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「バタイユの微笑 第1話 潜航―Dive」 著者: はむねも様 投稿日: [2021.07.22]

人は誰しも多くの欲望を抱いている。
苦しみに陥らないためには、人は自らの欲望を満足させなくてはならない。
だが人は、絶望の渦中にいるときでさえ、苦痛を感じないことがある。その理由は、自分自身の「欲望」が失われてしまっているからだ。
実際、今や、人間一般の〈生〉が衰退している…。
ジョルジュ・バタイユ

第1話 潜航―Dive


20✗✗年、日本。高層ビルが立ち並ぶ街の交差点では、汗も干上がる日差しの下、灰色のスーツを着た人々が隙間なくひしめき、まるで自動機械のように、規則正しく停止と移動を繰り返している。かれらを取り囲む超高層の卒塔婆の群れこそ「合理的な勤勉精神」の結晶化した姿だ。

車道の信号が青になり、糸で引かれたように車が流れ出す。その中で目を奪われるのが、車体に裸同然の際どい下着姿の女性たちがプリントされたアドトラックだ。「バーニ○、バニ○、バーニ○、求人! バーニ○、バニ○、高収入!」 屋根の拡声器からはリズミカルでいかにもな音楽とともに、下品な文句を大音響で垂れ流している。

一様に死んだ目をした堅物な灰色の群衆の間を、ドギツイ真っピンクの巨大エロ広告が横切る光景は、控えめに言ってシュールだ。
そして、背後のビルに埋め込まれた巨大モニターには、この国の少子化の進行が過去最悪になったというニュースをキャスターが神妙な顔で伝えている…。そのまったく釣り合いの破綻した光景は、さながら、ヒエロニムス・ボスの『快楽の園』のようである。

僕こと佐々木祐二(28才)は、そんな風景にもすっかり慣れっこになっていた。何を隠そう、僕も件の「灰色の群衆」の一人だったから。そう、あの日まではー。



その日は取引先との商談が急にキャンセルになったので早めに帰宅することにした。いま流行りのフレックスタイムとかいうやつだ。
「ただいま…」
と誰もいない部屋に言ってみる。
独身。自分で言うのも何だが、彼女いない歴イコール年齢という、典型的な「非モテ童貞男子」である。

「俺、なんのために生きてるんだろう…」

僕は寝室の窓にこびり付いた黒いカビを見つめながら、ふと、愚にもつかないバカげた思考に襲われた。
ちらと傍のサイドテーブルに目を遣ると、ダイレクトメールの束が無造作に置かれていた。手持ち無沙汰にパラパラとめくっていると、あるチラシが目に止まった。
「プール・フィットネス…?」
そういえば、小さい時、スイミングスクールに通ってたってけ。そういえば、この間の定期検診でも運動不足だって言われてたからなぁ。
「あ、無料体験今日までじゃん」
僕はタンスのレジャー用の水着を引っ張り出すと、行ってみることにした。



カウンターで受付を済ますと、着古した海水浴用の海パンに着替えてプールサイドに入る。大ガラスから陽が差し込み、白亜の清潔な室内には水面のゆらめきが反射している。固定式の飛び込み台には番号が振られていた。
カルキの匂いと湿度のあるむわっとした感覚がどこか懐かしい。

「入会体験の方ですか?」

女性の声で呼びかけられる。
「は、はい。佐々木と言います」
「はじめまして、御国雪子(みくに・ゆきこ)です」

笑顔で挨拶する彼女に、僕は一目で心を奪われてしまいそうになった。
歳は同じぐらいだろうか。
競泳キャップを被った彼女の張りのある白い肌が水滴を小気味よく弾いている。そして、理知的で透き通った瞳はどこか少女的だ。そして何よりスクールの黒い競泳水着がよく似合っていた。

「当スクールの売りは1対1の個人レッスンなんです。普通は男性は男のコーチが付くんですけど…」
「いえ、先生がいいです!」
言い終わらないうちにそういう僕を見て、彼女は人懐こくクスクスと笑みを浮かべた。


その日以来、スクールに通うのが僕の週末の楽しみになっていた。
「よし、忘れ物はないな。」
先日購入したスポーツバッグに競泳水着やタオルが入っているのを確認し出かける。
もちろん、運動が本来の目的ではあるけれど、最大の楽しみは…

「佐々木さんすごく上手ですよ」
一対一なので、フォームの崩れなどを細かく指導してもらえる。そのときに、彼女の手が触れる優しさに癒やされる。
「ほら、ここはもっとこう」
クロールの形の僕に寄り添い、彼女の胸が脇腹に触れるのを感じて少しドキッとする。
(そういえば、女性に触れたのっていつ以来だっけ…。)

「じゃあ、今日はこれでお終いね」
「はい、ありがとうございました」

初レッスンが終わり、僕はシャワーを浴びて水泳キャップを取ろうとすると、
「あっ! 忘れるところだった、先生にこれ返さないと。」
今日は自分のゴーグルを忘れてしまい、雪子先生が自分のものを貸してくれたのだ。

僕は慌ててプールサイドに戻るが、すでに明かりは落とされ、辺りは静まり返りっていた。水を循環させるためだろうか、大型コンプレッサらしき機械のゴウンゴウンという低い音だけが響いていた。

(控室かな?)
僕は、配管バイプが張り出したリノリウム床の薄暗い廊下をペタリペタリと進んでいくと、四番目にSAFF ONLYと書かれた半透明のガラスがはめ込まれた扉を見つける。

「すみませーん、雪子先生ー?」
扉越しに声を掛けてみるが、返事はない。
仕方なくドアレバーを回し、わずかな隙間から中を覗くと、そこには思いもよらぬ彼女の姿があった。
なんと、ベンチで股を開きながら自分の体を慰め喘いでいたのだ。

僕は見てはいけないものを見てしまった罪悪感と、普段の彼女からは想像もできない妖艶な姿による興奮とで、まるで魔法で石化させたれたごとく動けなくなってしまった。
彼女は左手を自分の胸にあてがい水着の上から弧を描くように動かすと、左手は膝と付け根の間を繰り返し滑らせる。
時より「ん、ん、」という艷やかな吐息を漏らしながら、卑猥な業に耽っている。
行為は次第にエスカレートし、左手の指が彼女の股間へと導かれる。彼女を包み込む競泳水着がピンと張ったりシワを作ったり自在に表情を変えながら、勃起した乳首とくねくねと悶える躰を逃すことなく正確にトレースする。
股間の布をめくると充血したピンク色の秘部が露わになる。薄明りでもチラチラといやらしい光を反射しているのがわかる。
口を開き、恍惚の表情を浮かべ、声にならない甘い声がひねり出される。
それはたまらなく淫靡でありつつも、いわく言い難い、神聖な雰囲気を漂わせていた。

僕は意識が飛びそうになって、思わず体重を扉の方に掛けてしまった。
ガシャン!
無情にも扉が開かれ、そのまま床に叩きつけられた。
「こ、これは、その、すみません!!」
僕は床に突っ伏したまま叫んだ。

「顔を上げて?」
そう言われて、恐る恐る顔を上げると彼女が目の前に来て抱き寄せた。
「私の姿見て、興奮した?」
「は、はい。ごごめんないさい…」
頭の中一杯に色んなことが広がって、どうしたらいいのかわからなくなっていた。

「ずっと寂しかったんだよね」

「おいで」
紅潮した頬で彼女は僕をぎゅっと抱きしめると、優しく口付けを交わした。
「来て」
トロンとした僕のすぐ前に先ほどの秘密のラビアが曝け出される。ゆっくりと顔を沈めて、果実にしゃぶりつくように無我夢中で吸い付くと、ヌルヌルとした生温い粘液が溢れていて先生が興奮しているのがわかる。
顔を上げるとまたキスしながら、パンパンに膨れた僕の競泳水着に彼女の手のひらが触れる。
「雪子先生…」
切なく目で訴えると、彼女は僕を受け入れた。
「感じさせてくれる? いいよ?」
僕は彼女の女陰にヒルのようにしゃぶりついき、紅い肉襞を夢中で舐め回した。
雌の甘い香りに興奮し、ジュルジュルと涎を垂らして敏感な部分を愛撫する僕と、舌の動きに呼応して荒い吐息を漏らし、その度にお腹をヒクヒクと動かす雪子先生。
頭を反り上げ寸前で踏みとどまっているが、やがて、
「佐々木君、もう…ダメ!!」
悲鳴を上げていやらしく絶頂する。
ビクビクと痙攣する腰をギュッと抱きながら、僕も彼女の切ない感覚を追想していた。



僕はネズミが巣に帰るごとくに帰宅した。安っぽい蛍光灯で照らされた見慣れた室内の風景に今はほっとする。
買い置きのカレーパウチをレンジから取り出し皿に盛り付けながら、僕は先ほどの出来事を思い返していた。
はじめて女性とHなことをしてしまった。しかも、あんな形で…。
なんだか罪悪感と切なさが入り混じり、スプーンをすくったカレーの味は限りなく透明になっていく。

でも…、真面目そうな彼女が、なんであんなことをしたんだろう…? 理知的な彼女の印象と先ほどの体験がどうにも不釣り合いに感じられ、心の中には解けない砂糖のように留まっていた。




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