
葉月は声が出せなくなっていた。 
葉月は6人の獣という鉄格子に囲まれた檻に囚われて、逃れられなくなった。 
獣たちは性の祝宴を始め、葉月を快楽の奈落へ突き落としていく。 
ジャージのパンツが引き下ろされていく。 
両手を掴まれた葉月は、それを止めようもない。 
触手が4本に増え、2本はおしりの丸みを下から包み込み、競泳水着からはみ出た肉を愛撫する。2本は内腿を撫で回した。 
2本の触手が下から乳房の丸みを捉える。 
薄くなっていた競泳水着の生地は、触手にとって心地よく、葉月の身体は敏感にそれを感じ取っていた。 
葉月はつま先立ちになって、乳房を狙う手と、おしりを愛撫する手から逃れようとした。 
しかしそれを追って、触手は上へとあがって来て、乳房を包み込むように捉えた。 
つま先立ちは、そう長くはもつはずもなく、葉月の足の力が抜けた。それと同時に、あきらめの気持ちになった。 
下腹部のところで押さえていた手の力も緩んでしまった。 
その様子を察知して、12本の触手が、葉月の身体を狙いだした。 
争うようにして触手が股間を狙う。 
スリットと、膣のまわり、おしりの割れ目の奪い合いだったが、3本の触手が勝者になり、1本はスリットへと水着の生地を食い込ませ、クリトリスを刺激する。もう1本が覆うようにして大陰唇を撫でる。さらに1本が尻の割れ目から、アナルを突く。。 
 
い、いやあ!こ、こんなに一度に・・・ああ・・・こんどは・・・も、もうだめ・・・ 
 
後ろから乳房を愛撫していた2本に、葉月が手を緩めて自由になった2本の触手が加わり、乳首をつつき出した。水着の上から、軽くつまんだり撫でたりを繰り返す。4本の触手が葉月のバストをやさしく愛撫した。争いに負けた触手は、残りの餌を奪い合う。 
残った触手が両太腿の付け根をVライン沿いに動き、時おり水着の上から陰毛を貪る。太腿の内側を這い回り、チャンスあらば股間を狙う。 
 
「・・・はあ・・・はあ、はあ・・」 
 
喘ぎを必死でおさえ、吐息が荒くなっていく。そして宴は最高潮に達していく。 
獣たちの愛撫は乱暴になることはなかった。葉月の様子に興奮を覚え、快感を高めていこうとした。手練れのテクニックは幼い女子高生を手玉にとるのに十分だった。 
そしてフィニッシュへと向かう。 
葉月の股間は愛液で水着をべっとりと濡らしていた。 
下半身を這い回っていた触手が、水着の中に潜り込んでくる。愛液でするすると指が入り込んでくる。クリトリスをくりくりと弄る。やさしく上下にはねるように撫でる。 
膣の中を中指が踊る。大陰唇を手のひらで包み、愛液をこねながら中指ですくい上げるように悪戯していく。愛液をつけた指でアナルをつつきながら、人差し指を入れていく。 
 
い、いやあ!やめてえ!痛い!や、やだ、やだ、もう・・・だめ・・・ 
 
12本の触手が葉月を絡め取って、あらゆる性感を刺激し尽くした。 
獣たちの6本の触手もよだれを垂らして、長く太く伸びきっていた。 
葉月は歯を食いしばってうつむき、ただただ耐えていた。 
そして永遠に長く続いたように感じられた15分間が終わった。 
 
乗客が雪崩をうってホームに降り、獣たちは蜘蛛の子を散らすように去って行った。 
 
葉月はホームのベンチにひざまずいて倒れ込んだ。他の乗客が様子をみてかけより、駅員が駆けつけた。警察官もやってきて、駅の詰所で事情を聞き、女性警察官に同伴され病院へと向かった。 
 
 
翌日、部室で葉月は他の女子部員に痴漢の顛末を話していた。 
「あの路線はよく聞くよね」 
「私もあったことあるけど、そこまではなかったなあ」 
「完全に計画的だよ。逃げ場なかったもん。それもいったい何人いたのか、手が10本くらいあったわ」 
「私も気をつけよう」 
「あんたは絶対大丈夫。柔らかいとこないし」 
「先輩達のほうが警戒しないと。私たちと違って、体形普通だから」 
「それっていいのやら悪いのやら」 
友華と佳奈は少し例の事件を思い出してしまった。どこにも野獣はいる。 
話してはいたが、葉月にはいつものような明るさはなかった。 
 
 
3学期最後の練習日。 
 
練習終了後、佳奈がシャワーを終え、部室へ行こうとした時、後ろから葉月に呼び止められた。 
「先輩、ちょっと話したいことが・・・。みんなのいないところで」 
「そう?じゃあプールのベンチで」 
葉月は、部室では言わなかった、痴漢事件の子細を話した。 
「そこまで・・・それにあなたは・・・男性は・・・」 
葉月は首を横に振った。 
「男の人怖い・・・」 
「そう。でも考え込まないで。また香奈恵さんに相談しよ。もう寒くなってきた。戻ろう。シャワー浴びなきゃ。私も温かいのをもう一度」 
佳奈は先にシャワーブースに入り、湯気を立てながら、温かいシャワーを浴びていた。そこに葉月が入ってきた。 
「どうしたの?きゃっ、な、何?どうしたの?ちょ、ちょっと、どこ・・・」 
葉月は佳奈を抱きしめて、ヒップに手を回していった。 
「先輩・・・男は嫌・・・それと、私・・・また身体が。ねえ・・・」 
佳奈を抱きしめながら背中をなであげていった。佳奈はぞっとして、離れようとしたが、体躯も筋力も葉月が上だった。 
逃げようがないなあ・・・どうしよう?もう、しょうがない。 
佳奈の頬につけていた葉月のあごをもって、唇を重ねた。佳奈にすれば手を抜いていたのだが、巧みなキスは葉月を骨抜きにした。図らずも葉月のファーストキスだった。乙女の葉月には衝撃的だった。逆に葉月は、わけがわからなくなり、 
「ん、んーん・・・はあ、はあ・・・先輩・・・好き」 
佳奈を抱きしめて、手を自分の胸に誘った。 
まいったなあ・・・だらだらやってらんない、ええーい。 
佳奈は水着越しに葉月に乳首をほおばった。ちゅっ、ちゅっとすいながら舌でなめらかに撫でる。 
「いやーん!あん、あん、いやあ!」 
ああ、こ、こんな・・・先輩の舌が・・・だめえ! 
葉月にとっては予想外だった。いきなり乳首を咥えられるとは思っていなかった。しかし佳奈の舌使いだ。胸に初めてのエクスタシー。 
佳奈が唇を離す。葉月は、佳奈の頭を抱えたまま座りこんだ。 
ショック与えすぎたかな。行きがかり上・・・え、ちょっと、ええっ!ここも? 
葉月は開いた太腿の間に、佳奈の頭を埋めさせ、陰部に唇を誘う。 
こ、ここは・・・どうなっちゃうんだろう・・・先輩、来て! 
しょうがないなあ・・・ 
ぴちゃ、ぴちゃ、ちゅっ、ちゅちゅ・・・ 
「あ、あっ!いやあん・・・いや、いや、ああー!い、いい!はあ、はあ、はあ・・・」 
「もう、いやらしい子ね。うふふふ・・・」 
「せ、先輩!もうだめ・・・いやあーん!はあはあ・・・」 
葉月はぐったりと床に転がった。横向けになって、喘いでいた。 
撃沈したか・・・また冷えてきたよ、って、あ!今日、あの日じゃん。僚太こなかった?まさか・・・ 
 
すごいの見ちゃったな。前から?でもないよな。佳奈ちゃんってバイだったのか?意外な一面だ。しかし、ボク、葉月ちゃんにかなわない?も、何を基準に考えたらいいんだ? 
 
佳奈は葉月を抱き起こして、温かいシャワーを浴びせた。股間のぬめりにも。 
「いやん、先輩。シャワーで?」 
「何言ってんのよ。もう閉めなきゃ。早く温まって、着替えて」 
佳奈は逃げるように部室へ入っていった。 
もう、まいったなあ。やり方間違えたかなあ。だからって、大声出すわけにもいかない。 
 
佳奈は帰ってから香奈恵に連絡をとったが、出張中で地方に行っていた。戻るのは4月になる。葉月のことを相談しつつ、近況を話していた。 
 
僚太は佳奈に電話で話をしようとしたが、ずっと話し中で、その日は連絡がつかなかった。 
 
もう、わたしは女性を愛そう・・・佳奈先輩、離さない。まずは僚太先輩がライバル。奪っちゃおう。 
と、考えていたときに、メールが入った。ミツルからだった。 
連休の翌日に東京に行く。案内してもらえるか?という連絡だった。 
マッチョのミツルには男の恐怖しか感じないのでは?と思ったが、年末のこともあったので、了承した。 
 
 
春休みに入ってすぐの連休は、葉月もミツルも地元の大会があり、その翌日は部活が休みのため、アキバで落ち合うことになった。 
葉月は例の路線に乗った。昼間はすいていて、痴漢にあう可能性はなかったものの、あのときのことが思い出され、段々と気分が悪くなっていった。 
葉月はミツルを案内していたが、苦しそうだった。気づいたミツルが、葉月の家の最寄りの駅まで送っていくことにした。 
帰る頃には、夕方のラッシュで、ホームは人でごった返していた。 
 
葉月を遠目に見ていた男が目を輝かした。 
「あの娘・・・ようし、今日もかわいがってやろう」 
2人はホームに並んで電車を待っていたが、葉月は俯いていて、ミツルはスマホを確認していたので、連れ合いがいるとは思われなかった。 
電車になだれ込むように乗客が入り、葉月とミツルと例の獣が動けない状態でひっついていた。 
 
スカートをたくし上げ、男の手が、葉月のショーツに触れる。 
葉月がビクッと動く。 
ミツルが、それに気づいたが、調子悪そうやなあ、と最初は思った。 
そして葉月のショーツに、男の手がすべりこんだとき、葉月はミツルの腕をつかんで下に引っ張った。 
葉月を見ると、俯いて歯を食いしばって、汗を流している。その下を見ると・・・ 
 
ミツルは男の首根っこを引っ張りあげ、 
「こらあ、なにさらすんじゃあ!痴漢しやがって!」 
怒号が車内に響くとともに、吊し上げられた男の顔がさらされた。 
「俺、なにもしてない!誤解だー!」 
「何、なめたこというてるんや。次の駅で警察につきだしたる!」 
車内に、痴漢だって、最低、この路線はなあ、とひそひそ声でささやかれた。 
 
次の駅で他の乗客も協力して、痴漢を警察に引き渡した。 
葉月は女性警察官のケアを受けながら状況を説明し、ミツルも別室で状況を話していた。 
容疑者は否認していたが、携帯から、葉月や他の女性の大量の盗撮画像や、痴漢グループとのメールが発見され、すべて自供した。芋づる式に、痴漢グループが逮捕された。 
少し時間がかかってから、ミツルが大きい封筒を持って出てきた。 
「遅かったなあ。いっぱい聞かれたんですか?」 
「いや、途中から雑談。住んでるとこやら学校のことやら。表彰の申請するらしいわ」 
「痴漢を引っ張り上げたときはびっくりしちゃった。すごい力ですね」 
「子どもの頃から柔道やってたからな。これでも2段やで。こういうとき役に立つわ」 
「そうだ、私の家、ここから近いんですよ。ごはんでも食べていって下さい。お礼しなきゃ」 
ミツルは葉月の家に招かれ、両親と兄から礼を言われ恐縮した。帰りは父と葉月にホテルまで、車で送ってもらった。 
「悪い奴もいれば、ああいう好青年もいるんだよなあ」と父がつぶやいた。 
葉月の佳奈への想いは、すっかり消えていた。 
 
 
一件落着のようで、裏ではもめ事が起こっていた。 
「いつからなの?葉月ちゃんと関係持ちながら、クリスマス・・・」 
「違う!あのときが初めてなの」 
「信じられないなあ。で、どうするの?二股を続けるわけ?」 
「そんなことしない・・・」 
「じゃあどうするの?詳しく話してくれないし。信じられないな」 
「だから、葉月ちゃんのことが・・・事情があるから・・・」 
「それをなんで話してくれないの?やっぱりやましいことあるんだ。そうでないならねえ」 
「何?」 
「ボクへの想いを示してくれなきゃ、ね」 
「わかったわよ。何でも・・・うんとサービスしてあげるから」 
 
僚太は、部屋を出て、荒縄を持って、帰ってきた。 
「ちょ、ちょっと・・・そんな趣味あったの?そういうプレイだけはいや!」 
「これだけはだめか・・・って、縛り上げようって言うんじゃないよ。手と足縛るだけ」 
「だけ、って、それでもいやよ。あざができちゃう。痛いよ」 
「あざができなきゃいいんだね。じゃあこっちで」 
太いリボンだった。 
「・・・最初からそのつもりだったのね」 
これじゃ撮影のときと一緒じゃない。何するつもり・・・ 
 
僚太はリボンを佳奈の手首に巻いて、ベッドに固定しようとした。 
「ねえ、こういうのやめようよ、ね。ちょ、ちょっと待て。あんたこれで服脱がしていくんだろ。まだ昼間だよ。明るいよ。やだよ」 
「明るいところで見られるのは、恥ずかしいの。じゃあ・・・脱がせられないモノにしようか」 
「脱がせられないモノって・・・?」 
「準備してあるよ」 
「ま、まさか・・・」 
 
佳奈は競泳水着を着て横たわっていた。 
黒にアシックスのロゴ。ハイドロだった。箱に入った水着を渡され、バスルームで着替えた。さすがに僚太は佳奈の体形を知り尽くしている。新品なりの硬さはあったが、ジャストフィットだった。 
これじゃホントに撮影と一緒じゃん。 
僚太は、同じく黒のビキニタイプを身につけていた。。 
両腕と両足が、長いリボンで固定されていた。 
「最初からこのつもりだったのね。な、何するのよ。乱暴はいやよ」 
「うふふふ・・・気持ちよくしてあげるからね。ボク、もう、こんなに・・・」 
ビギニがはち切れんばかりに膨らんでいた。 
僚太は電気マッサージャを取り出した。スイッチが入り、唸りだした。 
「それいやあ!何よ、アダルトビデオじゃないの、いや、や!いやーあ!」 
白いゴムが、佳奈の乳房を揺さぶった。 
「ちょ、ちょと待って・・・待ってよ!!」 
僚太は一度スイッチを止めた。 
「刺激が強すぎて痛いよ。気持ちよくない」 
「刺激が強いんだね。じゃあ」 
と言って、豆粒大の玉が二つついたローターを取り出した。玉が小さく震え出す。 
「弱い刺激で」 
「そういう意味じゃ・・・いやあーん!いや、いや、やめてえ!」 
ローターが佳奈の乳首に触れるたびに、佳奈の身体が跳ね上がり、絶叫が響く。 
「も、もう無理。お願い、もう許して・・・」 
「これ、おもしろいんだよ」 
+のボタンを押すたびにローターの震えるパターンが変化する。 
「ふふっ、これをね・・・」 
僚太はローターの先を、佳奈の水着のわきから、潜り込ませ、水着の生地で乳首のところにはさんだ。競泳水着の締め付けでしっかり固定された。 
「いや!こんなこと・・・や、やめて、お願い、ダメ、だめえっ!」 
僚太はローターのスイッチをオンにした。 
「いやあっ!もう、お願い、やめ、いやあ!ダメ、ダメ、ああっ!あんっ!いやあ!」 
+のスイッチを押すたびに、佳奈の身体がビクッと跳ね上がり、左右に首と身体がうねり、振られる。 
スイッチが何度も押され、振動リズムがかわるたびに、佳奈が喘ぎと絶叫を繰り返した。 
「はあ、はあ、はあ・・・このサディスト!変態!」 
「そう、僕はサディストの変態だから、もう一度」 
「違う-!僚太君は優しいの。だから、ね。女の子に優しくして、ねっ」 
僚太は水着の下からローターを取り出した。しかし再びスイッチをいれ・・・ 
「きゃっ!きゃっ!くすぐったい、いやっ!」 
ローターの先を、佳奈のお腹やわき腹に垂らして這わした。そして、下腹部に動かしていく。 
「だめ、だめだって。いや、いやあ!」 
 
陰毛のところまできて、僚太はスイッチをオフにした。 
「うわあ、ぐっしょり濡れてる。黒の水着でも、濡れてるところがよくわかるね。感じてるんだ」 
「もう!わざとそういう言い方して。腹圧失禁よ。身体に力がはいると・・・おもらししちゃうの。だからそれは・・・」 
「くんくん。おしっこか。でも、真ん中はぬるぬるしてるよ」 
「きゃっ!やだ、もう・・・」 
「舐め舐めしちゃおうかなあ・・・それとも、こっち?」 
「そっちは嫌!で、でも・・・ああーん!いやあ・・・いい・・・」 
僚太の舌が、濡れた水着の上を踊る。 
「少ししょっぱいなあ。恥ずかしそうな表情がたまらないなあ」 
「いやあ!何みてるのよ。また、いやらしい言い方する・・・」 
佳奈は顔を覆いたくても、手首が縛られてしまっている。 
 
「僕も気持ちよくしてもらおうかな」 
僚太は佳奈の頭を膝立ちでまたいだ。ビキニの横からペニスを出した。 
佳奈はプイと横を向いて 
「いやだ。舐めないもん。してあげない」 
「そっかあ、まだ足りなかったんだ」 
僚太はローターを佳奈の股間、スリットの間と膣にいれて水着で押さえた。 
「ふふふ。じゃあ、スイッチを・・・」 
「いやっ!いやっ!だめっ、それは絶対にだめ!僚太、お願い、してあげるから、ね。もしスイッチ入れたら二度と口聞かない」 
僚太はローターを引っ張ってスルッとぬいた。 
そして、佳奈の前にペニスを突き出した。 
「ああ、い、いいよ、佳奈、最高・・・」 
佳奈が僚太のペニスをチョロチョロと舐め、深く咥え込んだ。ディープスロートをして 
「あ、ああ、いく、このままじゃ」 
さあ発射させてやろう、というところで、僚太が佳奈の口からペニスを抜いた。 
「前みたいにはいかないよ。さて、これをに佳奈に入れて・・・一緒に気持ちよくなろうね」 
「そのアダルトビデオみたいな言い方やめてよ・・・」 
「その前に・・・」 
僚太は水着の股間をずらしていった。 
「いやあ!明るいところじゃいやって言ったのに!ああーん!」 
僚太は丁寧にスリットの中、クリトリス、小陰唇、大陰唇をぐるりとなめて、膣に舌を出し入れした。 
「きれいだよ・・・さあ」 
僚太は佳奈の太腿を持ち上げた。リボンがスルッとほどけた。ペニスを挿入し、激しく腰を振った。 
「いやーあ!・・・ああ、ああ!」 
すぐに僚太は発射した。ペニスを抜いて、コンドームを処理した。 
 
「もう!激しすぎ。それに・・・もう!嫌い!さあ、ほどいてよ」 
「何言ってるの。一緒にいかないと・・・ね」 
ムクムクと再び起き上がったペニスにもう一度コンドームをつけた。 
「ちょ、ちょっと。私壊れちゃうよ」 
「これからだよ・・・ふふふ」 
佳奈の腰を持ち上げて、挿入する。腰を動かしていくのだが、 
ど、どうなってるの・・・僚太、何か・・・すごい。パワーアップしてる。ああ!いい、いいっ! 
佳奈の喘ぎ声が響き続ける。 
対面座位からバック、最後は正常位でフィニッシュ。 
佳奈は体位を変えるたびにエクスタシーに達していた。陰部が晒されていることなど、お互い気にしていなかった。 
 
佳奈は僚太の胸の中に抱かれていた。 
「もう・・・僚太ってSね。ほんといやらしい。本性はこんなだったの?」 
「佳奈はMじゃないの。まんざらでもなかったでしょ」 
「何言ってるのよ。そんなことない・・・あれ?佳奈って呼んでるね。いつそう呼んでくれるのかなって思ってた」 
「なかなか自信がなかったからなあ」 
「私をいじめて自信持ったわけ」 
「こうでもしないと無理だったかな。またいじめてあげるね」 
「調子にのるなあ!」 
「ぎゃあー!」 
佳奈は僚太の首筋に噛みついた・・・ 
 
僚太は寝息をたてていた。 
普段あんなに気が弱くて、おとなしい僚太が、まさかね・・・こっちが本性?っていうか、発散してるのかな。 
でも、一線は越えないのよね。これ以上は、っていうところで絶対引くし、リボンだっていざとなれば、ほどけるようになってた。賢いし、よく見てるのよね。僚太の掌で踊らされた?いや、主導権にぎってるの私じゃん。どこまで許すかは私がきめてるんだもん。僚太って狡猾よね。 
ふふ、かわいがってあげなきゃ・・・ 
佳奈は浅い眠りについた。 
 
 
「あれ?先輩、首のところ、傷がありますね」 
「ああっ!裕樹君、キネシオあったかな?」 
「ありますよ。とってきます」 
あれ、歯形じゃん。佳奈先輩って、ああ見えて激しいんだ。すごいセックスしてるな。 
 
練習後、女子の部室が騒がしかった。 
「佳奈」 
「佳奈っ!」 
「かなあ~」 
「ねえ、佳奈」 
「ちょっと、あんた達、やめてよ」 
後輩達が、イントネーションを変えながら佳奈を呼んでいた。 
「何かあったんですかあ」 
「な、何もないわよ」 
あいつ、学校で呼ぶなよなあ。 
「2人の関係が近づいたのかなあ。ラブラブですね」 
「は、はづきい・・・」 
葉月を見る表情はことさら厳しかった。 
 
 
佳奈は帰りに葉月を呼び止めた。 
「葉月ちゃん、ちょっとつきあって」 
「スクール行かなきゃ」 
佳奈は葉月の腕をがっちり組んで 
「つきあって!」 
「ハイ・・・」 
 
「いやあ、あれは気のまよいというか、ちょっとふざけて・・・」 
「ふざけてえ?痴漢にあったからって、同情して相手したんだよ。そんな・・・」 
「私と関係続けたかったんですが?」 
「そういうことじゃなくて、あんなことするから・・・」 
「何かあったんですか?」 
「いや・・・何も・・・気持ちの方は?身体は大丈夫」 
「ハイ、すっかり」 
まあ、葉月ちゃんが元気になったならよしとするか。 
 
 
部活が休みになり、佳奈と僚太はデートしていた。まあ、佳奈は女の子デイということで・・・ 
「葉月ちゃんとはどうなったの?」 
「解決。どーいうつもりだったんだろ。元気になったからいいけど」 
そのせいで、こいつにいいように遊ばれたなあ。なんかやりきれない。 
「何があったの」 
「まあ、それはちょっとね。彼女のことだから。でも、あんたさあ、水泳もだけど、なんていうか・・・いろいろとパワーアップしてない?」 
「そう?わかる?いろいろと裕樹君から。さすがだねえ。彼の言うとおりすると結果が出るよ」 
「それってまさか・・・」 
「そう、気づいてくれた。よかったかな・・・」 
「ちょっと。私のこといろいろ話してるんじゃないでしょうね」 
「さすがにそれはないよ。でもすごいね。僕はまだまだ及ばないや。経験が違うね。女の子が彼になびくのもわかる気がする」 
っていうことは友華も・・・すごいんだなあ・・・ 
「私も一度相手してもらおうかな。誰かさんみたいに変態プレイはないだろうし」 
「ちょ、ちょっとまってよ」 
「冗談、冗談」 
裕樹にも、フェティッシュな趣味はあるのだが・・・ 
 
 
さて、少子化のあおりを受け、巷では教育機関の再編があり、学校法人KS学園は他校をグループ傘下に入れ、提携校を増やしていた。 
 
学年末試験が終わり、水泳部のミーティングがあった。 
 
「・・・というわけで、4月の埼京女子高の編入者のうち、新2年生1名が入部します」 
と顧問から説明があった。 
「埼京女子高が、KS学園グループになるの?」 
「あんた新聞見てないの。ずっと前に決まってたよ。KS附属になるの。うちの練習環境がいいから、1人編入するんだって」 
「トップクラスの女子選手って、まさか」 
「美沙にきまってんじゃん」 
裕樹の顔が青ざめていった。 
「あいつ俺に一言もそんなこと・・・」 
「あんた達の間にまともな会話なんてないじゃん」 
「どうしたら・・・」 
「何、破滅した顔してるのよ」 
「だって、友華先輩にばれたら」 
「あんたがとんでもない女ったらしで、ヤリチンの千人斬りなのは、とうに知ってるし、そのうちの1人ってだけでしょ。今、何もないんだったら関係ないじゃん」 
「そこまで言うか。そういわれれば、まあ、そうかなあ」 
 
しかし、裕樹にも、部活にも、更なる波乱が待ち構えていた。 
 
4月から、友華達にとって、高校生活最後のシーズンが始まる。 
 
 
↓ 続編追加: 2017.11.14 ↓ 
 
 
4月になってすぐに、美沙が水泳部にやって来た。 
顧問から部員に紹介された。 
美沙は裕樹に一瞥もくれなかった。 
葉月が施設を案内してまわった。 
「うふふふふふ・・・」 
「何よ」 
「初めての男が忘れられなくて・・・略奪・・・」 
「毎日スクールで顔つき合わせてんだから、そんなわけないでしょ」 
「つまんないなあ」 
「あんたねえ・・・」 
 
 
裕樹にとって、後にも先にも、関係をもった中で唯一の処女が美沙だった。 
そして、美沙との出来事が、裕樹に大きな変化をもたらし、人間の成長をもたらした。 
 
 
中3の春に、MSSスイミングクラブの選手コースに美沙が入ってきた。この頃、裕樹は選手コースのなかでも、中高生の上位選手が集まる選抜コースに入っていた。美沙は他の店舗から移籍してきた。 
美沙は誰もが目を引くようなかわいらしいタイプだった。ミズノのブルーのマイティラインが、美沙を際立たせる。男子選手は競泳選手にしては珍しいタイプの女子に色めいていた。 
 
美沙は男子から、つきあいや身体を求められることがあったものの、ドライに突き放していた。雰囲気やルックスは友華と似ていた。 
そんななか、女性との関係に疲れていた裕樹は、美沙に感心を示さなかった。 
また、2年生で全中に出場できたこともあって、練習に熱がはいっていた。 
 
 
6月になって、練習が激しくなる中、裕樹はスクールで一番厳しいメニューを自分に課していた。疲労困憊で、プールからあがり、周りが見えないままベンチに座った。 
「ちょっと頑張りすぎじゃない。疲れが酷い。引きずるとかえって悪くなる。過ぎたるはなんとかよ」 
美沙がとなりに座っていた。裕樹は気づかず座っていた。 
「でも、練習量増やさないと、今以上には・・・キミは全中でもJOでもすごい活躍だね」 
「量がすべてじゃないよ。練習内容を組み立て直したら?コーチ室にシステムがあったと思うんだけど」 
裕樹をコーチ室のシステムの前に連れて行った。 
 
「コーチが選手用にメニューや練習計画をつくるシステムよ。ここではあまり使ってないのね」 
裕樹をシステムの椅子に座らせ、操作を説明していった。 
入力が完了して横をむくと、美沙が、かがみながら画面をのぞいていた。 
目の前にブルーのマイティラインに身を包んだ美沙の肢体。少し乾いてはいたものの、まだ湿っていた生地に、身体のラインがはっきりと映っていた。目の前には、かがんだ姿勢からのぞく、がっちりとした体格に形のいいバスト。その向こうにハイレグで切れ上がった股間。 
上をみると、スッとしたあごに、整った目鼻が見えた。 
みんなが色めくのもわかるなあ。たしかにいいスタイルで愛くるしい。ひさしぶりにときめいたなあ。いや、今は水泳に集中だ。 
美沙は一瞬、裕樹の目線に気がついたが、すぐに熱心に取り組む姿に、思い過ごしと思った。 
美沙のアドバイスをもらいながら、質を高め十分な休息をとるプログラム、これからの大会に向かうメニューとスケジュールを作った。 
 
「ちょっと・・・」 
「何?葉月さん」 
「口説かれなかった?」 
「ないよ。彼は誠実な感じね」 
「身体ばっか見てなかった?」 
「いやあ・・・それはなかったよ」 
「そう・・・」 
「どうしたの?」 
「いや、別に・・・美沙ちゃん結構狙われるから」 
「大丈夫よ。慣れてるから」 
慣れてるか・・・お互い苦労するなあ。まあ、大丈夫か。 
 
 
7月に選手達は各地域大会を勝ち上がってきた。 
裕樹も順調に試合をこなしていた。 
すこしばかり余裕もでてきて、美沙の肢体が頭に浮かんでいたが、考えないようにした。しかし、そのうちイメージを頭のなかから拭えないようになっていた。何か気になってしまう。 
裕樹は、全中に向けても好調を維持し、好成績と自己ベストを連発していった。そして念願の全中へ出場した。 
しかし、全中ではファイナル確実、優勝候補だった美沙が、地方大会後に調子を崩し、出場種目すべて予選で姿を消し、ベストどころではなかった。 
注目されていた選手だけに、その不調が話題になっていた。 
 
 
全中後からJOに向けてトレーニングが始まる。調整期間でもあるので、自主練と集合練習に自由参加だった。 
裕樹は意気揚々と、好調そのまま、練習に取り組んでいた。 
しかしながら、それでいても、美沙が気になってしょうがなかった。 
しかし、美沙は練習のペースがあがらず、身体も思うように動かなかった。プールサイドで休んでいても、表情は暗く、悲壮感すら漂っていた。 
練習後、美沙は休憩中と同じように、更衣室へはもどらず、プールサイドに座っていた。裕樹はその姿がいたたまれず、美沙の隣に座った。自分を支えてくれた美沙をなんとかしなければ、と思っていた。練習を終えた選手達は、ほとんどプールにおらず、二人の様子を見た選手達もすぐにプールを後にした。後は裕樹に任せよう。 
葉月は、通路から二人の姿を見ていた。 
まさか・・・心配だな。でも、今の美沙にはなあ。裕樹が真剣に向き合ってくれればいいけど。 
美沙を裕樹に託して帰路についた。 
 
美沙は裕樹の顔をみて、涙をこぼした。 
「もう、ダメ・・・。このままじゃ、大会なんて」 
「やってみないとわかんないよ。まだ大会終わってない」 
「こんなタイムじゃどうしようもないよ。インターハイ終わってから嫌な話ばっかり」 
「ちょっとこっち」 
裕樹は美沙の手を引っぱっていった。 
「ちょっと、何よ」 
美沙をコーチ室に連れて行き、システムの前に座らせた。 
「美沙、俺が調子落としたとき、このシステムで助けてくれたじゃん。美沙のメニューと俺のメニューから、何かヒントがあるんじゃない?」 
美沙は、システムで、練習メニューやフォームのデータを検索していった。美沙の横に立っていた裕樹は、上から美沙の水着姿をのぞき込んでしまった。 
裕樹がシステムを使ったときと同じ、ブルーのマイティラインに身を包んだ美沙にふたたびときめいた。成長一途の肢体に興奮を覚えた。やはり身体のラインがはっきりと映ってる。胸の膨らみがしかり確認できる。少し割れた腹筋におへそのくぼみ。その下にハイレグで切れ上がった股間に引き締まったふともも。しかし、このときは勝手が違った。ほのかな恋心も目覚め始めていた。 
ま、まずい。このままだと・・・ 
美沙は、モニターに反射したその姿を見ていた。 
しょうがないわねえ。この状況じゃそうなっちゃうか。 
 
二人がシステムの前に座っていると、ヘッドコーチが声をかけた。 
「まだやる?帰るから。ロックたのむね」 
二人っきりになってしまった。 
 
美沙と裕樹は、2時間近くかけて、ようやく考えがまとまった。 
「とにかくこれでやってみなよ」 
「うん・・・ありがと」 
「いやあ、俺こそ世話になったから」 
美沙は少し涙ぐんでいた。 
涙が美沙の美しい頬を伝う。 
これまでストイックに努めていた裕樹だったが、熱いモノがこみあげてきた。 
もともとイケメンの裕樹が美沙の目に凜々しく、たくましく見えた。 
しかし・・・ 
美沙は目の前に、裕樹の股間の膨らみを見てしまった。 
裕樹も競泳水着の上からでは隠しようがなく、美沙に後ろを向けた。 
「もう・・・」 
美沙は立ち上がって、裕樹に後ろから抱きついた。 
「ありがとう・・・」 
裕樹はもう限界だった。さらに水着を突きやぶらんばかりだった。 
コーチ室のシャワールームへ、後ろからまわしてきた美沙の手を引いていった。 
「ちょ、ちょっと・・・」 
忘れられない彩美との初体験。 
『キスは一番好きな人のためにとっておいて。無理矢理にsexは絶対にしない。避妊は必ずね。これだけは守ってね・・・ちゃんと恋愛して』 
 
裕樹は美沙のヒップに手を回して、美沙の身体を包み、寄せていく。 
美沙はさすがに腰をひきながら抵抗する。心臓の鼓動が高鳴っていた。 
「だ、だめ・・・」 
と言いつつも、抵抗は弱い。 
裕樹は、女が本気で嫌がっているかどうかはわかる。抵抗しているようで、ぬくもりを欲していることを察した。 
美沙は簡単にシャワールームの壁にはりつけられた。 
二人の唇が重なる。 
二人にとってファーストキスだった。 
裕樹はこれまで、身体だけの関係を貫いていた。 
ここでも裕樹の血が騒いだ。ファーストキスにもかかわらず、濃厚に唇と舌を絡めていった。 
美沙はいきなりのディープキスに面食らったが、そのテクニックに酔いしれ、力が抜けていった。 
そして、裕樹の唇がうなじから首へと這っていく。 
「いや!・・・ああ・・・ううん!」 
初めてのことに、喘ぎ声はたどたどしかった。くすぐったさなのかそれとも・・・ 
裕樹の唇が、美沙の乳首を捉え、手のひらで乳房を包み込む。 
「いや!」 
美沙が裕樹を押しのける。 
 
裕樹は手を止めた。 
美沙は戸惑いの表情を見せた。 
「えっ?」 
「無理することないよ」 
この言葉で、かえって美沙の方が止まらなくなってしまった。 
美沙は裕樹に身を預けた。 
こわばって震える身体に、裕樹はゆっくりと手を回して撫でていった。 
裕樹にとって、こんな経験は初めてだった。気持ちにも何かがこみ上げていく。 
ゆっくりと愛おしみながら、美沙の全身を愛撫していった。 
全身に張り巡らされた微細な蕾が刺激されていく。 
裕樹はこれまでになく時間をかけていた。ブルーのマイティラインも堪能しつくした。 
これは処女の美沙にとっても受け入れやすかった。身体が少しずつだが、確実にほだされていった。 
そして美沙は裕樹にすべてを委ねた。 
裕樹は美沙が自分のものになることを感じ取って、股間に手を這わせていった。 
スリットの中の蕾に、裕樹の指先が触れた瞬間、美沙の身体がビクッと反応する。 
「ああっ!」 
美沙にとってすべてが初めてのことだ。裕樹のひとつひとつの指の動きに大きく身体をくねらす。 
「い、いや・・・はあ、はあ、ああん!」 
さらに、裕樹の指が、股間に入り込もうとすると、美沙は必死に太腿を閉じて抵抗し、その場に座り込んだ。これは、裕樹の思うツボだった。 
シャワールームの床で、美沙の両腕を掴み、首筋にキスをしていった。微妙な舌つかいは、美沙を溶かしていった。 
裕樹の指が肩紐にかかる。 
「いや!だめ!」 
美沙は、胸の前で両腕を交わりながら肩紐をおさえた。 
裕樹は、美沙の手のひらをつつみながら肩紐をさげていく。美沙は抵抗しなかった。 
日焼けしていない、白い美沙の乳房が露わになる。 
美沙は顔を真っ赤にして、目をつむって顔を横に背ける。 
裕樹の吐息を乳房の先っぽの蕾に感じる。裕樹は手のひらで乳房をつつみ、表面をなでるように愛撫していった。 
「いやん・・・ああ・・・」 
美沙の身体が小刻みに左右にゆれる。裕樹の手から逃れようとしても、戻され・・・ 
裕樹が美沙の乳首を頬張り、舌先で突起の先っちょを撫でる。 
「ああっ!いやん、い・・やあ・・・はあ、はあ、ああん!」 
美沙の身体が波打つ。生まれて初めて男の舌が乳首を弄ぶ。しかし裕樹の舌使いは秀逸で、処女にしてここまでの快感を得ることはないだろう。 
も、もう・・・ああ・・・こんな・・・いやああ・・・い、いい・・・? 
裕樹は美沙の乳房と乳首を堪能し、腰までずらされた美沙の水着に手をかけようとしたが、美沙は両手で乳房を隠しながら、水着を持ちあげて抵抗した。 
美沙とは、生まれたときの姿で愛し合いたいと思ったが、少し明るい中ではさすがに恥ずかしがっていた。 
いつものように、そのまま頭を下腹部から、股間へとうずめていった。 
もう、美沙の身体は男を受け入れるに足りる状態だった。 
蜜をたっぷり含んだ競泳水着の生地の上から、身体で一番敏感な、スリットの中の蕾を優しく舌先で愛撫した。 
「ああっ!いや、いやあ!・・・ああ!ああっ!・・・」 
も、もう・・・だめ・・・ 
美沙の身体にはこみ上げてくるモノがあった。少しのぼせて気が遠くなっていった。 
裕樹の動きが止まる。 
美沙はぐったりしたまま虚ろに目を向けた。裕樹が股間をごそごそしている。 
えっ、ま、まさか、今?心の準備が・・・ 
裕樹のそり勃ったものが見えてくる。 
美沙は思わず太腿を閉じようとしたが、裕樹の身体が挟まるだけだった。 
「だ、だめ。それは・・・だめ!いやだあ!」 
裕樹は美沙の水着の股間部分をずらした。 
美沙の陰部が晒される。 
しっとりと濡れた股間に、美沙は冷たさを感じた。 
しかし次の瞬間、熱い刺激に包まれた。 
「ああん!やっ、やっ、やめてえ!・・・はあ、はあ・・あ・・・」 
も、もう・・・だめ・・・ 
再び気が遠くなり、快感が突き抜けた。美沙の力が抜けていく。 
裕樹が美沙に入っていった。 
しかし、美沙の膣に激痛が走る。 
微睡みかけていた、美沙が身体をくねらし、裕樹を押しのけようとした。 
「痛いっ!・・・はあ、ああ・・・」 
そ、そうか、初めてだよな。でも、俺も初めてじゃん。処女は。ど、どうしよう・・・ 
裕樹にとって、セックスにここまで動揺したのは初めてだった。 
とはいうものの、裕樹である。そこは上手かった。血のなせる技か、痛みの中に快感を誘っていった。 
「う、ううう・・・。い、い・・・」 
美沙の声は吐息と喘ぎから、呻きに変わっていったが、 
もう私はこれで・・・という辛さと、裕樹の優しさと、大人になる感慨のような感情が複雑に相まっていた。 
痛さで気が遠くなるなかで、本当にこれでよかったのか・・・ 
裕樹も美沙が処女であることへの気遣いがなかったことを後悔していた。いつもと勝手が違いすぎる。美沙のことを気遣いながらの挿入は、膣の硬さもあって、快感がない。 
ふたりとも汗だくだった。 
裕樹はなんとかやっと射精したという感じだった。 
ペニスを抜いてコンドームを見ると、真っ黒だった。裕樹は気持ちも股間も一気に萎えた。 
ブルーのマイティラインにも、べったり汚れがついた。もう水着はつかえない。 
「ご、ごめん・・・」 
「・・・あやまることないよ・・・」 
「汚れちゃったよ。こんなことに・・・」 
「水着はもう古いからいいの。いくらでもあるから。シャワー浴びる」 
裕樹はシャワーブースから出て、カーテンを閉めた。となりのシャワーブースで身体を洗い流した。 
途中までは・・・まさかこんなことになるなんて・・・心理的にも肉体的にもつらい。処女かあ。責任感じるなあ・・・ 
うわ、すごいことになってる。・・・はあ・・・終わった。痛い・・・でも・・・これで、よかったかな。 
 
美沙はなかなかシャワーブースから出てこなかった。裕樹が外から声をかけた。 
「大丈夫?」 
「うん。先に帰って。私が戸締まりしていくから」 
「外暗いよ。一緒に帰った方が・・・」 
「いや、私、迎えに来てもらうから」 
「そう・・・じゃあ、また明日」 
「うん」 
美沙は床をシャワーで洗い流した。一面どす黒い血の色になったときはゾッとした。 
床にすわりこんだ美沙の頬に涙が流れた。 
これでよかったのかなあ・・・ショックだなあ。でも裕樹のこと・・・好きなんだよね?私。いきなりこんなことになっちゃった。古いかもしれないけど、結婚までは守ろうと思ってた。はあ・・・ 
美沙はゆっくりと立ち上がった。 
い、痛い・・・あ、歩けないじゃん。 
壁を伝いながら、がに股で更衣室へ向かった。 
 
裕樹は混乱しながら夜道を歩いていた。 
またやっちゃった。しかも処女。しかも美沙。まさか自分と美沙がこんなことになると思わなかった。これまでと違う。なんだろう。処女を抱くことは大変だった。でもそんなことじゃなくて・・・ 
 
 
翌日、美沙は練習を休んだ。 
裕樹は焦った。自分のせいか。JOまでの時間もない。どうするんだろ。 
 
美沙は、家で寝込んでいた。股間が痛くて動けなかった。 
こういうものなのか・・・やっぱ初めてだったから?腰から下が動かない。痛い・・・ 
 
 
さらに翌日。 
美沙がプールに姿を見せた。ブラックのハーフスーツを身にまとっていた。 
裕樹はプールで練習していてその姿を見ていなかった。 
キック板の前で立ち止まって見上げると、美沙の姿があった。 
美沙は同じレーンに入ってきた。 
顔をあわせず無言だった。 
美沙が泳ぎ始める。 
これまでとは見違える泳ぎだった。 
濡れそぼって、プールサイドにあがってきた美沙と、一昨日の姿がオーバーラップしても、全く別人のようだった。丈の長い黒い水着は美沙のスタイルに映えていた。 
二人は言葉は交わさなかったが笑顔だった。 
 
 
JOが始まった。 
裕樹のアゲチンぶりは、当然に美沙とて例外ではなかった。 
美沙は複数種目で優勝。 
エントリー種目すべてで、自己ベスト更新。 
その名を全国に轟かせ、ナショナルチーム入りが大きく近づいた。 
期待通りの戦績をあげた。 
裕樹も、同じくベストを更新。 
 
「やったね!」 
「ありがと。裕樹もすごいじゃない。ベスト連発でしょ」 
「なんとかね」 
「でも、ありがとう。一緒に頑張ってくれたから」 
「いやあ、こっちこそ」 
インターハイ後、遅くまで一緒に私のこと考えてくれた。 
久しぶりに、いい思いさせてもらってこっちこそありがたかった。 
少々かみ合ってはいなかったが、お互い感謝していた。 
 
帰りは一緒の電車で、リクライニングに並んで座った。 
どちらからともなく、手をつないだ。 
 
 
大会後、スクールで顔を合わせた二人は、言葉少なだった。 
 
この様子に、葉月が気づかないわけがなかった。雰囲気もそうだったが、美沙のインターハイの苦戦から、JOの快進撃の影に、裕樹のアゲチンぶりを十分に予想できた。 
美沙は笑顔にあふれ、かわいらしさも美しさも増している。色っぽさといってもいい。これまで男どもを袖にしていた雰囲気とは大きく違っていた。 
 
確実だな。白状させてやろう。当然にこっちからだな。あいつが口を割るはずないし。 
 
スクールの帰り道、 
「みーさーちゃん」 
葉月のねこ撫で声に、美沙は背中がゾクッとした。 
「お疲れ・・さま」 
葉月は無言で、美沙の横を歩いていた。 
美沙がチラッと横を見ると、葉月がニヤニヤ笑っている。 
美沙は器用なタイプではない。身体に緊張が走って行く。 
葉月ちゃんって、裕樹と私が来る前から友達だったっけ。まさか裕樹から? 
「聞いちゃった。お幸せに」 
と葉月は、早足で去ろうとしたが 
「まって!ど、どこまで聞いたの?・・・なんで裕樹、話しちゃうんだろ」 
「裕樹からは何も聞いてないよ。あいつがそんなこと他人にしゃべるわけないじゃない。今、美沙ちゃんから聞いちゃった。『裕樹』だって。もおー、やだー」 
美沙は目を見張った。 
は、はめられた・・・ 
「もう・・・酷いよ」 
「何も私、酷いコトなんて言ってないよ。ただねえ、ちょっと心配。あいつ、女ったらしだよ。何が目的やら」 
美沙は少し怒りながら 
「そんなことない!すごく誠実よ。ほんとに・・・私、嬉しかった。感謝しているし・・・」 
別のこともよかったんだろうな。あいつの真実の姿知ったら・・・。まあ、あいつならうまくやるよな。 
「よかったじゃない。水泳も、こ・い・も、うまくいって」 
「もう・・・」 
 
 
JO終了後、美沙がいたスクールの支店から、2年生の女子が移籍してきた。 
 
葉月と美沙が名簿を見ていた。 
「この時期に移籍してくるのかあ」 
「あれ、遙佳(はるか)じゃない・・・どうしたのかなあ・・」 
「どうしたの?何かあるの?」 
「そういうわけでもないんだけど・・・いい子よ。水泳も強いし」 
「そうなの。何かありそうな言い方だったけど」 
「そんなことないよ」 
何かありそうね。 
 
遙佳が姿を見せ、練習を始めていた。美沙の練習パートナーになった。 
男子選手達の視線が、遙佳の方を向き始める。なにげにチラ、チラと見ていた。 
 
あの子が遙佳さんか。体格がいいなあ。彼女も全国クラスの選手よね。美人、というかオーラがあるなあ。それと・・・ 
葉月はなんとなく気になることがあったのだが・・・ 
 
 
美沙はその後も好成績を連発し、日本選手権クラスの大会にエントリー。 
遠征が終わると遙佳とのトレーニングになり、裕樹との時間は、ほとんどとれなくなっていった。 
 
美沙がスクールに顔を見せなくなった頃から、急にタイムアップしていく男子選手がいた。コーチは男子の躍進によろこんでいた。 
葉月は、男子を見ていて、成績が良くなった選手になにか共通点があるような気がしていた。しかし、最近始めたモデル業でバタバタしてたため、気にしていられなかった。 
 
 
美沙が試合や合宿を終え、スクールに顔を見せるようになった。 
やっと裕樹と美沙は、話せる時間ができた。しかし恋愛に進展がない。二人ともどうしたらいいかわからず、デートに誘うのもままならない。 
 
やっと、二人は一緒に帰る時が見つかった。これまでのことに話がはずむ。 
ここでわかれるというところで 
「まだまだ話したいよね」 
「うん。いっぱい話したいことある・・・うちに来る?」 
 
美沙は部屋に裕樹を招き入れた。 
長く女子と接してきた裕樹だが、女の子の部屋に入るのは初めてだった。全体にパステルブルーだった。 
団地住まいの裕樹にとっては新鮮だった。 
二人は話が尽きなかったが・・・自然と肩を寄せ合った。 
そして・・・ 
暗い部屋のなかで、裕樹は美沙をペッティングで火照らせながら、ジャージと下着を剥いでいった。 
ムードは高まっているはずだが・・・美沙の太腿を開き、いざ挿入となっても・・・勃たない。 
あ、あれ・・・どうなってる!こんなに最高のシチュエーションで・・・ 
汗が流れてくる。しかし、どうにもならない。 
美沙も火照りが醒めてきた。 
・・・だめ、なのかな?どうしちゃったんだろ。 
裕樹は美沙と目があった。 
「な、何かおかしくて・・・体調悪いのかな。ごめん・・・」 
「謝ることないよ。なんか寒くなってきた」 
美沙は服を羽織った。 
 
しばらくしゃべってから、裕樹は美沙の家を出た。 
ばかでかい家だったなあ。リビングがうちんちの広さだよ。あーーーー、落ち込むなあ。何で?考えたら、こういうまともなシチュエーション初めてだよな。たまたまかなあ。 
 
はあ・・・何か・・・中途半端というか、消化不良というか・・・体調悪いっていってたなあ。そんなものなのかな。さあ、明日から練習だ。 
 
 
美沙は、翌春に日本選手権があり、学校とスクール本部、練習会との往復でスクールに顔をださなかった。進学は選手生活を優先できる私立高校、埼京女子高校に推薦が内定していた。 
裕樹は進路のことで余裕がなかった。私立のKS学園を希望していて、学力的には十分なものの家庭事情からまともに費用負担はできない。公立校は裕樹にとって質が劣った。成績はトップクラスではあったものの、KS学園の特待生には一歩足りず焦っていた。なかなか成績があがらない。 
葉月はスクールに来ていたものの、同じく受験と「リフレ」の撮影で、慌ただしく過ごしていた。裕樹と同じKS学園とはいうものの、香奈恵の塾での成果で成績をあげ、金銭面の問題もなかった。 
年末まで三人は、ほとんど顔を合わせることがなかった。 
 
 
スクールで練習納めがあり、裕樹と美沙が後片付けをしていた。 
「後任せていいかな?」 
と言って葉月が帰って行った。 
一緒に過ごす時間なかっただろうな。ゆっくり話しなきゃ・・・ 
 
「大変な一年だったなあ」 
「いろいろありがとう。学校も決まったし」 
「いやあ、俺の方こそ・・・でも学校はまだなあ」 
プールサイドで、裕樹は美沙の腰に手をまわし、競泳水着の上からヒップを撫でていこうとした、が 
「ちょ、ちょっと!やめてよ。こんなとこで。今、水着じゃない」 
「えっ、あ、ああ・・・」 
「・・・明日、うち、大丈夫だから、ねっ」 
美沙は微笑んだ。目線を少し下げると、裕樹の股間の膨らみが確認できた。プイッと顔を赤らめて、横に向けた。 
「ここは大丈夫だから」 
「もう!へんなこと言わないの」 
と小走りで去って行った。 
最初プールで、水着でやってたかなあ。 
少し、いや、これまでのことから、かなり裕樹はズレていた。 
 
 
はあ、緊張するうう。これって、勝負下着っていうのかな。こんなの初めて買っちゃった。ちょっと恥ずかしいけど。 
パープルのサテン地、横は1センチ。ヒップはシャギーで割れ目に食い込み、ところどころレースづかい。ブラもキャミソールもおそろいだった。 
 
約束の時間に、裕樹は美沙の家にやってきた。 
部屋に招かれ、お茶をしながらたわいない話をしていた。 
お互い目的はひとつだが、美沙は過緊張。裕樹は過余裕? 
裕樹が美沙をベッドに寝かしていく。 
美沙がそろえたセクシー下着を見るが、裕樹はなかなか熱くならない。 
美沙はすでに火照りまくっていた。 
入念に前戯をして、美沙は喘ぎ声をあげていた。 
パープルですべすべのショーツをおろしていき、さあ・・・ 
あ、あれ、また、なんで・・・ 
汗を流しながら、美沙の股間にペニスをあてがっても、挿入できる硬さにならない。裕樹は焦るばかりだった。 
美沙はモゾモゾするものを感じながら、裕樹のモノが硬くならないことに気づきはじめた。 
・・・どうしたのかなあ。こういう下着でもだめなの?それとも? 
「ご、ごめん。体調は悪くないはずなんだけど・・・ひょっとして・・・一度、競泳水着着てくれない?」 
「はあ?何で競泳水着なのよ!自分が頑張ってるスポーツの道具をエッチに使うなんて」 
「い、いや、俺にもよくわかんないんだ。実はこれまで・・・」 
競泳水着でしかセックスをしたこがないことを言って、美沙はドン引きだった。しかも焦ってこれまでのことを少し話してしまい、あきれられた。 
だったらということで、美沙は去年のスクールのチームウエア、パープルのアクアブレードを着て、裕樹の前に立った。 
裕樹の股間が熱く盛り立った。 
「やっぱそういことかあ。じゃあ・・・」 
「バカ言わないでよ!競泳水着でエッチなんて嫌よ!」 
と言ってスエットとトレーナーを着た。 
「もう・・・さすがにそれは・・・また、ねっ」 
「うん。俺もまさかこんなこととは・・・」 
気を取り直して、暫くおしゃべりしてから、裕樹は美沙の家を後にした。 
 
まいったなあ。溜まりに溜まって、やっとと思ったら、まさかこんなこととは・・・。でも、俺、どうしよう。こんな性癖があるなんてわかんなかったよ。 
あんなに、すげなくしなくてもよかったかなあ。競泳水着で、っていうのはちょっとびっくりしちゃった。変態?っていうほどでもないか。これまで時間なくて、タイミングだったかなあ。使ってない水着だから、許してもよかったかな。 
 
 
二人ともバツが悪く、連絡がとれないまま新年がスタートした。 
 
美沙は気持ちを切り替えて、スクール本部での練習に励んでいた。 
しかし、裕樹は年末の出来事をひきずっていた。 
美沙はどう思っているのか?もうだめなのか・・・ 
競泳水着フェチ?そんな性癖が? 
KSの特待生は今の順位では無理だ・・・ 
裕樹は混乱の渦に落ち込んでいた。 
 
 
↓ 続編追加: 2017.11.23 ↓ 
 
 
裕樹は気分転換にスクールへやってきた。 
裕樹の苦境を知るヘッドコーチが、春からコーチのバイトを提案してくれた。 
非常にありがたい話だった。二つ返事で引き受けた。が、それだけでは到底、学費は賄えない。 
裕樹は着替えてプールに飛び込んだ。 
練習は終了していて、自主練だった。 
「裕樹せんぱ~い。初めましてえ。遙佳って言います。活躍聞いてまーす。受験大変なんですねえ?」 
「いやあ、少し気分転換。なかなか・・・今さら感もあるけど」 
「・・・そっかー。でも、もうちょっとなんでしょ」 
「そのちょっとがねえ・・・」 
と言って、再び泳ぎ始めた。 
「ふふ、大丈夫ですよ」 
遙佳は妖しい声で囁いた。 
 
気がつくと、裕樹はプールに一人でいた。 
プールサイドにジャージを羽織った遙佳が立っている。 
「最後私たちでーす。コーチ先に帰りましたから、閉めるの手伝ってもらっていいですかあ?」 
裕樹はプールから上がって、遙佳と一緒に器具を片付けて、男子更衣室に入っていった。 
そして、遙佳が小走りにその後を追っていった・・・ 
 
 
2月の終わりになって、久しぶりに美沙がスクールへ戻ってきた。 
大会に向けてのコンディショニングのため、家の近くで練習することになった。 
遙佳がロッカーで他の女子とひそひそ話していた。 
いつものことか、と思って通り過ぎようとしたとき、 
「裕樹先輩・・・もう、すごかった。この私が腰抜かした」 
「ええ、そうなの?あんた、相手してもらったのかあ」 
「彼ったらねえ、もう、水着の上に大量にだしちゃって・・・私の女もなかなかでしょ」 
「すごいね、遙佳ったら」 
「わたし考えられない」 
 
裕樹、遙佳と・・・私とはダメだったのに? 
プールに出ると、葉月がベンチに腰掛けていた。美沙が来るのに合わせてやってきた。 
「調子はどう?体調壊してない?」 
「泳ぎと体調はいいけど・・・ちょっと気持ちが・・・」 
「何?落ち込んでるの?何かあった?」 
「今ちょっと、ロッカーで・・・」 
 
「あいつよりによって・・・しかも・・・何で?あんたらつきあってたんじゃないの?」 
「そう思うんだけど」 
「美沙もあの子の素性知ってたんでしょ。秋頃から男子選手がタイム上げ始めて何なのかと思ってたのよ。遙佳って子が食ってたって。それでもって『あげまん』だとか。そうはいっても、男連中は冬頃に頭打ち。一度食った男は相手にしない。とんだヤリマンだって」 
「まあ・・・前に、私に告った子や振った子を相手に・・・それで、私がこっち来たから」 
「裕樹の女版かあ」 
「葉月ちゃん・・・それどういうこと」 
「あっ!」 
しまった、という顔をしてしまった。 
「裕樹が遙佳と同じなの?どういうこと?・・・知ってるのね」 
トップスイマーになって美沙は眼光鋭くなり、葉月を威圧した。それでいてその奥は泣きそうになっていた。 
今回のこともあって、葉月はすべてを美沙に話した。 
「私も大勢のうちの一人か」 
「そんなことないと思う。これまでとは明らかに違うよ。でも、どうしてあの子に・・・」 
「もう・・・いいの。もう裕樹とはムリ」 
美沙はすっかり肩を落としていた。 
 
 
翌日から、美沙は再び本部へ通った。裕樹と顔を会わしたくなかった。 
 
葉月はスクールに裕樹を呼び出していた。 
「あんた、どういうことよ!また?しかも、遙佳って!」 
「なんでそれを?」 
「遙佳が言いふらしてるわよ」 
「はあ?普通言いふらすか?」 
「あの子は普通じゃないのよ。知らなかったの?」 
「美沙以外のことは、これまで見えてなかったから・・・」 
「それなのに、なんでこんなコトになったのよ!美沙、泣いてたよ・・・」 
「実は・・・」 
 
 
遙佳とスクールの片付けを終えて、裕樹は男子の浴槽で身体を温め直していた。 
そこに水着姿の遙佳が現れ、裕樹の隣に入ってきた。 
「何やってんだよ!男子風呂に来て」 
「女子のほうは落ちてたんですよ。一緒に温もりましょ」 
と言って、横にぴったりくっついてきた。 
裕樹はそれから逃れようと移動していったが、遙佳はぴったりとひっついたまま追いかけてきて、端っこに追い込まれた。 
裕樹は風呂からあがろうと思ったが遙佳が前に被さってきた。 
「ど、どういうつもりなんだよ」 
「もう、女の子からせまってるのに、そんな態度・・・悲しいな」 
「何言ってんだよ、さあ、もう・・・」 
遙佳は、ゆっくりと身体を裕樹にすり寄せてきた。 
裕樹の目の前に競泳水着に包まれた大きな乳房の盛り上がりが見えた。 
さすがに、股間が熱くなってきた。 
遙佳は裕樹の股間に下腹部を擦りつけて前後に動く。 
しかし、ここで裕樹は自制心がはたらいた。 
「ハイハイ、終わり」 
裕樹は遙佳を押しのけようとした。 
裕樹が誘いに乗らないことで、遙佳のプライドに火をつけてしまった。 
裕樹はのっかていた遙佳を力ずくで押しやろうとしたが、遙佳は170センチを超える身長で体格も裕樹とそれほどかわらず、寝転んだ姿勢からはさすがにそういかなかった。 
風呂の中ほどでバランスをくずし、風呂に頭を沈めてしまった。 
あわてて、肘で身体を支えたが、身動きがとれなくなった。まわりに掴むところがない。 
しめた! 
遙佳は、裕樹の太腿の間に入り込み、股間を愛撫し始めた。 
「わあ、やめ・・・あっと」 
遙佳の手を止めようとすれば、身体を支えている腕を外さなければならないが、そうすると溺れてしまう。遙佳のなすがままだった。しかも・・・ 
う、うう・・・なんだ、こいつ・・・うますぎる・・・ 
裕樹の女版はだてじゃなかった。遙佳の指使いは秀逸だった。ソフトタッチで人差し指と親指をつかって、ペニスを挟みながら、カリ沿いや陰嚢から裏筋を攻めてくる。 
「ああっ!やめっ・・・」 
「もう、気持ちいいくせに・・・ふふふ」 
裕樹のブーメランパンツは、はち切れんばかりだった。 
パンツに遙佳の手が掛かる。 
「もういいよ。やめ・・・お、おい!」 
裕樹のペニスが晒された。 
そして、裕樹は生まれて初めて、女の唇と舌をペニスで味わうことになった。 
遙佳は、裕樹の亀頭にキスをしてから、舌先で先っぽから、裏筋をチョロチョロと舐めた。 
「ああっー!・・・うっ、ううっ、あっ・・・」 
裕樹の亀頭の先から、透明の液体が溢れる。 
「もう、身体は正直ねえ。さあ・・・これからですよ」 
遙佳の舌が、ペニスのくびれにそってチョロチョロと舐めながら一周していく。 
こ、こんな・・・ああっ・・・口でされるなんて・・・たまらねえ・・・ 
遙佳が裕樹の竿をしごきながら、亀頭を咥え混んだ。亀頭を舌でなめまわす。 
な、生暖かさが・・・あっ!あ、あ、ああ、ああー・・・ 
遙佳が口を前後に動かす。唇がカリ首を刺激し、そして・・・ 
「ああっ!い、い・・・く・・・はあ、はあ・・・」 
裕樹は遙佳の口の中で発射した。裕樹にとって最大の不覚だった。人生最短時間の射精だった。 
遙佳は顔を裕樹の顔に近づけ、目の前で精液を唇から垂らした。 
「もう、お口にこんなにたくさん出しちゃうんだから・・・先輩ったら」 
「はあ、はあ、何言ってんだよ。こんなことして・・・」 
「何がこんなことよ。気持ちよかったくせに。恍惚とした表情してましたよお。きれいにしあげますね」 
裕樹の小さくなったペニスについた精液を、ペロペロと舐めた。もう一度大きくなってきた亀頭を咥えて、きれいに舐め上げた。ペニスの表面が光っていた。 
「やだあ。また元気になって。まだ出したりないんですか」 
遙佳は持ってきていた巾着袋から、コンドームを取り出した。 
裕樹は風呂のなかで、後ずさっていった。壁沿いにある段差に座ったがこれがまた失敗だった。 
遙佳は、裕樹にまたがって乗っかってきた。 
すばやく裕樹のペニスにコンドームをつけて、自分から挿入させた。 
しかし今度はヤリチン裕樹のプライドに火がついた。 
遙佳は、上下に身体を動かした。裕樹はうまく遙佳のポイントにペニスを擦りつけた。 
「ああっ!いやん、いいっ!あん、あん・・・」 
な、何?これ・・・なんでこんなに・・・ 
遙佳は突き抜けた快感に気持ちが緩んだ。裕樹は遙佳を身体から離し、抱き上げて風呂を出て、ストレッチマットにリナを寝かした。 
遙佳の首元に舌を這わせながら、乳房を愛撫し、乳首に指先のテクニックが炸裂した。 
そして、遙佳の乳首に裕樹の唇と舌先が踊る。 
「ああっ!いやあっ、だめえっ!ああん、あん、あん、ああっ!」 
これまで、男に快感を味あわせてきたが、味あわされるのは、実際初めてだった。しかも裕樹だった。完全に返り討ちに遭った。裕樹にとって容易い相手だった。 
裕樹もこれまで、冷静に女を観察しながら、エクスタシーを与える、余裕のあるセックスをしていた。しかしこのときばかりは遙佳のやりように冷静さを失った。 
遙佳を返り討ちにして、男として征服することに夢中になった。 
美沙とも疎遠になっていて、溜まるモノも溜まりきっていた。成績の苦しみもあった。それをすべてぶつけにいった。そうはいっても、父親の血が騒ぐ。如何せんまだ中3の裕樹は未熟だった。冷静さの部分を欠き、テクニックが本能的に炸裂した。 
「ああんっ!いやあ!だめえ!あっ、あっ・・・」 
裕樹は遙佳の陰部にしゃぶりついた。他の男達とちがって、がっつかず、丁寧に大陰唇のまわりを舌先で細かく上下にくすぐり、そのまま小陰唇から膣のまわりに散らばる小さな蕾を開いていく。 
遙佳の経験にない快感が走った。 
ああ・・・もうダメ・・・イク・・・ 
「ううう・・・はあ、はあ」 
いつもの遙佳のフィニッシュは、激しく喘ぎ、イキッぷりを演出して、男を震え立たせていたが、すでに力果てて、演技の余裕はなかった。 
しかし裕樹は容赦なかった。 
遙佳の腰を持ち上げ、ペニスを挿入し、Gスポットを刺激する体位で、さらに攻めた。 
遙佳の腰を前後にゆすりながらピストンした。 
「ああっ・・・もう・・・だめえ!ああっー!!」 
息絶え絶えに絶頂を迎えた。 
遙佳は仰向けのまま、グッタリと寝転んでいた。 
裕樹は遙佳の水着をきれいに直してやり、コンドームをはずし、遙佳の水着の上に放り投げた。精液溜まりにはなにもなかった。 
「こんなとこにいつまでも寝てたら、風邪引くぞ」 
と言って更衣室に入っていった。 
遙佳にとっては屈辱だった。遙佳は徹底的にいかされ、裕樹はいかなかった。完全に負けだった。しかし遙佳はそもそもの目的だった裕樹のヤリチン封じに成功した。遙佳は話を盛って、あることないこと女子選手に吹聴していた。 
 
 
コトの顛末はともかく、葉月にこんな中身を話せない。 
「遙佳が、男子更衣室に入ってきて・・・誘われて、どうにも・・・」 
「よしんば遙佳の方から誘ったからって、男が襲ったわけじゃなし、断れたでしょ」 
「いや・・・なりゆきが、どうにも」 
「何がなりゆきよ。あんた、美沙が悲しむ・・・そうよね!あんたはそれがわからないのよね!身体目当てだもんね」 
「いや、美沙のことは・・・」 
「もういい!」 
 
葉月は、更衣室に戻った。遙佳を含めて女子選手が何人かいた。 
「ねえねえ、葉月。遙佳が裕樹と・・・」 
「だって、あいつ、1人や2人じゃないらしいよ。100人斬りとかって」 
「えっ、そうなんですか。道理で・・・納得できるなあ」 
「そうそう、みんな気をつけなきゃ」 
「でも、裕樹先輩なら・・・私、あげてもいいかな」 
「そういうのだったら、試してみても」 
「遊びで終わるよ。何百人も泣いたんだから。」 
葉月によって、『裕樹の百人斬り』が話を盛られて吹聴された。 
美沙の耳にも、女子選手達の話は伝わっていった。 
 
 
美沙は裕樹と会っても、これまでどおりに話すことはなかった。 
美沙は、裕樹にとって生まれて初めて離れたくないと思った女の子だった。 
自分のヤリチン経歴が災いして、美沙を傷つけた。 
しかし裕樹は進路のことで、頭がいっぱいだった。。 
が、KS学園の特待生辞退者があったのと、直前の試験で好成績をあげて、合格を果たせた。 
これは、ある意味、遙佳のおかげでもあったのだが・・・ 
 
 
不覚だった・・・頭に血が上った。でも、これまでの自分の行いが原因だ・・・もうこんなことはダメだ。 
裕樹にとって大きな人生の屈曲点となった。 
そして、遙佳の口でいってしまったことが、後に裕樹のフェラ嫌いの原因になった。、 
 
 
再びここから1年が経ち、元に戻って、3月末。 
 
都内のレストランで樹里に香奈恵と、友華、佳奈、葉月の5人が円卓を囲んでいた。佳奈が驚いた表情で、 
「エッ、香奈恵さん、神戸に行っちゃうの!」 
「正規の研究員で採用されたの。今、ダンナより私の方が収入上だから、家族で行くことにしたの」 
「寂しくなるよう・・・」 
「そんな泣きそうな顔しないでよ葉月ちゃん。仕事で週に1回はこっちに来るわよ。いつでも会えるわ」 
「ほら、すごいのよ。これ見て」 
樹里が差し出したペーパーを友華が手に取った。 
「・・・教育大学・・・准教授!すごい!」 
「あなたたちのおかげでもあるのよ。カウンセリングに取り組んだ臨床例が、他のケースにも役に立って、研究成果が認められて博士号がとれたの。事件に向き合って、わたしに助けを求めてくれて、他の被害者も助かったわ」 
「それは私たちが感謝するほうで・・・」 
「私に代わって、KS学園にカウンセラーが来るから。樹里と私の共通の友人。私の共同研究者が彼女の友人でね」 
「女子体育大出身。元水泳選手よ。インカレでいつも一緒だったの」 
「あなたたちのことも話してあるから。困ったことがあったらいつでも相談すればいいわ。」 
「でも・・・やっぱり・・・」 
寂しさを隠せない葉月を見て、友華が 
「スマイルスマイル。お祝いなんだから。でも、私も寂しいな」 
 
 
同じ頃、裕樹に1本の電話。 
「あれ、電話なんて珍しいね。頼み?・・・そうなの、と言われても何すればいい?・・・そうか、まあ注意して見とく。何かあったら連絡する。女子部員にも言っておくから」 
しかしながら、新学期になって、裕樹はこの電話の件をすっかり忘れてしまう。新入生の姿を見て・・・ 
 
 
新学期のプールサイド。 
まず、一人の女性が紹介された。 
「学園のカウンセラーで、水泳部のフィジカルトレーナーになりました植松恭子です。よろしくお願いします」 
恭子の夫は、公営レースのスター選手になり、月に二十日は家を留守にしていた。2人の子どもが大きくなり、子育てが一段落したところで職に就き直した。子育て中に大学院を卒業し、臨床心理士になった。自分の身に起こった事件と、水泳選手の経験を生かそうと思った。 
 
恭子の後、美沙と新入部員が一列に並び、紹介された。 
11人の男子、8人の女子と最近では一番人数が多かった。 
 
一番背の高い1年生女子部員を見て、裕樹の顔が青ざめた。男子部員と変わらない背丈。遙佳だった。 
葉月も怪訝な顔をして、裕樹の表情を見逃さなかった。 
美沙は全く気に留めることなく、同じ列の一番上手に並んでいた。 
 
「こういうこともあるのね」 
「何でだよ・・・」 
「悪い子じゃないよ。まあ、あんたは自然体でいるしかないよ」 
「友華先輩にこのことまでばれたら・・・破滅だあ!」 
「先輩はこんなことで、なにも思わないよ」 
「美沙に続いて、遙佳までとはなあ・・・」 
「身から出た錆」 
「今頃になって、なんで錆びつくんだよ・・・」 
 
 
そして、うつむき加減に、暗い表情で佇む小柄で細身の少女がいた。 
 
 
↓ 続編追加: 2017.12.24 ↓ 
 
 
 
KS学園のユニフォームは今年から男女とも同デザインとなった。シンボルカラーのコバルトブルーをベースに作成された。FINAモデルのミズノのアクセルスーツ、ウオータジーン、マイティラインのハイカットとハーフスーツが選択できた。 
大量発注のため、安価に調達し、試合、練習用問わず購入でき、試合用は新たに作成されたマークが施された。選手によっては契約メーカーからの供給となっていた。ジャージ類も新入生からは全校統一のオーダー品に「SWIMTEAM」の文字が入った。 
 
 
KS学園水泳部の活動が開始した。 
 
「先輩!ご無沙汰してました!」 
「久しぶりだね。うちに来たんだ」 
「はい!バカだから、結構頑張ったんですよ」 
「よくそんなこというわね・・・まさか・・・美沙をおっかけて、とか?」 
「どうして私が美沙先輩を追っかけるんです?」 
「いや、まあ・・・」 
「とにかくよろしくお願いしまーす!」 
遙佳は葉月の質問に気を止めず、プールへ向かった。 
 
遙佳が去って行くのを見ていた葉月の後ろから、小さなため息が聞こえた。 
振り返ると、小柄な部員が水着の上からジャージを羽織って立っていた。 
「えっと・・・陽葵(ひまり)ちゃん、だった?どうかした?大丈夫?」 
「・・・ハイ・・・」 
とだけ言って、葉月の前を通り過ぎていった。 
今年の新入生は個性的?かな? 
 
部員は目新しい競泳水着を身にまとっている。ほとんどの部員は練習にプリント柄のトレーニング水着を着ていた。月も、レッグタイプに抵抗感がなくなってきていた。もっともこれまでのチームウエアに重ね着をしていて、オリーブカラーの肩紐が見えていた。もともと生地の厚いトレーニング水着なので、重ね着している選手は少なかった。 
しかし、もう一人、同じく重ね着の部員がいた。黒い肩紐と生地が水着の縁からのぞいていた。 
「月はともかく、あのトレーニング水着って重ね着タイプだった?」 
「いや、あのモデルは違いますよ・・・寒い?こともないですよね」 
佳奈も葉月も、少し首をひねった。 
他の部員は、陽葵の重ね着にたいして気をとめてなかった。 
逆に通常タイプのヌメリと光沢を放つやや使い込まれた、グレーでロゴデザインのnuxを着た女子部員がいた。水着が大きな体格を包み、はち切れんばかりにボディラインがハッキリして、豊かなバストとバストトップが目立ち、ヒップもしっかりくいこんでいた。 
遙佳の姿に男子部員の視線が泳ぎ気味だった。 
「まあ・・・ダメではないけど・・・大胆というか」 
「相変わらずだなあ。男子の視線が集まってますね」 
 
男女別、タイム別に各レーンに分かれて練習を始めた。 
1年生男子は「KS学園5泳傑」と称される全中、JO全国経験者の5人、智也、崇大(たかひろ)、諒太朗、雅弥、和将(かずあき)が注目されていた。そこに2年生の裕樹を含むインターハイ組。 
1年生女子では、小さくておとなしい少女が先頭を切って泳いでいた。それに続いたのがムッチリして艶っぽい女だった。2年生は葉月がひっぱっていた。友華も葉月と有力メンバーの練習についていった。ここしばらくで一番伸びていた。美沙とトップクラスの選手は強化合宿を控え、完全別メニューの調整をしていて、周りを気に留めていられなかった。。 
息を切らした友華がプールサイドのベンチに座った。 
「1年生はさすがね。小っちゃい子は水を得た何とか。あの子はパワフル。対照的ね」 
「線は細いけど、筋力ありそうですね。水とけんかしないタイプ。遙佳は体躯がいいから」 
「遙佳・・・知ってるの?」 
「スクールが一緒だったんです。葉月も美沙も」 
「そうだったの・・・」 
友華が裕樹を怪訝な目で見つめた。 
裕樹は少しあせった。 
「なんですか?」 
「べーつにーい~」 
と、言って、友華は練習に戻った。恐るべき女の勘、というか、まず疑うだろう。 
まあ、驚かないわ。何かあっても、過去のことは仕方ない。 
勘ぐられてるな。さらっと流してたけど。あんまりいらないことは知られたくないなあ。 
 
陽葵(ひまり)はプールから上がるとすぐに大きめのセームでVラインを隠し、肩紐にも引っかけて隠した。ベンチに座るとジャージを羽織っていた。月ですらそこまではしていなかった。 
遙佳は、プールサイドにあがると、プールに背を向けたまま、半分以上ヒップに食い込んだ水着を指を大きく使って直していた。濡れそぼった姿で、ベンチに座り、陽葵とは対照的だった。 
「陽葵、調子いいみたいね」 
「・・・遙佳も。スクールで順調だった?」 
「うん。美姫も未來(みく)も元気だよ。ところで、美亜はどうしたの?なんか中央やめちゃったって?」 
「・・・そう。入学した年の2学期に突然・・・。引っ越しちゃって連絡もとれない」 
「そっか・・・ほのかは元気?」 
「・・・ほのかは去年部長。そのまま高等部に行ったわ」 
「彼女は順調だね。リーダータイプだもんなあ」 
陽葵と遙佳は小学生のころ、スクールでチームメイトだった。陽葵は中央女学院の中等部に進学し、スクールから離れた。そして系列校のKS学園に将来の進路のため入学してきた。小学生まではスクールの選手コースに在籍し、遙佳、ほのかとともにエース3Hと呼ばれていた。1年下の美姫、未來(みく)、美亜はスクール時代の後輩で、エース3美と呼ばれていた。遙佳は美亜の行方がわからず心配していた。 
 
 
練習後の部室。 
1年生男子では、遙佳が話題になっていた。 
「身体のラインがもろわかりだったな」 
「目の保養というか、明日からはどうなんだろう。たまたまかな?」 
「ムッチリしたスタイルもいいな。なかなかあんなオッパイは見れないよ」 
「おかず、おかず」 
「水泳部にいる甲斐があるわ」 
2年生はやはり月だった。 
「やっぱり清楚なところがいいよな」 
「重ね着してるって、恥ずかしいんだよな」 
「トレーニング水着脱ぐところがみたい」 
「お前、スケベにもほどが」 
「裸ってわけじゃないからいいじゃん」 
しかし、後輩達が先輩達を馬鹿にするように・・・ 
「子どもですか?」 
「幼児体型好き・・・ロリ?」 
「おまえら欲情しやがって」 
「水泳選手はストイックでないとつとまらないよ」 
「選手だって男です」 
「でかいオッパイがいいよな」 
「ちっぱいだよ!」 
1、2年生入り乱れての激論となった。 
 
「練習の初っぱなから色づくなよ」 
と裕樹が割って入ったが、 
「先輩が言わないで下さい」 
「百人も女食った色男と俺たちは違うんですよ!」 
「水泳漬けの間のささやかな楽しみなんです」 
「ああ、月先輩の、小さな乳首をレロレロしたいなあ・・・」 
「お前何ふしだらなこと想像してるんだ!」 
「遙佳ちゃんのオッパイ揉んでみてえ」 
「体中しゃぶりつくしたい・・・」 
裕樹はあきれて、部室を後にした。 
水泳さえ頑張ってくれればいいか・・・ 
 
さらに女子部員の話題は続いていた。 
「佳奈先輩はミニマムでアニメ声だな」 
「俺は葉月先輩がかわいいと思うな」 
「美沙先輩は身体はがっちりしてるけど、顔はかわいらしいな」 
「友華先輩はクールでおとなっぽいなあ」 
「君ら、練習初日からそんなことばかり考えてたのか?しっかりたのむよ」 
僚太が横から口を挟んだが、 
「先輩はかわいい彼女がいるからそんなことが言えるんですよ!」 
「思春期の男子が、女の子に目が行くのは当然です」 
「それくらいがささやかな楽しみなんです・・・僚太先輩、佳奈先輩とは・・・」 
「予備校予備校。受験生は大変だあ」 
と言って僚太は逃げていった。 
しかしながら、男子部員の心の底で気になっていた女子部員は、1年生で一番速い小柄でおとなしい少女だった。 
 
 
さて、男子部員が期待していた翌日、期待通りの光景が見られた。 
さすがの裕樹も驚いていた。 
「あいつ、セパレーツ!いくらなんでも・・・友華先輩、いいんですか?」 
「だ、大胆ね」 
「でも、競泳用のトレーニング水着ですよ。浮力なくて、抵抗できるみたいです。おへそ出すのは勇気いりますね」 
「そうなの?」 
「ええ、スクールや強化合宿なら結構使ってる選手いましたよ」 
「美沙さんなら詳しいか。遙佳ちゃんに比べると陽葵ちゃんは対照的ね」 
「なくもないんですけど、厚着してますね」 
「月のほうが以前に比べれば吹っ切れた感あるなあ」 
 
 
4月のオリエンテーションと仮入部期間が過ぎKS学園グループとその提携校のGW合同合宿が始まった。 
 
 
合宿の参加人数が多くなったため、貸切の50Mプールを併設している合宿用宿舎が手配された。埼京女子、中央女学院の部員も到着した。美沙が埼京女子の部員と談笑していた。その横で、陽葵が中央女学院の部員に笑顔を見せていた。 
彼女の笑顔見るのは初めてだな。母校が恋しかったのかな? 
美沙は少しホッとしながら、陽葵を眺めていた。 
 
笑顔が見られた光景を見て、裕樹は少し青くなっていた。 
うそだろ・・・中央女学院て・・・優菜(ゆな)じゃないか!あっ!忘れてた。春に電話もらったんだ。そいういえば、あの子のことだ。よく見てなかったなあ。今は笑って元気そうだな。後で優菜に詳しく聞いてみるか。 
 
初日は移動のため夕方に軽くトレーニングを行った。夕食をすませて、入浴後、各部屋に戻った。部屋はベッドタイプで、二人、四人、八人部屋とあった。男子は僚太と裕樹が二人部屋。あとは適宜割り振られた。 
 
宿舎の外で裕樹は優菜と、陽葵のことを話していた。 
「私にべったりだったのよ。中学のときから見てるけど、入学したときから何かねえ?抱えてるモノがあるのかなあ。進路のためだけど、KS行くときに泣いてもう大変だったの」 
「女子部員からは笑顔を見たことがないとか聞いたな。まあ合宿は優菜がいるから・・・」 
「いつまでもひきずってたらダメって、さっききつく言ったのよ。この合宿を機会にKSの女子部員となじまないとね。でも、ちょっと不安はあるから」 
「わかった。女子部員に相談しておくよ」 
「で?また、何人か食うわけ?身体貸してあげてもいいよ」 
「何言ってんだよ。もうそういうことはしてないよ。つきあってる子がいるからな」 
「あら、残念、とか言っちゃったり。落ち着いたの?じゃあ頼むわね」 
 
一方、宿舎のロビーでは、遙佳が中央女学院の女子と話していた。 
「ほのか、久しぶりだね」 
「遙佳は元気にしてた?」 
「元気元気。ただねえ、心配なのが・・・」 
「・・・陽葵ねえ。中学に入ってからあんな感じなの。先輩達がすごくフォローしてくれたんだけど」 
「それと美亜は?1年のときに転校したって?」 
「ちょっと・・・事件があったらしいの」 
「事件!何が?」 
「私たちには知らされてなくて。箝口令って言うの?他の水泳部員が1人、同時に退学したの。何かあるとは思うんだけど」 
「そう・・・今になってはなあ」 
何か情報があったら教えて欲しい、と言って遙佳は、ほのかと別れた。 
 
女子は3年生、友華と佳奈で一部屋。月は合宿地が遠方だったため不参加。2年生と1年生がそれぞれ混ざる形で部屋に分かれた。 
女子の下級生が、葉月の部屋に集まっていた。 
「いやあ、もう佳奈先輩ったらさあ・・・」 
葉月が痴漢の事件や、佳奈との出来事を少し色をつけながら話題にしていた。 
「えっ!それって、そっちの人なんですか?彼氏いるとかいないとか聞いたけどなあ」 
「どうなのかなあ。でも、私、気を失ったみたいなの」 
「先輩は経験あるんですか?」 
「ないわよ。男も女も。ショックだったけどすごかった。ああいうのをなんて言うのかなあ・・・」 
「いっちゃう!っていうやつ?」 
「やだあ!恥ずかしい!やめてよ、あれが?そんなあ」 
「もう、葉月。バカな話ししないの、後輩に」 
「私たち楽しいよね。もっと聞きたいなあ。ねえ、美沙先輩は?」 
「バカなこと言ってないで。明日から練習はハードになるよ。早く寝ましょう」 
といって美沙は灯りを消した。部員達は各々の部屋に帰っていった。 
ガールズトークの間、1人の部員だけが、静かに布団のなかにいた。 
 
 
翌日、朝食前にトレーニングをして、午前はプールを確認しながら軽めの練習。午後からメニューが開始された。 
午後の練習が始まってすぐに、佳奈がプールサイドで足をひねってしまった。たいしたことはなかったが練習を控え、着替えるために一旦宿舎に戻ることにした。 
 
宿舎に向かう佳奈に、陽葵が駆け寄ってきた。つぶやくように、 
「・・・あのお、宿舎まで送ります」 
「たいしたことないよ。練習に戻っていいよ」 
「・・・も、もし悪かったらまずいじゃないですか。私、救急員資格持ってるので、応急措置やテーピングできます」 
「そうだったね。でも、そこまででも・・・」 
「・・・大事にしないとだめです。送っていきます」 
といって、腕をとった。 
「ありがとう」 
好意に甘えておこう。でも、この子普段ほとんどしゃべらないし、話したことなかったなあ。おとなしいようで、しっかりしてるのかな? 
佳奈先輩・・・ 
陽葵は胸の鼓動が高まっていった・・・ 
 
陽葵と佳奈は、上級生の部屋に入った。 
「ありがとう」 
「・・・さ、先におふろでシャワーしたほうが・・・」 
といって、部屋の浴室に佳奈を連れて行った。 
「ここでいいよ。練習に戻って」 
と言って浴室に入った 
佳奈がシャワーを浴びていると、突然陽葵が入ってきて、後ろから陽葵が羽交い締めにした。 
「どうしたの?ちょ、ちょっと!何っ!きゃあ!何してるの」 
陽葵の両手が佳奈のバストを包み、揉みながら、乳首を刺激した。 
「せ、せんぱい・・・」 
細い肢体だが、手足が長く、佳奈の小さな身体を絡み取る。筋力もあり、佳奈は動けない。 
「・・・佳奈先輩・・・お願い・・・」 
佳奈の身体に身を預け、全身を撫で回す。 
はあ・・・。また・・・。この子、そっちのほう?狙ってたの? 
佳奈は抵抗するのもバカバカしく、身を任せていた。 
なんか・・・佳奈先輩・・・全然だ・・・ようし・・・ 
陽葵は、佳奈を前に向けて、唇を重ねていった。が、佳奈の舌が入ってきた。 
!んん・・・あ、ああっ・・・もう、なんて・・・ 
葉月を撃沈させたテクは、陽葵も始末しようとした。 
長い口づけが続き、陽葵は完全にのぼせ上がった。 
そこに、佳奈のペッティングが炸裂する。 
鍛えられて、鋼のような細いからだ。小さなお椀状の乳房だけが少し柔らかい。そこに極々小さな乳首。まったくもって女の身体じゃないと、佳奈は思ったのだが・・・ 
佳奈の唇が、首筋を這っていって、小さな陽葵の乳房に吸い付く。 
「ああっ!」 
佳奈の舌使いは絶品だった。 
「はあ、はあ、ああん!」 
陽葵は身体をのけ反りながら悶えた。 
「ふふふ、かわいいわね。かわいがってあげる・・・」 
佳奈は両指で陽葵の乳首を優しく愛撫した。 
「ああ・・・いい・・・」 
佳奈は陽葵の反応に違和感を感じた。 
こんなもの?この子慣れてるんじゃ・・・こう見えて経験多いの? 
陽葵は佳奈の頭を押さえて、右の乳房に押しつける。 
佳奈は戸惑いながら、乳首を舌先で刺激する。 
「ああっ!はあ、はあ・・・」 
そして次は左に・・・ 
「はあ、はあ・・・」 
陽葵は、佳奈を身体に押さえつけたまま、床に座り込み、仰向けに寝転んだ。 
陽葵に佳奈が乗っかる形になった。 
陽葵は膝を立てて股を開き、佳奈の唇を陰部に誘った。 
もう、しょうがないなあ・・・ 
佳奈は太腿に腕をまわし、すでにシミがついた陽葵の陰部に唇をつけた。 
「ああ・・・佳奈先輩・・・」 
陽葵は陰部を佳奈の口に擦りつける。 
佳奈は、仕方なしに水着越しに、陽葵の膣まわりに舌を走らせる。 
「ああん・・・いい・・・」 
佳奈は唇で陰部を包み込み、舌を上下に大きく動かす。 
「いい、いいっ・・・ああっ、はあ、はあ・・・先輩・・・こっち・・・」 
陽葵は更に、スリットの中へと佳奈の舌を誘っていった。 
「はあん!ああ、いやあ!いい・・・あん、あん、ああんっ!はあ、はあ・・・」 
このままだと、次はこっちだわ。まずい・・・ 
少し陽葵の力が抜けた瞬間に、佳奈は逃げ出した。 
えっ、あっ・・・先輩・・・逃げられた。まだ、身体が・・・ 
陽葵は満足できず、指で水着の上から自分で悪戯した。 
「あっ!ああ・・・佳奈先輩・・・もっと・・・ああん!いく・・・」 
ふう。なんか・・・やっぱり物足りない・・・佳奈先輩・・・ 
 
佳奈は泡を食ってプールへと戻ってきた。 
「先輩、大丈夫ですか?」 
「う、うん・・・見学しとくわ」 
「陽葵ちゃんは?」 
「彼女はちょっと部屋で休んでるわ。彼女も調子悪かったみたい」 
佳奈は冷や汗をかきながら返事をしていた。 
 
 
翌日から、陽葵は淡々と練習を重ね、自由時間は中央女学院の女子と談笑していた。部活ではあまり見られない姿だった。佳奈は遠巻きにしながら、常に距離をおいていたが、特になにも起こらなかった。マネージャ業務が中心だったので、そちらに専念できた。 
 
 
最終日は打ち上げと懇親会をかねてパーティーが開かれた。 
KS学園は男女部長が出席。僚太の代理で出席した裕樹と友華の2人、1年生女子の陽葵と遙佳を除いて他の部員は全員ナイター練習に出ていた。有力選手はほとんど練習に出ていたが、部員達は男女入り乱れて談笑していた。友華は中学校時代の部員と再会していた。陽葵は中央女学院の部員の輪に入って笑顔を見せた。連絡先を交換し合う部員もいた。少なからず異性にアプローチする部員もいる。 
裕樹には他校の女子部員が寄り集まっていたが軽くあしらっていた。 
「入れ食いじゃないですか?」 
「何言ってんだよ。そんなこと考えてないよ。お前こそ漁ってんだろ」 
「人聞きの悪い。男子が見逃してくれないんですう」 
確かに男子部員達が遙佳を逃さなかった。 
 
夕食後、裕樹の部屋のまわりは複数の女子選手にはられていた。裕樹の帰りを待ち構えている。最終日の夜ということもあって、数少ない遊びのチャンスを狙っていた。プールでの状況から、裕樹も十分にそれを察知していた。このまま部屋には戻れない。僚太が先に予備校の関係で帰っていて、裕樹の一人部屋になっている。みんなそれをわかっている。 
まずいなあ・・・男子部屋への通路は通れないなあ・・・そうだ。 
裕樹はロビーの内線電話を手に取った。 
 
部屋の扉があいた。 
「こっち、こっち」 
佳奈が手招きした。 
「すいません。もう、まいった」 
「大変ねえ、モテモテっていうのも」 
「あれ、友華先輩は」 
「今、葉月ちゃんの部屋に行ってるわ」 
佳奈と友華が裕樹を罠に嵌めようとしていた。 
「ねえ、裕樹く~ん」 
と言って、裕樹の胸に顔をうずめていった。 
「せ、先輩!何やってるんですか!ちょ、ちょっと」 
佳奈は裕樹の手を、ジャージの下に引き込んでいき胸の膨らみをさわらせた。 
「な、何を・・・で、なんで水着なんですか」 
「ナイター練習から帰ってきたところよ。あん!やだ、もう・・・まだ濡れちゃてるのに」 
裕樹に身体をぴったり寄せていたため、一瞬、裕樹のモノが硬くなったのがわかった。 
佳奈の濡れた競泳水着に、裕樹は不覚にも反応してしまった。 
「友華みたいなナイスバディだけじゃなくて、アニメ声のミニマムちゃんも、いいでしょーう」 
「友華先輩が帰ってきますよ」 
「大丈夫よ。しばらく帰ってこないし、オートロックだから」 
と言いながら、友華は洗面所にいた。 
「裕樹くん、すごいんでしょ。さあ、何でもさせて、あ・げ・る」 
さあ、裕樹君、どうする。佳奈に迫られるとは思ってなかったわね。まあ、少しくらいならお楽しみも見逃してあげるかな。 
「先輩の彼女じゃないですか。それに・・・」 
「それに?」 
「いや・・・なんか・・・発育のいい小学生にいたずらしてるみたいで、ちょっと・・・」 
「は、発育のいい小学生!」 
友華が洗面所からでてきて、大笑いした。 
「さいてー!みんな何でこんな女心がわからない男がいいのかしら!?」 
「身体だけなのよ」 
「そういう言い方はないでしょう。それだけみたいに言わないで下さい」 
 
女子部屋で、就寝時間までやり過ごすことにして、3人は話していた。 
裕樹が、陽葵のことを持ち出すと、濡れた髪を乾かしていた佳奈の顔色が変わった。 
「詳しく話を聞きたいんだけど。彼女ちょっと・・・」 
「問題あったんですか。優菜を呼び出せるかな」 
内線をかけると優菜が出て、友華達の部屋へ来ることになった。 
ノックをして、優菜が入ってきた。 
優菜が自己紹介をしたが・・・ 
「エッ、3年生?なんか今、裕樹君、呼び捨てにしてなかった?」 
友華の目が疑念で満ちていた。 
「い、いや・・・昔からの友達っていうか、幼なじみ・・・かな」 
「月とも幼なじみよね。っていうことは知ってるのかなあ・・・」 
「いやいやいや、そういうことでは・・・」 
「あらあ、彼女がいい人なの」 
「ちょ、ちょっと僕、外した方がいいですよね。女の子のことだから。じゃあこれで」 
裕樹は部屋から出て行った、が、自室には戻れず、部屋の前で突っ立っていた。 
 
「実は合宿中にね、陽葵ちゃんが・・・」 
「それね・・・ちょっと話しにくいことなんだけど・・・」 
と優菜は、中学までの陽葵のことを話した。 
 
話を聞いて佳奈と友華は困惑しきりだった。 
「父子家庭っていう事情はあるんだけど、そのせいかなあ。KSに来て環境も変わるから、何とかなればと思ったんだけど」 
「おかあさんがいないのか・・・。でも、自制が効いてないでしょ。性衝動が強すぎるというか」 
「あなたにかあ。うふふ、わかるような気がする」 
優菜は、妖艶な笑みを浮かべた。 
佳奈はギクッとして、少し後ずさりした。 
「大丈夫よ。心配しないで」 
友華は失笑しながら、 
「うちの学校、カウンセラーがいるから相談してみるわ」 
 
 
翌日、それぞれの学校が帰路についた。陽葵が名残惜しそうに、中央女学院のバスを眺めていた。 
 
 
↓ 続編追加: 2018.02.12 ↓ 
 
 
GWが明けて最初の練習日、裕樹が僚太に申し送りをしていた。 
「合宿のときは申し訳なかったね」 
「いやあ、一晩だけでしたから」 
「何も問題はなかったかな。パーティーは楽しかった?」 
「あまり居場所がないというか、ちょっと・・・」 
他の学校の女子部員達につきまとわれて困ったことを話そうと思ったが、裕樹に悪戯心が浮かんだ。 
「ちょっと言いにくいんですけどお・・・先輩、佳奈先輩とはうまくいってるんですか?」 
「なんでそんなこと?まあ・・・順調だよ」 
僚太は照れくさそうに言った。 
「いや実は・・・佳奈先輩が僕に・・・かわいらしい身体とアニメ声に危ういところでした。結構胸の膨らみが・・・」 
僚太の顔色が一変した。 
「それで・・・」 
「まさか、先輩の彼女にねえ・・・友華先輩が戻ってきたので、そこで・・・佳奈先輩のこと大切にしてあげてください」 
「・・・」 
僚太は無言で立ち去った。 
 
佳奈先輩に仕返してやった。2人はどうやって危機を乗り越えるかな? 
 
佳奈が僚太に駆け寄ってきた。 
「僚太!なんで黙って先に帰るのよ。今日、僚太んちにって言ってたじゃない」 
僚太は無言で歩いていた。 
「もーお、なんなの?何か悩んでるの」 
「・・・」 
「どうしたの?私何か悪いこと言った?」 
「・・・」 
「もう!なにすねてるのよ」 
佳奈は僚太に腕を組んでいったが、僚太はその腕をはらった。 
「悪いこと?身に覚えないわけ?」 
「どいういうことよ。とにかく話しようよ」 
佳奈は後ろからついて行った。 
 
僚太は部屋に入ってからも無言だった。 
佳奈は椅子に座っている僚太に、後ろから首に腕をまわし、頬をすり寄せいていった。 
「もーお、怒らないでよ。私が悪いことしたなら謝るから。それと、ねっ。今日は・・・甘えさせて、あ・げ・る」 
僚太は佳奈の腕を振りほどいた。 
「・・・佳奈、悲しいな」 
「僕が悲しいよ。合宿の夜、裕樹君を誘惑したんだって?」 
「えっ!・・・その話は・・・じょ、冗談よ。おふざけよ。何言ってるのよ、もう。友華が変なこといったんでしょ」 
「裕樹君本人だよ・・・そんな女の子だったの」 
「違う!違う!だったら友華に聞いて・・・」 
うっ。友華も同じこと言うよ。あいつだったら・・・ゆ、裕樹! 
「違うの、話を聞いて・・・」 
「裕樹君がでたらめを言っていると」 
「いや、それは・・・そ、そんなの言った言わないになるだけで・・・」 
「真実がわからない。潔白ならどう証明してくれるの?」 
「どう証明って・・・そ、そう、私の僚太への・・・愛は真実よ」 
「じゃあその真実を証明してもらおうかな」 
「えっ、それって・・・」 
僚太は黒いリボンを取り出した。 
 
佳奈は、ベッドに身体を括られていた。 
黒のハイドロSPを身にまとって。 
「もう・・・やっぱりあんたってドSね」 
「さあ、ドSっぷりを見せてあげるよ」 
二つのひもの先に黒い豆粒。根元にはスイッチ。今日はそれが二つあった。 
「あんた、また。それだけは嫌って言ったじゃない」 
「佳奈の愛を確かめるには、試練に耐えてもらわなきゃね」 
僚太は、佳奈の水着のわきのところから豆粒を差し込んでいって、乳首のところで挟み込んだ。 
「や、やんっ・・・やめて、お願いだからそれだけは・・・」 
大きく開かれた脚の付け根から、豆粒を差し込んでいき、一つは膣に、一つはスリットのなかに挟み込んだ。 
「ちょ、ちょっと待ってよ!絶対ダメ!そ、そんなとこ・・・されたら」 
「どうなるんだろう。舞い上がって、最高に気持ちよくなるんじゃない」 
「いや!こんなおもちゃでなんて・・・僚太が優しくして、ねっ」 
佳奈の身体から汗が浮き上がってきた。 
 
僚太はスリットの食い込みを指さし、 
「僕が優しく何をすればいいの?」 
「えっ・・・あのお、指とか・・・お口で・・・」 
「お口で?どうしたらいいの」 
「・・・もう・・・舐め舐めするとか・・・」 
「じゃあここは?」 
「あのお・・・僚太の・・・挿れて・・・」 
「僕の何を挿れるの・・・」 
「もう・・・いやっ!」 
「この、黒いのがいい?」 
「違う!・・・そのお・・・おちんち・・・」 
「聞こえないなあ、何?何を挿れて欲しいの?何を?」 
「も、もう・・・おちんちん・・・」 
「佳奈ったら、エッチだなあ・・・おちんちん、って」 
「な、何よ!無理矢理言わせたくせに。もう、こんなことなら、裕樹君に抱かれればよかった」 
「ふ~ん。まあ、裕樹君もこれにはかなわないだろうな」 
僚太は二つの黒いスイッチを佳奈の目の前にかざした。 
「い、いや!それだけはだめ、だめだめ!」 
「だ~め。佳奈が気持ちよくいっちゃう恥ずかしい顔を見ようおっと」 
「お願い・・・やめて・・・」 
佳奈が哀願するように言ったが、僚太は二つ同時にスイッチを押した。 
「いやあああっ!」 
佳奈の絶叫が僚太の部屋に響いた。 
 
・・・・・・ 
「はあ、はあ、はあ・・・えっ」 
「あれ?あっ、電池が入ってないや」 
「もおっ!はあ、はあ・・・わざとでしょっ!」 
「えーっと・・・電池が、あ、ないや」 
「はあ、はあ、最低・・・汗だくになっちゃった」 
「ほんとだ。きれいにしなきゃ」 
僚太は、佳奈の指先を舐めていった。 
「ちょ、ちょっと、何してるのよ」 
「きれいにしてあげる」 
僚太は佳奈の指を1本1本舐め、手のひらから腕へと舌を這わせていった。 
「や、やめてよ。くすぐったいっ!」 
二の腕から腋へ舐め上げていった。 
「きゃあ、もう、くすぐったい、いやっ!」 
佳奈は身体をくねらせるが、身体が固定されて、僚太の舌使いから逃れられない。 
 
僚太は佳奈の身体を、競泳水着の黒い生地で覆われたところ以外すべてを舐め尽くした。 
「はあ、はあ、もう嫌・・・足の裏まで舐めるなんて・・・べたべたして気持ち悪くなっちゃたじゃないの。シャワー浴びさせてよ」 
「そうだね。水着のところもきれいにしないとね」 
僚太は佳奈の右腕のリボンをほどいて、左腕に縛り付けた。 
「ちょ、ちょっと、何してるのよ。ほどいてよ」 
「僕が浴室まで連れてってあげるから」 
僚太は佳奈の両足もリボンで縛り、抱え上げた。 
「離してよ」 
「動くと危ないよ」 
僚太は佳奈をお姫様だっこして部屋を出た。 
 
僚太は佳奈を抱えたまま浴室に入り、後ろから抱きかかえるようにして床に座った。 
「さあ、シャワーしてあげる」 
「なんで縛ったままなのよ、きゃっ、もう、どこにかけてるのよ、あんたがべたべたにしたの水着じゃないでしょ」 
僚太は佳奈の全身にシャワーをかけていった。泡状のボディソープをスポンジにつけて、腕から太腿、足へと洗っていった。 
「楽しそうね・・・ちょ、ちょっと、水着の上はつけないでよ」 
「そうだね。じゃあこっちを・・・」 
「きゃっ!冷たい!これローションじゃない。なんで・・・いやあん!そんなもので、ああん、塗る必要ない、やんっ」 
僚太は、佳奈の全身にローションを塗りたくっていった、が、佳奈がスルスルッと滑っていき、 
 
ゴン! 
 
「痛っ!もう!気をつけてよ。こんなに塗ったら滑っちゃうにきまってるでしょ。あいたたあ・・・」 
佳奈は背中をバスタブの壁にぶつけてしまった。もう少しで頭をぶつけるところだったが、撮影でローションには慣れていたのでうまくかわせた。 
「もう!これほどいてよ。怪我するよ」 
「ごめんごめん」 
僚太は手足のリボンをほどいた。 
「腕と脚のローションは落とすよ」 
佳奈はボディソープでローションを落とした。 
「で、どうするの?」 
僚太は浴室の床に仰向けになって寝ころび、佳奈の腰を引き寄せ自分の腰辺りに座らせた。ちょうど騎乗位の体勢になった。 
両手で下腹部から腰を両手で掴みながら乳房の方に揉み上げていこうとしたが、佳奈がその手を掴んだ。 
「だーめ、触らせない。もう・・・元気になって」 
僚太の上にのっかっていた佳奈は、僚太の股間の膨らみに気づいた。 
「ふふっ、いいことしてあげる」 
ローションがべっとりついた僚太の股間に、佳奈は恥骨を前後に擦りつけた。 
「ああっ、いいよ、気持ちいい、ああっ・・・」 
「あ、ああん、感じちゃう、いいわあ」 
僚太は目をつむって快感に浸っていたが、佳奈は演技をしながら少しずつ身体のローションを落としていった。 
 
僚太はパンツを脱ぎ始めた。 
「さあ、佳奈も・・・」 
「ふふ、気持ちよくしてあげる」 
佳奈は僚太のペニスをしごき始めた。 
「手はいいからさ、あれ、あそこにコンドームおいてるから。挿れてよ」 
「フン!」 
佳奈は手コキを続けた。 
「ちょっと、そんな、手だけでなんて・・・あっ!」 
僚太は佳奈の手の中で射精した。 
「はあ・・・ああ・・・」 
佳奈は立ち上がって、残っていたローションを僚太の身体にぶちまけた。自分はシャワーを浴びてローションを落としていった。 
「ちょ、ちょっと、うわっ」 
 
ゴン! 
 
「い、痛い」 
僚太はしこたま頭を打ち付け呻いた。滑って身動きもとれない。その間に佳奈は浴室から出て行った。 
 
僚太は、なんとか部屋まで戻ると、佳奈はすでに着替えて髪をドライヤーで乾かしていた。 
「ひどいよ」 
「どっちがよ」 
「・・・」 
「裕樹君のこと真に受けて、それで私を強請って好き放題って。相手のことを信じられなくて何が愛なのよ。友華に聞いてみれば。それで不満だったら別れるわ」 
「ごめんなさい。僕が悪かった。裕樹君のことがどうなんて関係ない。一緒にいたいよ」 
「フン!知らない」 
 
 
翌日、僚太と友華が部長ミーティングをしていた。 
「・・・でさあ、佳奈がさあ・・・」 
「ああ、あれね。佳奈もなかなかやるけど、裕樹君もうまくかわすわ。やっぱ経験かねえ」 
「友華ちゃん知ってるの?」 
「洗面所で聞いてたよ。佳奈は演技力あるから」 
「あああ・・・」 
「裕樹に謀られたのね。僚太らしいわ。しばらくは佳奈のご機嫌取りね」 
「なんで僕がこんな目に」 
「強請ろうとしたからよ。裕樹の言うことなんか真に受けて。冗談じゃないの。自業自得」 
僚太は返す言葉がなかった。 
 
 
「はあ、はあ・・ああん・・・」 
友華は緩やかな吐息を吐いていた。 
「ああ・・・」 
裕樹は汗だくになって、やっとの思いで射精した。 
 
「なんとかなってきたじゃない」 
「でも、なかなか。苦労してます。先輩、来月は・・・」 
「う、うーん・・・せっかく頑張ってるし、ねえ」 
「そんなあ。3回に1回っていう約束じゃないですか」 
「ええー、私の身体じゃだめなの?」 
「意地悪言わないで下さい」 
「しょうがないなあ・・・」 
 
友華は裕樹に競泳水着なしのセックスを要求していた。少しずつ慣れていこう、ということで3回に1回は競泳水着なしのセックスをすることになった。秘め事は友華の部屋でしかできず、月一回というところだった。 
 
2人は机に向き合って座り、お茶をしていた。 
「そういえば、陽葵ちゃんのことは何かわかりました?」 
「彼女が中学に入学してから優菜さんにずっとべったりだったらしいけど、その原因は優菜さんにもわからないらしいの。元気がないのはそのせいみたい。それと父子家庭とか。まあ、植松コーチも気にかけてくれてるから」 
「そのうち慣れてきてくれればいいですね。練習はよくやってます」 
「すごく一生懸命で、練習を引っぱってくれる。遙佳ちゃんはムードメイカー・・・あら、何かな~」 
「何言ってんですか。ともかく、いい雰囲気なのは確かですね。5泳傑も頑張ってる」 
 
 
しかし、この雰囲気を一変させる事件が起きた。 
 
 
GW合宿が終わった5月からは練習後7時から9時まで自主練習時間が設けられた。部員が増えて水泳部の活動が拡大したことで、プールの利用時間が長くなった。スクールに在籍していない部員が中心に利用していた。 
 
佳奈が自主錬を終えジャグジーで疲れを癒やしていた。僚太は難関校受験のため先に帰っている。佳奈も、すでに始まっている受験対策で遅くまで勉強していた。部活の疲れと勉強の疲れを癒やしていた。 
 
部活の楽しみが気分転換だわ。このジャグジーはありがたいな。 
 
佳奈の姿を見て、小さな影が近づいていく。 
「あ、あら。どうぞ」 
佳奈は少し焦ったが、ジャグジーへ誘った。 
陽葵が佳奈の横に横たわった。 
「・・・ちょっと熱い・・・」 
陽葵は重ね着していた水着の肩紐をおろして下げていった。 
脱いだ水着をジャグジーの縁においた。 
下に着ていたnuxレッドの光沢が水に濡れて輝く。 
胸元には『CHUG』中央女学院のマーキングがある。 
陽葵は佳奈の隣に横たわった。 
そして少しずつ陽葵は身体を佳奈に寄せていった。 
さすがにこれには佳奈もあせって、 
「じゃあ、お先。今日も予備校なの。急がなきゃ」 
と言ってジャグジーから出た。 
 
陽葵ちゃんて・・・やっぱりそうなのかなあ・・・ 
 
誘ってみたつもりだったんだけど、私はダメなのかな。葉月先輩とは・・・あったみたいなのに。ホントに予備校なのかな。佳奈先輩も特進だからなあ。また今度・・・ 
 
そこに2人の1年生男子部員、「5泳傑」の智也と崇大がジャグジーにやってきた。 
「お疲れ」 
と言って、2人が入ってきた。 
「いつも頑張ってるね。小っさいのにすごく早いなあ」 
「俺なんか、かなわないよ」 
「・・・う、うん」 
陽葵はぎこちなく、呟くように返事をした。 
 
この子を近くで見るのは初めてだな。やっぱかわいいな。 
 
おとなしいなあ。呟くようなしゃべり方が、そこはかとなくかわいいや。 
 
ど、どうしよう。まさかこんな近くに男子がくるなんて・・・さっきトレーニング水着脱いじゃって・・・ 
 
練習が終わり「5泳傑」あとの3人、諒太朗と雅弥、和将(かずあき)もジャグジーを閉めるためやってきた。 
陽葵がいるとは思っていなかった。 
小柄な陽葵は、智也に隠れて見えなかった。女子部員はすでに部室へ引き上げていた。 
陽葵は焦った。少し震えだした。 
男子部員達は心配しながらも陽葵の姿を愛らしく思った。自然と興奮も涌き出ていた。 
 
陽葵は立ち上がってジャグジーを出ようとした。濡れそぼった陽葵の水着姿が露わになる。nuxレッドの表面がプールの照明に反射する。サイズは少し小さく、そこここに食い込み、陽葵の肢体を余すところなく映し出していた。 
男子部員の興奮が高まった。ジャグジーの外に立っていた3人が意図的ではなかったが、陽葵の行く手を阻んでいた。男子部員の股間が膨らみはじめていた。 
陽葵は後ずさった、が、ジャグジーの中の崇大の脚に躓き、後ろに倒れ込む。 
「きゃあ!」 
智也は、倒れ込んでくる陽葵をとっさに受け止めた。寝転んだまま抱え込む形になった。 
「大丈夫?!」 
「う、うん・・・」 
しかし、陽葵は、身動きがとれなくなっていた。 
陽葵はヒップの割れ目に硬く生暖かいものを感じた。 
 
や、やだ・・・でも、この子達、「5泳傑」よね。変なことは・・・ 
 
しかし、ここで陽葵から大人の女、妖艶なムードが醸し出され、年端もない5人の少年を惑わせた。幼いルックスにもかかわらず誘惑するかのごとく虚ろで紅潮した表情に、少年達は男の熱いモノがこみ上げてきて止められなくなった。 
陽葵の、抱き起こしてくれるだろう、という期待は虚しく、智也は陽葵のうでを抱えた。 
智也は硬く熱いモノを陽葵のヒップにすりあてていた。 
陽葵は怖くて声がでなかった。 
抵抗するそぶりを見せない陽葵に、他の男子部員も陽葵に近づいてきた。 
智也が腰を突き上げて、陽葵の身体をジャグジーの表面に浮かべた。 
 
水面にテカってぬめった陽葵の赤い競泳水着姿が露わになる。 
5人の股間は熱く、はち切れんばかりに膨らんでいた。 
陽葵は顔を横に向けて目をそむける。 
ジャグジーの外にいた3人も、勃起を隠そうと水に入った。 
陽葵は倒れたとき、不覚にも脚を開いてしまった。倒れた陽葵を正面から助けようとして崇大がその間に入ってしまっていた。太腿を閉じようとしたが崇大が挟まっている。股間が崇大に晒されている状態だった。崇大は陽葵の恥骨の盛り上がりを目の当たりにしていた。 
智也は恐る恐る手のひらを陽葵の乳房に、滑らかな生地の上からあてがった。 
「ひゃん!」 
陽葵の身体がビクッと動く。乳房が智也の手のひらに収まってしまった。陽葵の乳首の先っぽと智也のペニスの先っちょが刺激された。 
「やんっ!」 
「うう!」 
智也の股間が陽葵のヒップの割れ目に突き立って、ピクピクと反応する。 
陽葵は智也の手を掴んで乳房から離そうとした。 
智也は、陽葵の両腋を押さえて、動けなくした。陽葵のうなじから甘い香りが放たれ、智也の鼻孔を刺激した。智也は陽葵の香りに酔いながらヒップの割れ目でペニスを前後させる。 
陽葵の乳房とツンと勃った乳首が、再び男子の目にさらされた。 
諒太朗と雅弥が左右から近づき、それぞれ陽葵の乳房を手のひらで包み、恐る恐る指を動かした。たどたどしく触れるか触れないかの柔らかい指使いは、かえって陽葵の小さな蕾を開かせていく。 
「あっ・・・ああっ・・・」 
陽葵はあごが上がって、小さな喘ぎと吐息を発した。 
同時に崇大が、陽葵の細くてすべすべした内腿をゆっくりと前後に撫でた。 
陽葵の腰が左右に揺れれて、脚が崇大の手から逃れようとする。 
そのたびに陽葵のヒップも左右に揺れて智也のペニスを刺激した。 
「ううっ・・・ああ・・・」 
崇大、諒太朗、雅弥の3人は弾力があって柔らかい陽葵の感触に酔いしれていた。和将は心臓が高鳴って身動きが取れなかったが、4人の男子に押さえられて喘ぎ悶える陽葵の表情に興奮していた。 
陽葵は智也の体臭を後ろから感じたが、少年の汗と塩素臭が混ざった香りは、中年男の悪臭とは違う。さわやかな男臭さは嫌ではなく新鮮さを感じていた。そして、おしりの割れ目に挟まった智也の熱く、硬くて長いモノ・・・中年男とは違う硬さと熱さ・・・少年の血のたぎりが感じられた。 
陽葵は必死に抵抗しようという感じではなかった。 
しかし崇大が、陽葵のスリットを指で押してしまった。 
 
「きゃあああっ!」 
陽葵の悲鳴が響いた。陽葵の身体が大きくうねった。陽葵の身体で一番敏感な蕾を刺激してしまった。 
陽葵の小さな声では、プールの方へは聞こえずジャグジーの周りだけだったが、陽葵の身体で酔いしれていた5人の少年を醒ました。 
悲鳴と同時に和将はジャグジーを飛び出した。 
智也の股間は強く陽葵のヒップで押し込まれ、競泳パンツのなかで射精してしまい呆然としていた。 
あとの3人もプールサイドを駆けていった。 
陽葵は智也から離れ、背を向けてジャグジーの中で座っていた。 
暫くして智也も我に返った。 
陽葵が背中を向けて俯いている。 
「あ、あの・・・ごめんなさい!どう言ったら・・・」 
陽葵はジャグジーから上がって、脱いだトレーニング水着とセームを持って走って行った。 
 
ああ・・・最悪なことに・・・なんでこんなことになったんだ・・・ 
 
智也はパンツの中の気持ち悪さを感じながらジャグジーを出た。陽葵のキャップとゴーグルを持って部室に歩いて行った。シャワールームに入ると、他の4人も息が切れて腰にタオルを巻いて無言で突っ立っていた。 
「陽葵ちゃん・・・どうだった?」 
「黙って俯いてて、声かけたら走って行った。これ置いていった」 
「そうか・・・まずは着替えよう。おまえもシャワー浴びろよ」 
「うん・・・汚しちゃった・・・」 
「まあ、俺たちも・・・ああ、嫌になるなあ」 
「どうしよう・・・」 
 
「あれ?まだいてたのか。早く片付けろよ」 
「せ、先輩・・・」 
部室に入ってきた裕樹に、5人はすがって助けを求めた。 
 
陽葵は部室のベンチに座って放心していた。 
「あれ?まだいたの。もう遅いわよ」 
「・・・コーチ」 
陽葵は虚ろな目で恭子を見つめた。 
 
ベンチに座った裕樹の前で5人は正座していた。 
「話はわかったけど、キミらがなあ、5泳傑とは思えない行動なんだよなあ」 
「僕にもわけわかんないんです。あんなところで」 
「女の子の水着なんていくらでも見慣れてるのに」 
「引き寄せられたような・・・」 
「なんで我慢できなかったのかわからなくて」 
「でも、やったことは最悪です。罰は受けないと」 
裕樹は首をひねりながら 
「よくわかんないな。とにかく彼女がどう思ってるかをまずは確認しよう。植松コーチがいるから。陽葵ちゃんはもう帰ったかな?」 
と言ってコーチ室に入っていった。 
 
「・・・」 
恭子の問いかけに陽葵は俯いたまま何も答えなかった。 
 
この子のこと、わかんないんだよなあ。不思議ちゃん?友華ちゃん達が言ってた子ね。何かあるように思うんだけど。 
 
コーチ室から裕樹の呼ぶ声が聞こえた。 
「待っててね。遅くなったから送っていく。必ずまってて、ねっ」 
『ねっ』という言葉に、陽葵は少しビクッとしたが、こくりと頷いた。 
 
コーチ室から戻った裕樹は、植松コーチから話があるまではこの件を口外しないように、と5人に硬く念を押して帰らせた。 
 
恭子が運転する隣で、陽葵はポツ、ポツとさっきの状況を話し始めた。自分はなんとも思っていないから大丈夫、男の子達は許してあげて欲しい、と繰り返していた。 
 
マンションの玄関口、インターホンで父親が応答した。恭子は、是非家に寄ってもらいたい、と言われ部屋に招かれた。陽葵の妹、沙羅が恭子を見て儚げな笑顔であいさつした。 
陽葵が食事をしている間、恭子は別室に通されていた。沙羅がお茶を出そうとしたとき、裾から見えた手首の傷を恭子は見逃さなかった。父親から陽葵と沙羅の事情を聞かされた。恭子は今日の出来事を伝え、対処を任せて欲しいと言った。 
恭子がいとまするとき、陽葵は普段見せない笑顔で父親と一緒に恭子を見送った。 
 
陽葵の父は、恭子の存在をありがたく思った。陽葵と沙羅が以前の笑顔を取り戻してくれれば・・・ 
 
「・・・とまあ、こういったことがね。ここからは私の領域では無理だからお願いしたいの」 
「わかったわ。父親がその気なら、導入は上手くいくと思う。姉妹と面談するわ。紹介状も書くから」 
 
 
翌日から1週間、陽葵は学校を休んだ。 
5泳傑は練習にならなかった。僚太からも檄が飛んだ。もっとも僚太の苛立ちは別の理由もあったが・・・ 
 
「植松コーチ・・・」 
練習後、5人はすがるようにやってきたが、 
「ごめんね。今は彼女のことを話せないの。あなた達は心配しなくて大丈夫よ。それより練習に力入れていかないと間に合わないよ。あの温厚な部長さんに怒鳴られてるようじゃダメでしょ」 
「はい・・・」 
 
コーチ室から出てきた5泳傑に遙佳が声をかけた。 
「あんたら。どうしたの?元気ないじゃん。深刻な顔して植松コーチと何話してたの」 
「いや、まあ・・・」 
「最近不調だから」 
「ふーん。その不調の原因ってのは・・・陽葵が関係あるの?」 
智也は素知らぬふりで、無言のままプールへ向かった。 
「い、いや、関係ないよ」 
「まあ、僚太先輩はお怒りで、裕樹先輩は言葉少なだし、男女で差がついて全体がだれてるわ。友華先輩も葉月先輩も困ってる。美沙先輩にいたっては部活の練習時間削ってスクールに行っちゃうし。みんな練習にならなくなってる」 
「ちょっと責任は感じてる」 
「頑張らなきゃとは思ってるよ」 
「覇気がないなあ!私が気合い入れてやろうか」 
「気合いって?」 
「私の噂、聞いてるでしょ。私の設定したタイムをクリアしたら・・・いいことしてあげよう・・かな」 
「ほ、ほんと!」 
「めっちゃ頑張れる」 
「いいこと、って何?」 
「そんなこと・・・私に言わせるの?わかってるでしょ・・・」 
「俺はいい」 
と言って和将は去って行った。 
「まあ・・・私って、魅力ないかな」 
「そんな筈ないだろ」 
「まあ、あいつは堅物だから」 
「ホントだよね、約束だよ」 
「約束するわ。じゃあ、設定タイムは・・・」 
「げっ、そのタイムだったら・・・」 
「インハイの標準記録に届きそうな・・・」 
「び、微妙・・・」 
「あら、無理かしら。残念ねえ・・・」 
「い、いや、頑張る」 
「遙佳ちゃんといいことできるなら」 
「頑張るぞー」 
と3人は意気込んでプールへ飛び込んでいった。 
「くおらあー!横からとびこむなあ!」 
僚太の怒号がとんだ。 
 
人参ぶら下げるとやっぱ効くなあ。あいつらのことはともかく、陽葵が休んでることで雰囲気がおかしいわ。少し空気が変わってくれればいいんだけど。 
 
遙佳の思惑通り、翌日からKS学園のプールは活気を取り戻した。 
 
 
・・・大学附属医療センター・・科・・・・専門外来 
 
陽葵と陽葵の父に香奈恵が連れ添って、診察室に入った。沙羅と恭子が待合に座っていた。 
「担当医の森本です。紹介状の記録を確認しました。治療計画を・・・」 
 
記された書類は陽葵の中学入学前からの出来事で、膨大な文量と驚くべき内容だった。 
 
 
(3rd END) 
 
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