トップ 投稿小説ライブラリー 「水着の跡が消えるまで」 三角丁◇様
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「水着の跡が消えるまで」 著者: 三角丁◇様 投稿日: [2025.05.12]

一、


「この暑さ、なんとかならないかなあ」
「わかるー、あたし、家の冷房が具合悪くってさあ……」
 クーラーの程よく効いた、ひと気の少ない午後のファミレスの一角で、同じ大学の同級生である恭平と万理華は、外が涼しくなるのを今か今かと待っていた。ちょうど、期末試験が明日で終わろうという七月末のことである。
「おい、手汗で紙が湿ってるぜ」
「あ、やばっ」
 万理華は慌てて、ペーパーナプキンで右手の汗を拭った。色黒の彼女の、掌と甲の境目がきっちりと別れた手には、わら半紙に描かれたキャラクターがうっすらと写っている。
「指ぬきグローブでもはめたらいいんじゃないか」
「いやだ、あれ、ムズムズするんだもん」
「でもよお、ネームするたんびにこれじゃあ、紙がボロボロになっちゃうぜ」
 万理華が描き上げたネームを手に取ると、恭平はうっすらと汗のしみて反り返った紙を、怪訝そうにのぞき込んだ。漫画家志望の万理華はちょうど、ある雑誌の賞に出すための作品を書き進めているところだった。
「じゃー、どうしろっての」
 万理華のきっとにらみつけるような目線にたじろぐと、恭平は逃げるように、グラス片手にドリンクバーのスタンドへと走り去った。
 恭平がグラスのへり一杯までコーラを入れて席へ戻ってくると、ちょうど万理華が、真新しい紙へなにやらネームとは別の絵を描いているところだった。
「なに描いてんの?」
 肩越しに恭平がのぞき込むと、万理華がペンを走らせて描いていたのは、ワンピース型の、競泳用らしい水着だった。
「むかーし通ってたスイミングスクールの水着。言わなかったっけ、これでもあたし、水泳やってたのよ」
「へえ、知らなかったなあ。しかしまあ、派手な水着だなあ」
「そう? 幼稚園から高校までやってたから、なんとも思わないけど……」
 描き終えた絵を逆さまにすると、万理華は不思議そうな顔で恭平を見た。出来上がった絵は、トルソに水着を着せたような格好になっていて、細い肩紐に、腰骨の上まで切れ上がったハイレグカット、鉛筆でグラデーションをつけたフランス国旗のようなトリコロールカラーが斜めに入ったもので、水泳などズブの素人の恭平からすると、かなり派手な意匠のものだった。
「へー、こんなのがあるんだなあ。オレ、学校で使うようなのしか知らないからさあ」
「最近はスパッツみたいな足回りのが主流になってきてるんだけど、こっちの方がすっきりしててあたしは好きね。それに、結構生地が丈夫だから、今でもたまに使ってるのよ」
「え、持ってるの」
 万理華の物持ちの良さに恭平が驚いていると、
「そうなのよ。あたしね、昔から漫画につまると、アイディアを捻るために泳ぎに行くのよ。頭が冷えるせいか、プール帰りに変なアイディアが出るのよね」
 と、そこまで言うと、万理華はポンと手を打って、
「そうだ! ねえ、恭平。明後日、一緒に近くのプールにいかない? あんた、いつだったか金づちだって言ってたじゃないの。涼むついでにビシバシしごいてやるから、覚悟しときなさい……!」
 ネームの束を片付けながら、万理華が可愛らしい、悪意に満ちた笑顔を恭平に向ける。
「わー、おっかない。でも、面白そうだなあ。コーチ頼むぜ、万理華」
「まかせなさい! でもあんた、水着なんて持ってるの?」
「軽いノリでなんとなーく買ったやつがあるんだよ。ほんとに遊びに行くようなやつだけどさ」
「あら、案外チャラっぽい趣味があるのね」
 そんな他愛もない雑談を挟みながら、二人は明後日のプールの相談を始めたのだった。


 ファミレスから戻ったあとで、万理華は少し前にプールへ行ったとき以来、衣装ケースの中に押し込みっぱなしだった競泳水着を出して、おもむろに服を脱ぎ去った。
 ブラが取れ、ショーツが落ち、生まれたままの浅黒い肌が、姿見の中へと写る――。
 そして、長らく使っている件の水着へそっと足を通し、生地を尻へすべらせて肩ひもをかけると、ブランクがあるとは思えない、立派な体格の女子スイマーが目の前に現れたのだった。
「――やばっ、ちょっとはみ出てる」
 うっすらとはみ出たアンダーヘアの存在に気付くと、まだいくらか汗のひいていないのもあって、万理華は水着のままシャワールームへ入り、コックをひねった。
 競泳水着特有の、水をはじくような手触りの生地の上へ少しずつお湯が伝ってゆき、だんだんと全体へ水気が浸透してゆく。現役時代、プールへ入る前後に必ずと言っていいほど経験していたはずの光景だったのに、その日に限って、万理華は不思議な感覚に襲われていた。
 ――あ、なんだか気持ちいい。
 シャワーのお湯のかかる胸元から腹部、足回りにかけて小刻みな、ぞくぞくと這いまわる感覚が万理華の体を包んでいる。別に具合が悪いわけでもない、むしろ心地よくすらあるそれの正体を探ろうと、生地の上から軽く胸元をなでた途端、万理華の体を強い刺激が走った。
 頭の中が真っ白くなるような独特の感覚——それが普段、恭平のことを思いながら自身を慰める時のあの快感と同じだと万理華が気付くのには、そう遅くはかからなかった。
 ――どうして、どうしてこんなに気持ちがいいの。
 長いこと使ってきて、最初に買った時よりはずいぶんと薄くなっている水着の生地の下から、固く隆起している両方の乳首を鏡越しに見て、万理華は恍惚の表情に染まる自分の顔をどこか恥ずかしげに眺めていた。
「こんなに勃ってるの、恭平に見られたら……」
 いつの間にか、万理華の指先はゆっくりと臍を過ぎ、早く泳ぐために切り取った股布のかすかに残った上から、なめまわすように秘所を慰めだした。
「恭平、恭平……」
 名前を呼び、まだ見たことのない恭平の一糸まとわぬ姿を脳裏に描きながら、万理華は内に秘め込んだ感情を吐き出そうと、駆け抜けるように指先を動かす。そして、
「あっ、あああ!」
 全身をかけまわるあのえもいわれぬ快感に、万理華はシャワールームのタイルの壁へ左肩を預けたまま、ピントの合わない目で湯気を見つめた。水着の生地の上を流れるお湯とは明らかに違う、独特のぬめりを帯びた秘所に指先を預けたまま――。


二、


 約束の日、万理華の案内で大学から少し離れたところにある市民プールへ来た恭平は、ひと気の少ない更衣室で悶々とした感情を内に秘めたまま、もろ肌を脱いでサーフタイプの海パンへ着替えていた。
 ――万理華の水着姿、かあ。
 恭平と万理華は入学以来、友人と恋人の合間を行ったり来たりするような関係のままだった。
 そんな二人が特に進展もないままに二年生の夏休みを迎えようとしていたところへ、思いがけず万理華の水着姿を拝むチャンスがやってきたのは、このはっきりしない関係に決着をつける良い機会だと恭平は考えていたのだが、その反面、不純な想像で固さを増してゆく自身の陰茎に、嫌悪感のようなものを感じていた。
 ――ハイレグ、かあ。けっこう露出が多そうだなあ……。
 昔、水泳の授業に部活で使っている競泳水着をそのまま着て泳いでいたクラスメイトのいたのを思い出すと、恭平はその貧弱なイメージをうまく万理華の上へなぞらせようとした。
 が、肝心な時に限って、普段いろいろと妄想をする万理華のことがうまく絵を結ばなかった。結局、なんとか反り返る陰茎を海パンの中へ押し込んで、恭平はゴーグルとスイムキャプを片手に、シャワールームを潜り抜けたのだった。
 塩素の香りが漂うプールサイドへ出ると、恭平は白いタイルを張ったプールサイドの一角に、そこだけひどく鮮やかなもののあるのに気づいて目を見張った。例の、トリコロールカラーのラインが入った競泳水着を着た、白いスイムキャップをかぶった万理華の後姿である。
 ――すげー目立つ色だなぁ。ほかの人、地味な色のばっかしだから……。
 水中ウォーキングをしているお年寄りの来ている、紺色にところどころほかの色が混ざったようなフィットネス用のものとは明らかに違う。
 ――本気の水着、って感じだなぁ。
 そんなことを考えながら、恭平は万理華の競泳水着の足元から上、軽くはみ出たお尻のほほや、いわゆるスーパーフライバックの、ざっくりと開いた背中から見える、小麦色に焼けた肌を、じっと見つめているのだった。
「なんだ、来てたの。待ちくたびれたわよ」
 準備体操の最中、振り返った後ろに恭平のいたのに気づくと、万理華は肩ひもへゴーグルを挟んだまま、かろやかな足取りで駆け寄った。
 途端に、布地に押し上げられて、横へうっすらはみ出た万理華の胸が、腕につられて軽く揺れるのがわかって、恭平は下半身に血の集中するのに気づいた。
 せっかく静まったものも、これでは台無しである。
「あ、ああ。なんか塩素の匂いってひっさしぶりだなあ、と思ってさ」
「当たり前じゃん。ほかにこんなに、塩素の香りがするところないでしょ。ほら、運動運動」
「わ、わかったよぉ」
 腰まで切れ上がった、万理華の競泳水着のハイレグになった足回りを恭平は直視できず、海パンのポケットへ手を突っ込んだまま、とぼけた目で身を反り返す。
 もちろんこれは、膨らんだそれのシルエットをどうにか隠すためであるが……。
「どしたの恭平、変な格好して」
 そのあとも、のけぞったまま運動をしていた恭平に万理華が疑問を投げた。恭平はすっかり狼狽して、
「べ、別に。――先泳いでたら? おれ、もうちょっと運動してるから……」
「ふーん、わかった。じゃ、ちょっと泳いでるね」
 と、万理華はそばにあったスロープからプールへ入り、青いゴーグルをはめてからクロールを始めた。水面からうっすらと、万理華の尻のほほが顔をのぞかせている――。
 ――やばいやばい、全然おさまんねえよ。
 視界に入る万理華の姿を見ながら、苦し紛れに準備運動を続けていた恭平だったが、まるきり、興奮は収まらない。
 さすがにそのまま、プールサイドにいるのもおかしいだろうと考えると、恭平は意を決して、万理華の後を追いかけるように泳ぎ出した。金づち、とは言ったものの、別に恭平はまるで泳げないわけではない。
 ただ、フォームが汚いので、泳げる人に比べると無駄な動きが多く、すぐにへとへとになってしまうのだ。
「――やっと来たあ。いつまで待つのかと思ったわよ」
「う、うるさいなぁ……」
 どうにかこうにか泳ぎ着いた対岸では、飛び込み台の上から万理華が苦い顔をして自分の顔を覗き込んでいる。
「プールサイドから見てたけど、恭平、軸がぶれっぶれなのよ。曲がるストローみたいになってるんだもん。それに……」
 そういうと、万理華は空いている隣のレーンからプールへ入り、コースロープを超えて恭平の隣へ入るなり、こう言い放った。
「こんなダブダブのじゃ、ろくに泳げるわけないでしょ。アドバイスしてあげるから、今日は切り上げてお店行きましょ」
「店って、なんの?」
「決まってるでしょ、スポーツショップ! ちゃんとした競技用の奴、探してあげるから」
 万理華の言葉に恭平はギョッとなった。男性の競技用水着と言えば、当然体にぴったりとしたタイプのものになる。膝まで丈があればまだいいが、もしもブーメラン型などをすすめられたら、下半身の様子が丸わかりになってしまう。
 ――あんなの履いたら、どういうことになってるかわかっちまうじゃないかよ……。
 恭平は戸惑いながら返事を渋ったが、
「先着替えてるよ、早くしてよねっ」
 と、飛び込み台をのぼって更衣室へ向かう万理華の言葉に、慌てて後を追ったのだった。

 万理華がたまにのぞいたりするというスポーツショップへ入ると、恭平は彼女の後について水着のコーナーへと向かった。冷房が効いてひんやりとした店内は、セミの鳴き声がやかましい外とは反対に、ひどく静かだった。
「大会とかで使うやつでなかったら、結構安いのな」
 いくらか気分も落ち着いて、恭平は並んだメンズの競泳水着の値札を眺めてつぶやく。
「まあ、練習用はね。わたし、ちょっとそっちのカゴみてくるね」
 奥の方に見える、「お買い得品」というポップの立ったカゴを指さすと、万理華は足早にそちらのほうへ行ってしまった。プールの塩素と、彼女の甘い香りが混じって、独特の心地よい匂いが恭平の鼻へと届いた。
「……ひええ、すげえなあ」
 膝丈まである、スパッツタイプの競泳水着の間にちょこんとあった、ブーメランタイプの真っ赤な競泳水着を手にして、恭平は顔を赤らめた。もしこんなものを履いて万理華の前に出たら、自分のモノが収まる自信がない――。
 ふと、そんなことを考えているうちに、恭平の脳裏にある考えが浮かんだ。それは、実際に履いてみたらどうなるのか、という好奇心であった。
「……まあ、履くだけなら、タダだしなあ」
 そう考えると、恭平はカムフラージュのためにほかのスパッツの水着を手にして、万理華がカゴを見ているのをいいことに、そっと試着室へと向かった。
 その頃、万理華もまた、ある品を手にして試着室へ向かう準備をしていた。手に握られていた箱の中身、値引きされたレディースの競泳水着は、もちろんハイレグカットの品である。


 試着室は男女でかなり離れていて、よほど耳がよくないと様子はわからない。そのことに安心すると、万理華は扉の鍵を閉めて、一枚一枚、着けていたものを脱ぎだし、一糸まとわぬ姿になった。
 そして、姿見に写った自分の裸体を見て、万理華は顔がだんだんと熱くなるのを覚えた。あの日バスルームで自分を慰めた直後、人並みにあったアンダーヘアをすべて剃り落とした万理華の秘所は、その形をありありと見せつけるような具合になっていたのだ。
 ――全部、剃っちゃったんだもんね」
 かつて毛があった秘所の上、小さな丘のようになったそこを軽くなでると、万理華は背筋に得も言われぬ快感が混みあがりそうになるのを覚えた。まさかここで行為に及ぶわけにもいかない――そう自分をなだめると、万理華は箱の中身をそっと出し、中から出した競泳水着へそっと足を通した。そして、肩ひもを上げきって尻の食い込みを直すと、万理華はあらためて、姿見の中の自分へ目をやった。
 自分の体形よりワンサイズ下のその水着は、万理華の腰上から鋭角が始まっていて、薄手の真っ赤な生地は容赦なく、乳首やへそのシルエットを明るみに出している。軽く締め付けられるような感覚も相まって、万理華はだんだんと鼓動の高まるのが分かった。
 ――恭平、わたしの水着姿をずっと見てた。きっと、興奮してたんだ……。
 うっすらと秘所が湿るような感覚をおぼえながら、万理華はゆっくりと水着を脱いでゆく。そして、元の通りに箱へ水着を収めると、どうしたことか、万理華はスポーツバックの中に入れていたあの競泳水着を取り出し、それへ足を通した。更衣室の脱水機で絞ったとはいっても、さすがに湿り気はいくらか残っている。だが、それを気にも留めずに、万理華はその上からふたたび、シャツとスカートを着てゆくのだった。
 ――我慢できない。早く、家に帰ってしたいよ……。
 湿った水着を再びつけたのには、昂る興奮を鎮めるための、万理華なりの意味があるのだった。なにせあの日以来、水着を着ていて下半身に湿り気を覚えなかったことなど、彼女にはただの一度もなかったのだから……。
 その頃、恭平もまた、試着室の中でもろ肌を脱ぎ、こっそりと運んできたブーメランパンツを履いた姿を、どこか呆けたような目で眺めていた。
 平均的に筋肉がついた胸元や腹筋の下で膨らむ真っ赤な競パンとそのたくましいモノのシルエット――。
 アンダーを履いていないがために、直接モノを刺激する競泳水着特有のさらりとした手触りの生地に、恭平は興奮を通り過ぎて、どこかうぬぼれたような、自信に満ちた表情をその下半身に向けていた。
 ――やばいな、これはなんか癖になりそうだ。
 とはいえ、このまますぐにプールへ繰り出そうという気持ちは恭平にはなかった。というのも、ビキニラインをはみ出すもじゃもじゃとしたヘアが、さすがに見栄えを悪くしていたのである。それにやはり、こんなものを見せては万理華にドン引きされかねない――。
「……買うだけ買ってみるかな」
 しかし、好奇心には勝てず、結局恭平は普通の丈のスパッツ型の競泳水着と一緒に、真っ赤な競パンを買うべく、服を着てレジへ向かうのだった。
「――あ、恭平。いいの決まった?」
 レジに向かった恭平は、万理華が会計の済んだ袋を下げているのに気づいてどきりとした。まさかこんな、露出の多いものを買ったと知られてはまずい。そう思ったのである。
「う、うん、まあな。先、外で待っててくれよ」
「わ、わかった」
 ――まさか、競パン買ったなんて言えねえよなぁ。
 ――こんなに切れ上がったの見たら、恭平どうなっちゃうんだろう。
 どこか気まずい表情を浮かべた二人は、結局お互いの買ったものがどんなものかは知らないまま、その日は解散し、めいめいの部屋へと戻った。
 それぞれの部屋から、真新しい競泳水着の香りと、悩ましい慰めに耽る声が聞こえだしたのは、また別の話である――。

三、


 迎えたその日、更衣室で万理華は、例の新しい競泳水着へ足を通した姿を鏡越しに見て、気分が昂るのを覚えた。
──ああ、すごい格好……。
あの、トリコロールの柄の水着よりも際どいハイレグカットで、すっかり露になった腰。そして、薄い生地の上から主張を強める乳首の脹らみに、へその凹みに、秘所の溝──。
アンダーヘアをすっかり落とし、生まれたままの姿になったそこから、じわりとあたたかいもののにじむ。ひとまず買ったスイムショーツや二プレスも、未開封のまま、鞄のなかにしまってある。水を含めば、濡れて肌が薄く透け出すのは明白だったが、万理華はそんなことなどお構いなしに、更衣室をあとにした。
そして薄暗い、長い廊下のなかほどにあるシャワーの列の一本の前へ来ると、ほんのり暖かいシャワーの水を、万理華はわざと、水着へ染み込ませるように手ですりこむのだった。
万理華の乳首は、その手の刺激もあいまってますますその脹らみを増していっている──。
その頃、結局日和って普通のスパッツ型の競泳水着を履いた恭平はある問題に直面していた。
てっきり、きちんと裏地のあるものと思った水着にそれがなく、あの赤い競パンばりにモノのシルエットが浮かぶことが着替えるうちにわかったのである。
「弱ったな……こんなに薄いとは思わなかったぜ」
さすがにこれでは、万理華になんと言われるかわからない。迷った末に、いちおう鞄には忍ばせてあった例の競パンを、恭平はスイムショーツ代わりに履いて、その上から普通のスパッツ型を着ることにした。
──ちょっとキツいけど、どうにかなりそうだな。
さっきよりはシルエットもわかりにくくなっているのに安心すると、恭平はゴーグルとキャップを片手に、更衣室をあとにした。
 更衣室を抜けて、遠くに見えるプールサイドの明かりを目指して、恭平は薄暗い通路をおずおずと歩き出した。すると、通路の中ほどにあるシャワーのあたりに、見覚えのある立ち姿があるのに気づいて、恭平は歩みを止めた。
 ――万理華だ。
 スイムキャップをつけたまま、上を向いて温水を浴びる万理華の姿に気付くと、恭平は声をかけようとして数歩あるいたが、途端に、
「――!」
 と、息を吞んでその場に固まってしまった。無理もない話だった。万理華の来ている赤い水着の後ろは、前に見たあのトリコロールの柄の水着よりも肌の露出が多かったのであるから――。
 ……すげえなあ、尻なんかほとんど見えてるじゃねえか。背中も、ほとんど丸見えだし。そうなると、前もすげえハイレグなのかなあ?
 見えている左足の付け根がずいぶん長く見えるのに、恭平は淡い期待を寄せながら、再び万理華へ近づく。
「よぉ、お待たせ」
「あ、恭平」
 隣に並んで、早いところシャワーを浴びようとした恭平は、振り返った万理華の正面を見てさらに驚いた。後姿ではわからなかったが、かなり薄手らしいその真っ赤な生地の下からは万理華の豊かな双丘の頂点がほとんど見えているのだ。
「あ、あれ、水着変えたの」
 視線をそらして顔をうつむけながら、恭平はシャワーを浴びだした。万理華は笑って、
「うん。安くなってたから買ったのよ。むかし、スイミングやってたときにいた先生が同じのを着てて、ずっと気になってたんだ」
 と返したが、もちろんこれは真っ赤な嘘。
 恭平を前にして、万理華の心臓は今にも破裂しそうなほど、激しい鼓動を打っていた。
 ――ああ、恭平が気づいた! 恥ずかしいよ……。
 とはいえ、来るところまで来てしまった手前、このまま帰るわけにもいかない。人気の少ないのを幸いと、万理華はそのまま、恭平と一緒にプールサイドへと出たのだった。このとき、二人の秘所はそれぞれ激しく湿り、また、激しく血を巡らせて昂っていた。
「じゃあ、わたしが先に泳いでみるから、よくフォームを見てて」
 スロープになった一角からそろって水中に入ると、万理華はゴーグルをはめて勢いよく潜り込んだ。そして、悠々たる調子で平泳ぎのフォームへうつると、恭平がぼんやり眺めている間に、元のところへと戻ってきた。
「どーお? わかった?」
「よ、よくわかんないよ。だいたい、平泳ぎしようとすると体勢が崩れるんだ……」
「力が変なとこに入ってるからそうなるのよ。ちょっと見てあげるから、そのまま仰向けに浮いてみて」
「ええっ」
 万理華の提案に恭平は焦った。どういうポジションで万理華が大勢を見るかわからないが、仰向けになっては自分のモノの膨らみかけているのがバレてしまう――。
「どうしたの、早くしてよ」
「わ、わかったよ……」
 どうか気づいてくれるな、と思いながら渋々仰向けに浮かぶ恭平。その下半身のモノは、緊張と興奮とで徐々に、二枚の水着の生地を押しやるように膨らみつつあった。
 もちろん、そのことに万理華が気づいていないわけはない。先刻泳いで見せたのも、戻ってきた直前で、恭平のモノがどうなっているかをこの目で確かめたかったからなのだ。
 ――すごい、水着の上からあんなになって……!
 ゴーグルの赤いグラス越しに、万理華は恭平の立派なモノを凝視し、自分の秘所が疼き、生地の下で最高潮に膨らむ頂点が、ますます固くなるのを覚えた。そんな中でも、口では平然と、
「もうちょっと腕の当たりの力を抜いて――そうそう、そんなかんじ」
 そんな風に指導が出来るのだから、長い間泳いでいてよかった――万理華はひしと感じていた。そのうちに、万理華はふと、恭平の着けている水着のシルエットに違和感を覚えた。
 ――アンダーにしては面積があるわね。……もしかして!
 男子の水着の形には見覚えがある。スパッツ型に、いわゆるスイムショーツを合わせればどうなるかは万理華もよく知っていた。だが、目の前にあるスパッツ型の水着の下にあるのは、どう見ても見知ったそれとは違っていたのだ。
 ……もしかして恭平、この下に?
 単なる思い過ごしかとも感じたが、やがて、薄い生地の下にはっきり、赤い生地と、メーカーのロゴマークが見えたのを確認すると、万理華はシルエットの正体が競パンであることを悟ったのだった。
 ……恭平、あんな小さなビキニを履いて。すごくいやらしい……。
 万理華は徐々に、自分の体が熱くなっていくのを覚えた。そして、その熱に浮かされるうち、知らず知らずのうちに彼女の手は恭平の秘所へとその指を伸ばしていった――。

四、


「あ、ああっ!」
 恭平の喜びと驚きが混じった声に、万理華は我に返った。
 ――やだ、さわっちゃった!
 指先にかすかに残る男性のそれの熱気に、万理華は驚きながらも呆然と立ちつくした。一方、驚いて水中へ引っ込んだ恭平はふたたび顔を出すと、万理華を驚愕のまなざしで見つめ、
 ――万理華、おれのあそこを……!
 と、形容しがたい表情を顔へ浮かべていた。
 幸か不幸か、監視員はうたた寝をしていてこちらの様子には気づいていない。シーズンだというのに、ほかに誰もいないプールは、開放的な様相を呈しながら、実に密やかなものを孕んでいた。
「ご、ごめん! わたし、もう帰る!」
「待てよ、おい!」
 慣れた調子で飛び込み台から上がり、元来た順路を小走りに急ぐ万理華。動くうちに食い込み、Tバックのようになった尻と、ざっくりと空いた背中が見えたが、いまの恭平にはそれを見つめるだけの余裕はなかった。
「万理華、待ってくれ!」
 長い通路の中ほどで追いつくと、恭平は万理華の腕をつかみ、彼女を自分の方へと向けた。スイムキャップとゴーグルは肩ひもに収まり、そのおかげで、今にも泣きだしそうになっている万理華の表情が、恭平にはよくわかった。
「……万理華、どうして、どうしてあんなことをしたんだ」
「……ごめん、許して。恭平が下に、競パン履いてるのに気づいて、見てるうちに……わああ!」
 こらえていた感情が決壊し、万理華は恭平の厚い胸板の上にその身を寄せた。形の良い胸元が、水着の生地と一緒に押し付けられ、恭平は頭の真っ白になるのがわかった。
「泣くなよ、万理華。……オレこそごめんよ、あんなに……その……膨らんでて」
 自分のモノの猛っていたのを恥じ入りながら詫びを入れる恭平に、万理華はいくらか涙をおさめながら、
「――だって、そうなるように、この水着を選んだんだもん……。恭平、この前からわたしの水着を見て、そう感じてたんでしょう?」
 と、思いの内をストレートに恭平へぶつけた。恭平はしばらく答えに戸惑っていたが、やがて意を決すると、
「……万理華の水着、スゲぇエロかった」
 正直に思いをぶちまけ、万理華の髪をそっとなでた。
「……わたし、恭平のこと思いながら、ずっと一人でしてた。恭平は、したの?」
「……うん、した。多い時、一日三回。こうして、抱き合うのも想像した。シャワー浴びながら、下に履いてる競パンのままでシてるときに、勢い余って……剃っちまった」
「……わたしも。処理してるうちに、だんだん気持ちよくなってきて……。水着の下、もう全部剃っちゃってるんだ。パイパン、だっけ?」
 暗がりで抱き合いながら、二人は今までの発展しない関係の隙間を埋めるよう、どんどん思いをぶちまけてゆく。だが、そのやり取りも、遠くで聞こえだした子供たちの騒がしい声に打ち切られてしまい、万理華と恭平はそっと体を離した。
「……すごい、興奮してるのね」
 恭平の下半身が、水着の生地を突き破らんばかりに立ち上がっているのを、万理華は食い入るように眺めている。かたや恭平は、万理華の胸元に浮かんだ乳首と乳輪、そして、秘所のシルエットをじっと見つめ、ますますモノの固さを増やしていった。
「……万理華、好きだ」
「……わたしもよ、恭平」
 子供たちが来ても構わない。そう意を決すると、恭平は履いていたスパッツ型の水着を脱ぎ去った。そして、男らしく、勇ましく立ち上がるそのモノをたたえた真っ赤な競パン姿のままで万理華を抱きしめると、溺れるようにひくつく彼女の唇へ、上から覆いかぶさるように吸い付き、身をよじらせたのだった。
「……好き、大好き。恭平、ずっとこうしたかった……」
「おれもだよ、万理華……」
 睦言の合間に唇を交わす二人。やがて、子供たちの気配に気づいてそっと体を離すと、恭平はそっと、万理華の耳へこんなことをささやいた。
「――続き、オレの部屋でしないか?」
「……いいよ。抱いて」
 目線も合わせず、呆けたような目で返す万理華の秘所からは、水着の裏生地を濡らさんばかりの愛蜜が垂れていた。

五、


 何食わぬ顔で更衣室へと戻り、待ち合わせて恭平のアパートへと向かった二人は、荷物を玄関先に投げ出すと、カーテンを閉め切り、冷房が効きだしたばかりの部屋の中で固く抱き合い、互いの唇を絡めあった。
「恭平……恭平……」
「万理華……万理華……」
 お互いの名前を呼びあい、服の上から体をまさぐる二人だったが、ふと、恭平は手を止めて、あれ、と声を上げた。
「……万理華、もしかしてこの下」
 赤く火照る頬に、呆けたまなざしをのぞかせる万理華は、恭平の言葉に黙って首を縦にふり、着ていた柄物のTシャツとスカートをそっとベッドの上に放り投げた。
「やっぱり……!」
 目の前にあらわになった万理華の姿に、恭平は息を吞んだ。服の下には肌着でも下着でもなく、あの真っ赤なハイレグカットの競泳水着が水気をたたえて、万理華の肌にぴっちりと張り付いていたのだ。
「着替えようとしたときにね、思ったの。あのまま、プールの中で誰も来なかったら……恭平はわたしのこと、どうしたかったのかな、って。だからこのまま来たの……」
「万理華……実は、俺もなんだ」
「え?」
 驚く万理華の前で、恭平も服を投げ捨てた。
「――あ!」
「俺も、同じことを考えてたんだよ」
 見事に均整の取れた恭平の下半身には、あの真っ赤なブーメラン型の競パンが、はち切れないばかりの膨らみをたたえて静かに張り付いている。
「恭平……お願い、あのとき、プールでどうしたかったか、この場で教えて」
 自分の胸板へ顔をうずめる万理華に、恭平はそっと、彼女の背へ手を回す。やがて、両の手は静かに万理華の尻元へ向かい、谷間に食い込みかかっていた水着の生地をTバックのように引き上げた。
「ああ!」
「こうやって、ずっと撫でまわしたかったんだ……」
「恭平……」
 万理華の尻を撫でまわしながら、恭平はしきりに彼女の唇をむさぼる。それにつれて、下半身の膨らみはますます硬さを増し、熱を帯びてゆく。
「――ねえ、今度はわたしがしていい? あのとき、こうしたかったの……」
 恭平の腕から離れ、フローリングの床の上に膝立ちになると、万理華は真っ赤な生地の上から膨らむ恭平のモノへ、大胆にも唇を近づけた。シルエットも露わな恭平の秘所の、亀の頭のようになった箇所を、万理華は執拗に、唇と舌で攻める。
「そんな……水着の上からなんて」
 拳をにぎりしめ、今にも猛る感情を外へ吐き出しそうな恭平に、万理華は顔を上げながら、
「いいよ、恭平……。我慢しないで、そのまま出しちゃっていいよ?」
 と、悪魔のようなささやきをもらす。
「万理華……俺、もう……あ、あ、あああ!」
 直前、万理華がはわせた舌の刺激が決定打となったのか、恭平は獣のような咆哮とともに、競パンの中に熱い、精のほとばしりを放った。それにつれて、恭平のモノは激しく脈動し、驚いた万理華は一瞬口を離した。
「――すごい、いっぱい出たね」
「ま、万理華……」
 収まりきらなかったものが、ぴっちりと張り付いていた競パンの隅から漏れ出し、栗の花のような独特の香りを部屋いっぱいにまき散らす。その、粘り気を帯びた精の流れを、万理華は恍惚とした表情で見つめていた。が、やがて何を思ったのか、出すものを出し切ってしぼんだ秘所にふたたび口をつけてから、万理華はその流れへ舌をはわせ、懸命になめだしたのだ。
「万理華、そんなこと……」
「……今度は、わたしの口の中に出してね。ねえ、シャワー浴びようよ。そしたら今度は……わたしのここ、気持ちよくして?」
 そういって万理華が指を差した場所、ハイレグカットの逆三角形の頂点は、まるでそこだけ水でもかけたように、濃い色で濡れているのだった。

六、


 万理華をそっとベットの上へ寝かせると、恭平はまじまじとその逆三角形を眺めた。露わになった腰骨の間にある鋭角の下に万理華の露わになっていない部分がある――。塩素の染みた生地から香る、秘所から漏れ出るその愛液に、恭平は再び股間へ力の入るのを覚えた。精液にくるまれた肉棒が、ゆっくりと競パンの下で膨らんでゆく。
「万理華、オレもう……」
「いいよ恭平。わたし、今日は大丈夫な日だから。――したいように、して」
 万理華の恍惚とした表情に、恭平は息をのみ、そっと競パンを下ろした。たくましい肉棒が露わになり、万理華はそれを恍惚とした表情で眺めた。
 ――すごい、おおきい……! こんなものが入ってくるなんて。
 ふたたび秘所へ湿り気の足されるのを覚えながら、万理華は黒々とした太いそれが自分の中へ入ってくることを想像した。そして、恭平は精液の染みた競パンを、そっと掛け布団の上へと置いた。
「万理華……なめるよ」
「――うん。……あ、あ、ああ!」
 健康的な太ももの間に頭をしずめると、恭平は万理華の秘所を水着の上から丹念に、そして執拗に舌でなめた。ひとなめするごとに万理華は悶え、嬌声を部屋の中いっぱいに上げる。
 ひとしきり万理華の秘所を堪能すると、恭平はそっと、その逆三角形をずらした。
「すごい、全部剃っちゃったんだね」
 覆い隠す毛の一本たりとも存在しない秘所の、そのささやかな割れ目を、恭平はまじまじと見つめる。
「そうなの……だんだん、剃ってるうちに気持ちがよくなっちゃって」
「……じゃあ、オレも頑張るよ。……優しく、するからね」
「……うん、来て」
 万理華の招きにそっと頷くと、恭平は彼女の唇へそっと自分のそれを重ねた。そして、いきりたつ肉棒の先端をそっと万理華の谷間へ沈めてゆくと、恭平は彼女の処女の中へ、ゆっくりと自分のモノを入れ込んだ。その都度、万理華の唇から痛みと、同時に沸き上がる心地よい感覚の交じった小さな声が漏れ、恭平はますます、自分のモノの固くなるのを覚えた。
 そしてすべてが万理華の中へ納まると、恭平はそっと、入ったよ、と万理華につぶやいた。
「――やっと、一つになれたんだね。恭平の、すっごく熱くて、おっきいよ」
「――万理華の中、すっげぇ温かいよ。じゃあ、動くね」
「……うん」
 恋人の返答に、恭平はゆっくりと腰を動かし出す。小刻みに揺れる万理華の体を前に、恭平は下半身から湧き上がる得も言われぬ快感を吐息を交じえて口にする。
「ああ……すげえ……自分でするのと段違いだ」
「あんっ、恭平のも……奥まで届いて……すごいよぉ」
 興奮に赤く染まった万理華の柔肌に、水着の中からそそり立つ双丘の頂点。じわりと汗ばむその丘のふもとへ、恭平はたまりかねて唇を重ねた。心地の良い甘い香りに交じり、水着越しに潮の匂いがつんと恭平を刺激する。
「ああん、もっと……もっとなめて……あっ、あっ、ああっ……!」
 思い人の口が刺激する乳首の快楽に、万理華は腰を浮かせてのけぞり、悦びの色を顔に浮かべている。
「恭平、もっと激しくしてぇ……抱きしめてぇ」
「ああ、万理華……」
 万理華の言葉に、恭平は頭を離してから彼女を固く抱きしめ、腰だけに意識を集中させる。ストロークがだんだんと早まり、それにあわせてこすれる万理華の水着の生地が、恭平の上半身へも柔らかな刺激をあたえてゆく。と、
「……さっきのお返し」
「え、あ、ああっ」
 万理華がそっと自分の乳首をなめまわし、恭平は今までにない快感が襲い掛かるのを覚えた。それを合図に、こらえていた下半身の堰がだんだんと限界に達しだすのがわかった。
「ああ、万理華……もう出そうだよ」
「いいよ、恭平……一緒に、イこう……?」
 万理華の言葉に、恭平はフィニッシュとばかりに腰を動かす。その激しさに耐えかねた万理華は我を忘れて、恭平ともども部屋いっぱいに嬌声を上げる。
「あっ、あっ、あ、あああああ!」
「まっ、万理華あああっ!」
 ハイレグカットの頂点から、ねっとりとした何かが勢いよく噴き出す音がしたような気が二人にはした。全身を駆け巡る、筆舌しがたい快楽の渦に、二人はただただ、呆けた表情をさらしているばかりだった。
「万理華、すごく気持ちよかったよ。……じゃ、抜くね」
「……うん」
 数分ほどの静寂を破り、恭平はおもむろに下半身を引きあげた。お互いの愛液がからんだ、粘り気の強い白濁が、恭平の猛々しいモノ、そして、股布をずらした万理華の秘所から、鈍い輝きを受けてあらわになる。
「中、すっごくあったかい……。これが、恭平の精子なんだね」
 ゆっくりと垂れてくるそれを、万理華は半身を起こしてまじまじと見つめている。その光景に、最前までの心地よいひと時の記憶がよみがえり、再び己のモノが硬さを帯びるのが分かった。しかし、激しい射精の直後ではそれもおぼつかない。
「ふふ、恭平ってば、まだ足りないの?」
 モノを見つめ、か細い指先で秘所に留まる白濁をもてあそんでいた万理華の妖しげな微笑みに、恭平は思わず顔を赤らめる。そして、そばに放り投げてあったあの赤い競パンを履いて、万理華に背を向けるのだった。
「なによ、怒ってるの?」
「いや、そういうんじゃなくってさ……。なんか、スゲー初体験だったなぁ、って
思ってよ。普通のセックスとは、なんか違ったじゃん」
 恭平が俯きながら答えると、
「たしかに、そうだったかもね。でも、恭平の気持ちはすっごくわかったよ。ほら、見て……」
 万理華の問いかけに、恭平はもたれていた首をそっと後ろへ回す。そこには元に戻され、中に残っているあの白濁がじっとりとしみ込んだ、競泳水着の赤い鋭角があった。
「なんだか、全部掻きだすのが惜しくなっちゃって……。今、すっごい幸せだよ」
「万理華……」
「あとゴメン、ひとつ黙ってたんだけどね、私、ずっと生理痛の緩和にピル飲んでたんだ。だから別に、今日でなくても大丈夫だったんだよね~」
「え、ええ……」
 別に何か後ろ暗いことがあったわけではなかった。しかし、純真なようで案外準備の良いこの恋人に、恭平は何となく、これから手玉に取られそうな、そんな気がしたのだった。
 水着姿のピロートークが済むと、二人は行為に及ぶ前のように、そろってシャワーを浴びた。そして、脱ぎ去った互いの水着から愛液や濁りをきれいに洗い去ると、タオル一枚を巻いたまま、万理華と恭平は開け放った窓からの風を受け、ベッドの上にそっと横になった。
 いつの間にか日も傾き、涼やかな夏の夕風が、二人の裸体をそっと撫でてゆく。
「……今度、いつ泳ぎに行こっか?」
 しばらくの無言ののちに、万理華はそっと口を開いたが、恭平はあの激しい情事の疲れが出たのか、万理華に腕枕をしたまま、すやすやと寝息を立てている。
「……ムードないなぁ」
 むくれはしたものの、万理華は恭平の肌の下を流れるぬくもりに心地よい感情をおぼえ、そっと寝顔へ唇を重ねた。
 どこかで風鈴が、二人の幸せを祈るように鳴り響く夕暮れのことである。




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